ビデオブロガーが若者のプランBになるのはなぜ?

人民網日本語版    2020年4月15日(水) 11時40分

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新型コロナウイルスによる肺炎の流行期間にはショート動画SNSプラットフォームで始まった「グルメコンテスト」が家にこもる日々の中の新たな娯楽になった。

全国的に「涼皮」(中国風冷麺)を手作りするようになり、「焼き冷麺」コンテストも行われて、新型コロナウイルスによる肺炎の流行期間にはショート動画SNSプラットフォームで始まった「グルメコンテスト」が家にこもる日々の中の新たな娯楽になった。感染状況により、多くの人々は暮らしの中で一時停止ボタンを押され、在宅生活のつれづれに、余暇活動の目標をショート動画に切り替え、個人メディアの開設やビデオブロガーの活動にトライするようになった。「中国青年報」が伝えた。

データによれば、春節(旧正月、今年は1月25日)連休期間に、ショート動画アプリは一日あたり平均アクティブユーザーの増加量が8千万人を超えて1位になった。トップクラスのアプリの抖音(Tik Tok)と快手(Kwai)は増加量が他のソーシャルメディアやゲームのアプリを上回った。ブロガーの張馨さんの感じでは、「ますます多くの若い人がショート動画がもたらすボーナスを認識し、ファンがブロガーに変身するようになった」という。

家の中でビデオブロガーに変身し副業にして稼ぐ

張さんは事業機関で働き、余暇にはTik Tokのショート動画を見るのを楽しみにしている。Tik Tokの運営に専念して、ビデオブロガーになろうと考え始めたのは最近のことではない。

張さんは2018年の年末に専業のビデオブロガーになる準備を始め、撮影用にスマートフォンの雲台を買った。19年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)で撮影機器のグレードアップをはかり、大枚をはたいて大疆のハンドヘルドカメラ「オスモポケット」(霊眸)を購入した。これはその年の「ダブル11」で張さんが唯一購入した商品でもある。それから1年余りの間に、張さんは手当たり次第たくさんの動画素材を撮影したが、仕事が忙しくて、満足できるショート動画はなかなか作成できなかった。「本当のところは自分の行動力不足。感染症が発生し、家にこもるようになって生活に不安を感じるようになり、新たな収入源を見つけなければならなくなった。それでTik Tokのアカウントを真剣に運営するようになった」という。

美容整形病院で働く王嘉沛さんは感染症の流行中にスマートフォンを利用し、動画を撮影してメイクアップの心得を発信した。アカウントを育てている人の焦る気持ちはよくわかるという王さんは、「ファンをたくさん集めなければ、アカウントでライブコマースをすることもできないし、広告主を見つけることもできない。今年はお金を稼ぐのが大変で、自分のためにプランB(次善の策)を考えて、生計を立てる手段を増やさなければならない」と話した。

こうしたケースは例外ではない。インターネットのビッグデータ分析を手掛けるクエストモバイル社の報告のデータによれば、春節時期のさまざまなマーケティングイベント、感染症の爆発的拡大という2つの要因に後押しされ、Tik TokとKwaiの一日あたり平均ユーザー規模はTik Tokが38.9%、Kwaiが35.2%、それぞれ増加した。Kwaiもデータを発表し、2月7日から3月31日までの間に、新たにアクティブな企業ユーザーのアカウントが50万件増えたことを明らかにした。

Q&Aサイト「知乎」では最近、「ショート動画でどうやって稼ぐの?」、「(動画サイトの)『bilibili』(ビリビリ)で暮らしに役立つ動画の配信を始めたブロガーです。どのようなPRをすればよいでしょうか?」といった質問がよく寄せられるという。

Tik Tokでは「養号」(アカウントを育てる)に関する動画が50万3千本を超え、再生回数は13億1千万回に達した。Tik Tokは公式アカウントで、動画を発表し、正しい情報を伝え、アカウントを育てるのには技術がいると伝え、ユーザーに質の高いコンテンツを持続的に発信しなければ注目されたり「いいね!」をたくさんもらったりすることは難しいと注意を促すが、「養号」をめぐる議論は相変わらず沸騰気味で、ここからアカウント運営に対するユーザーの差し迫った様子がうかがえる。

ウェイボーの人気者もショート動画の急行車線を走りたい

新たな担い手がショート動画の分野でパイの分け前にあずかろうと考えるだけでなく、写真や文章をつづる個人メディアのベテランブロガーもショート動画という大きなパイを見過ごせないと考えている。

@笑飛雪さんは有名な旅行ブロガーで、微博(ウェイボー)のアカウントには100万人以上の登録者がいる。Qunar.Comや飛猪などのプラットフォームでも旅行家として名前が通っている。感染症が爆発的に拡大して旅行産業は大きな痛手を被り、これまで春節が終わると全国各地を飛び回って写真を撮り、旅行記を書いていた@笑飛雪さんも今年はずっと家にいるしかなく、長らく考えてきたブロガーへの転向を実行に移すことを考えるようになった。

@笑飛雪さんは昨年からこんな風に考えてきた。画像や文章に比べて、ショート動画というコンテンツは受け入れられやすく、ユーザーは「短く、頻回で、スピード感のあるコンテンツ」をますます好むようになっている。画像・文章は静かに眺めたり読んだりするもので、細かい部分にも高い要求が出される発信スタイルであり、動画は趣味性や可視性がより高い。長い文章を読みたいと思う人はどんどん減っている。また動画は気軽に見ることができ、気に入らなければすぐ離れればよいが、画像・文章はページから移動しなければならない。そんなことを考えてショート動画に転向しようと思ったという。

しかしモデル転換は容易ではなく、@笑飛雪さんは撮影に関して発想を転換しなければならず、外に出る前に動画作品の大まかな計画と構想を練っておかなければならなくなった。長い時間をかけて画面のアイディアをまとめても、思うような画面を見つけられないことが多々あり、ショート動画作成になかなか踏み出せないでいた。

しかし感染状況で仕事ができなくなった期間に、@笑飛雪さんはショート動画アプリで最新のグルメや生活に役立つ情報を発信するブロガーがたくさん増えたのを見て、強い焦りを感じ、ついにプランBに踏み切った。「この頃、仕事がなかったので、動画の撮影やカット割りを真剣に勉強し、身の回りのことを撮影する時間もあった。カメラを持って、たくさんの素材を次々撮影した。父親と一緒の釣りや田舎の自然の中での炊飯といったコンテンツも撮った。しかし満足のいく作品を作り、ファンに評価され喜んでもらうのは、とても難しいことだ」という。

ブロガーの@可楽楽Superchloeさんはモデル転換に成功した旅行ブロガーで、19年末からTik Tokアカウントを運営し始めて現在に至り、登録者は57万人を超えた。ウェイボーや一直播などのプラットフォームで合計200万人以上の登録者を抱えているのと比べれば開きがあるが、「Tik Tokはファンが増えるペースがものすごく速い。今では動画がインターネットの世界のチャンスになっていて、ネットで働く者として、ネットのリズムにぴったりついていきたいと思う」のだという。(編集KS)

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