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ダムの底に沈む重慶市ゴン灘では、2007年4月末で最後の住民の転出が終わった。住民たちは慣れ親しんだ調度類や生活用品を大事に背負って新居へひとつひとつ運んでいた。
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ダムの底に沈む重慶市ゴン灘では、2007年4月末で最後の住民の転出が終わった。ここは烏江沿いの切り立った崖に這いつくばるように作られた酉陽トゥチャ族の村。1700年ほど前から村が形成されたといわれ、高床式の住宅や旅館、瓦屋根に白壁といった独特の風情が、観光客を集めていた。
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しかし、重慶市と貴州省の電力不足を解消するためにはダムの建設が不可欠で、発展の波に抗うことはできず、この村は犠牲になることになった。レコードチャイナのカメラマンは最後の姿を残すべく、ゴン灘などの集落を写真に残した。***
住民たちは住み慣れた伝統家屋を離れ、新たに建設された団地へと引っ越してゆく。慣れ親しんだ調度類や生活用品は捨てがたく、大事に背負って新居へひとつひとつ運んでいた。地元政府は観光価値の高い民族の遺産をただ水没させるのは忍びないと移築を決め、建物の屋根瓦やレンガ、建物の梁など搬出し、新たな観光地を建設する。しかし千年の間、人々の往来を刻み続けた石畳の山道はもはや足跡を残すこともなく、静かに水中へと消え行くのだ。(翻訳編集・WF)
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