中国のワクチン開発状況、専門家が人々の関心に答える―中国メディア

人民網日本語版    2020年4月18日(土) 23時10分

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中国国務院共同感染対策メカニズムは3月17日と4月14日にそれぞれ記者会見を開いた。権威ある専門家はその席上、中国が独自開発した新型コロナウイルスワクチンの関連情報について質問に答えた。写真は武漢。

中国国務院共同対策メカニズムは3月17日と4月14日にそれぞれ記者会見を開いた。権威ある専門家はその席上、中国が独自開発した新型コロナウイルスワクチンの関連情報について質問に答えた。臨床研究の承認を得た新型コロナウイルスワクチンは安全だろうか。ワクチンが臨床研究に入ってから、正式な接種に移るまでどの程度の時間を要するか。筆者は記者会見の内容に基づき、注目されている問題に関する専門家の回答をまとめた。新華社が伝えた。

■質問その1.中国のワクチン開発はどこまで進んだか?

科学技術部社会発展科学技術司の呉遠彬(ウー・ユエンビン)司長:現在すでに3種類のワクチンが承認を受け臨床試験に入っている。うち初めて承認を得たアデノウイルスベクターワクチンは3月末に、1期臨床試験の被験者への接種を完了し、4月9日より2期臨床試験のボランティアの募集を開始した。これは世界で初めて2期臨床研究を開始した新型コロナウイルスワクチンだ。

中国生物武漢生物製品研究所、中国科学院武漢ウイルス研究所が共同で申請した新型コロナウイルス不活化ワクチンは4月12日、国家薬品監督管理局の承認を受け、臨床試験に入った。13日には北京科興中維生物技術有限公司が開発した不活化ワクチンの臨床試験を承認した。

■質問その2.中国のワクチン開発がこれほどハイペースな理由は?

中国工程院の王軍志(ワン・ジュンジー)院士:ワクチン自体は健常者に用いる特殊な薬品で、安全性が第一だ。そのため緊急審査・承認の過程において終始、科学を尊重し法則に従い、安全で効果的であることを根本とする方針を貫き、特別なケースにおいては特例を認めるということを堅持する。この過程における多くの研究開発のステップは直列から並列に改められた。研究と審査が連動し、随時研究開発資料を提出していく。基準を引き下げないことを前提とし、切れ目なき連結により研究開発及び審査・評価の効率を大幅に高めた。

◆質問その3.臨床試験の承認を得たワクチンの安全性は保証されるか?

王氏:中国内外のワクチン販売・応用には、厳格な法律法規及び技術基準の要求が存在する。各種ワクチンは臨床前研究のプロセス、技術の特徴及び要求が異なっている。ワクチンは臨床試験に入るには、薬学的研究、有効性の研究、安全性の研究を行わなければならない。

全体的に言えば、ます合格のワクチンサンプルを生産し、動物実験で安全性と有効性が証明されてはじめて、臨床試験に移ることができる。ワクチン開発のすべての段階に応じて、守るべき国の技術法規がある。これらの法規と技術的な要求は、WHO(世界保健機関)などの国際的な基準と一致する。

■質問その4.国民全員のワクチン接種はいつ?

王氏:一般的に、通常の臨床試験は3期、つまり3つの段階に分かれる。1期臨床試験の重点は、使用の安全性の観察だ。主に少数の感染しやすい健康なボランティアを被験者とし、人体のワクチンの量による許容の程度を確定し、その初期段階の安全性の結果を理解する。一般的には人数が相対的に少なく、数十人から百人ほどだ。これは1期臨床試験でやらなければならないことだ。

2期臨床試験は検体数とターゲットとなる人数を拡大する。ワクチンの人々に対する初期段階の有効性・安全性の結果をさらに確認し、免疫プロセスと免疫量を確定することが目的だ。これは2期臨床試験でやらなければならないことだ。被験者は一般的に数百人で、2期臨床試験はいずれも数百人、さらにそれ以上のケースもある。指摘しておかなければならないのは、1、2期臨床試験はいずれも健康なボランティアで、比較的募集しやすい。免疫のプロセスやプランの内容によって、おおむね数カ月の時間がかかる。

ワクチンの有効性を確定するためには3期臨床試験が必要だ。3期臨床はさらに多くの検体を必要とする。一般的な感染症については通常、一つの流行期間を観察し感染しやすい人々への保護率を確定する。その規模はいずれも数千人、さらに数万人のケースもある。一般的に3期臨床試験で出る最終的な結果が、ワクチン販売許可の科学的根拠となる。通常の状況であればこの3つの部分に分かれる。

■質問その5.中国のワクチン開発は世界的に見てどの程度の水準か?

王氏:科学研究チームは、ウイルスの不活化ワクチン、核酸ワクチン、サブユニットワクチン、アデノウイルスベクターワクチン、弱毒インフルエンザウイルスベクターワクチンという5つのテクノロジー・ロードマップを設定した。5つのテクノロジー・ロードマップのワクチンは現在、いずれも全体的に順調に進んでいる。第1弾で確定された9件の任務が、臨床前研究(動物の有効性・安全性研究)の大半の作業を終えた。大半の研究開発チームは4月に臨床前研究を完了でき、次第に臨床試験を開始する。一部のチームはそれよりも早い進展を遂げている。中国の新型コロナウイルスワクチンの研究開発の進展は現在、全体的に見て世界の先頭集団に入っており、海外より遅れることはないと言うべきだ。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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