【CRI時評】前例のないマイナス原油価格が警鐘を鳴らす

CRI online    2020年4月22日(水) 12時25分

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世界の原油市場の三つの主要ベンチマーク価格の一つである米国産WTI原油(西テキサス地方の中質原油)5月物の先物価格が2020年4月20日、値下がり幅が300%を超え、1バレル当たりマイナス37.63ドルで引けた。ニューヨーク商品取引所が1983年にWTI原油の先物取引を開始して...

世界の原油市場の三つの主要ベンチマーク価格の一つである米国産WTI原油(西テキサス地方の中質原油)5月物の先物価格が2020年4月20日、値下がり幅が300%を超え、1バレル当たりマイナス37.63ドルで引けた。ニューヨーク商品取引所が1983年にWTI原油の先物取引を開始して以来、原油価格がマイナスの値をつけたのは初めてだ。その根深い主な理由は、新型コロナウイルスによる感染症が世界的な経済の停滞をもたらし、原油の需要が急激に低下したことにあると言われている。

 ニューヨーク証券取引所の10日間で4度のサーキットブレーカー(株式市場や先物取引において価格が一定以上の変動を起こした場合に、強制的に取引を停止させるなどの措置を行う制度)がまざまざ目に浮かび、「マイナス原油価格」という凄まじいドラマが演じられ、新型コロナウイルス感染症による経済への影響がまさに加速していることがまたもや世間を驚かせた。IMFは最新の「世界経済見通し」の中で、新型コロナウイルス感染症の影響を抑え、特に医療支出の増加を通じて医療部門の能力と資源を増強するとともに、ウイルスの蔓延を抑える措置を講じることが最優先事項だと指摘した。感染症を効果的にコントロールして初めて経済回復を語る基盤ができる。

 まさにこの事によって、感染者数が80万人に迫り、死亡者が4万人を超えた状況下で、米国政府が最近発表した、5月1日からの段階的「米国再始動」の操業再開計画が多くの関係者から疑問視されている。米国トップクラスの伝染病学者であるアンソニー・ファウチ博士は20日、アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー(ABC)のインタビューに、「ウイルスが制御されない限り、経済の回復はない。もし事を急ぎすぎると、感染対策の努力はあと一歩と言うところで失敗する」と主張している。注目すべきは、感染症の流行下で、一部の新興経済国も開発の困難に直面していることだ。アルゼンチンのグスマン経済相は先日、アルゼンチンは「事実上のデフォルト」状態にあり、今は債務返済の力がないと述べた。同時に、インドなどの国々も感染症の予防・抑制活動が低所得者の生活をいっそう圧迫することになるのを恐れている。

 ウイルスに国境はない。過去数カ月、ウイルスは巨大な破壊力でそれを証明した。感染症の予防・抑制活動であれ、経済の救済であれ、全世界的な協力が急務だ。(CRI論説員)

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