<武漢封鎖解除>中国、コロナ危機脱却へ=1~3月GDP6%減も、4月以降回復か―21年9%増見通し

Record China    2020年4月18日(土) 6時40分

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武漢の封鎖措置が2カ月半ぶりに解除された。中国は厳しい状況を脱し日常に復帰しつつある。1~3月のGDPは6.8%減だったが、IMFは21年にV字回復を予想している。写真は封鎖解除後の武漢。

中国の国家統計局が17日発表した2020年1~3月期の国内総生産(GDP)実質成長率は前年同期比マイナス6.8%だった。四半期ごとの成長率がマイナスになるのは、統計を取り始めた1992年以降初めてで、新型コロナウイルスの感染拡大が大きく影響した。

 

中国政府は1月23日から、新型コロナウイルス肺炎が世界で初めて確認された武漢市湖北省武漢市を封鎖し、全国的に移動制限を課す強力な感染防止策をとった。その結果、1月下旬以降の経済活動を犠牲にすることになった。

4月8日、この封鎖措置が2カ月半ぶりに解除された。世界各国での被害が強まる中、中国は厳しい状況を脱し日常に復帰しつつある。

航空や鉄道、道路などの交通網が本格的に再開してヒトやモノの流れが常態化し、中国経済全体を支える主力の自動車産業やハイテク産業も回復。大半の飲食店が営業を再開した。各都市の移動状況に関するビッグデータ解析によると、一部地域をのぞいて移動量はほぼ前年並みに復活していることがわかる。

封鎖解除に当たって役立ったのは、QRコードの色で識別する「健康コード」の導入。身分証明書番号などと健康状態、行動履歴をスマホで一括管理し、感染者が出れば周辺にいた人を特定し、すぐに検査や隔離ができる。新型コロナ情報の開示の遅れが世界的流行につながったが、その後の防疫対策では武漢市封鎖やデジタル監視システムの活用など、人類史上前例のない中国の強硬策は成果を挙げたといえる。

◆14億人消費と次世代投資に活路

中国の孔鉉佑・駐日大使は「人口14億人超の消費により中国経済は復活しつつある」と強調。今回の新型コロナウイリス禍の局面で「無人店舗、遠隔医療、オンライン教育、新エンタテインメント、AI(人工知能)、5G(次世代通信規格)、EV(電気自動車)、ビッグデータなど新しい経済の形態が生まれている」と指摘。巨額投資と相まって大きな成長エンジンになると見ている。

景気のV字回復を図るため、金融・財政政策を総動員。20年末で打ち切る予定だった電気自動車(EV)など新エネルギー車への自動車取得税の免税措置と1台当たり1万元(約15万円)以上の補助金の支給を2年間延長する。税金や社会保険料の納付延期、テナント料の免除といった施策に続き、中国各地で導入されているのが電子商品券だ。申請から受け取りまですべてスマホ一台で完結するという簡便さだ。

◆外国からの流入感染を警戒

ただ武漢には無症状の感染者がなお存在。海外からの感染者の帰国とともに、中国での感染拡大「第2波」があるとの見方も根強い。特にロシアからの陸路での帰国者を警戒、中露国境が封鎖された。孔大使も「直面している厳しい課題は外国からの流入感染である」と警戒している。

IMF(国際通貨基金)が発表した経済見通しによると、中国の成長率は2020年に1.2%と欧米や日本などの先進国が軒並み5%以上のマイナスとなる中でプラスを確保。21年には9.2%に急回復すると見込んでいる。中国現地のシンクタンク幹部は「4月中旬に中国経済のサプライチェーンの80%が回復、設備稼働率と生産性も急速に向上した。外需依存度は低下しており、復興消費が大きく寄与する」と強調。「最近海外の有力投資家がテンセントなどの株をこぞって購入しており、投資家の対中積極姿勢は回復した」とし、3月後半には既に投資資金70億ドル(約7530億円)が中国市場に戻っているという。(八牧浩行

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