米国原油先物の「マイナス価格」とは?

人民網日本語版    2020年4月22日(水) 12時20分

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国際市場の原油価格が新記録を打ち立てた。20日、米ニューヨーク原油先物市場でWTI原油先物価格が暴落して過去最低を更新するとともに、史上初めてマイナス価格に陥った。

国際市場の原油価格が新記録を打ち立てた。現地時間の4月20日、米ニューヨーク原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格が暴落して過去最低を更新するとともに、史上初めてマイナス価格に陥った。

原油先物価格がマイナスになるということは、原油を原油精製場まで輸送するか、貯蔵するためのコストが原油自体の価格を上回るということを意味し、多くの中小石油企業は破産リスクに直面する可能性がある。

メディアの報道によると、米国では新型コロナウイルスの感染拡大でインフラ、交通、物流が滞るといった問題が発生し、原油の輸送や貯蔵が難しくなった。純粋に経済性だけを考えて油井を閉鎖して生産を停止することにはリスクがあるため、生産は続けなければならない。貯蔵施設の容量が十分でなかったり貯蔵コストが高すぎたりすれば、メーカーはマイナス価格を引き受け損失を出してでも、バイヤーに石油を買ってもらわなければならない。

しかしここではっきりさせておかなければならないのは、マイナス価格になったからといって、これから無料でガソリンを給油できてさらにキャッシュバックがあるということではない。マイナス価格になったのはもうすぐ期日を迎える期近5月物だけであり、原油の現物価格ではない。また期近6月物の取引価格は20ドル(1ドルは約107.4円)以上の水準を維持し、英国・ロンドン市場のブレント原油先物も現在は25ドル以上で取引されている。

市場の反応をみると、北京時間の21日、国際市場の原油価格は反転上昇し、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物主力商品は現在価格は7%上昇して、1バレル22ドル近くなった。ブレンド原油先物主力商品は1.5%上昇して、同29.6ドルに迫った。

トランプ大統領「原油価格が底を打ったのは購入する絶好のチャンス」

海外メディアの報道によると、トランプ米大統領は、「原油価格の下落はごく短期的なものになる。マイナス価格は金融市場の状況を反映したもので、原油市場の状況の反映ではない。今は原油を購入する絶好のチャンスで、議会が支持してくれることを願う。目下、石油最大7500万バレルを戦略石油備蓄に積み増すことを検討中だ。サウジアラビア産原油の輸入停止についての意見を検討している」と述べた。

しかし興証先物取引有限公司は、「需要サイドが極度に悲観的な状況の中、5月になると、減産合意に規定された世界への供給削減は、原油価格の動向を変えられないため、原油価格は低い水準、広い幅で変動する局面が続くとみられる」との見方を示した。

独立系コンサルタント会社のエナジー・アスペクツのチーフ石油アナリストのアムリタ・センさんは、「今回の減産幅は遥かに十分ではなく、4月全体の世界のエネルギー需要は前年同期に比べて1日あたり2500万バレル減少する可能性がある。グローバル経済が新型肺炎の打撃を受けていることを考慮すると、原油ニーズの回復は非常にゆっくりしたものになるだろう。そのため今回の減産ではせいぜい原油価格を短期的に支えるだけで、価格上昇にはもっていけないと思われる」と述べた。(編集KS)

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