新型コロナ感染拡大の「非常時」、日本人と在日華人の対応は?―中国メディア

人民網日本語版    2020年4月12日(日) 5時40分

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新型コロナウイルス感染が拡大する現在の「非常時」において、記者は日本で生活する華僑・華人と日本人計5人にインタビューし、彼らの実際の生活状況と心の動きを取材した。

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4月に入り、日本を緊迫した雰囲気が覆い始めた。日本政府は国民全員に対しできる限り在宅勤務をすることや不要不急の外出を控えるよう求め、一人ひとりの行動が社会全体に大きな影響を与えるとして、決して事態を甘く見ないように呼びかけた。新型コロナウイルス感染が拡大する現在の「非常時」において、記者は日本で生活する華僑・華人と日本人計5人にインタビューし、彼らの実際の生活状況と心の動きを取材した。人民網が伝えた。

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「最後までしっかり任務を果たす」

邵旭宇さん(株式会社大可国際医療集団董事長)

私の仕事は主に中国から日本に医療体験と治療のためにやって来る顧客の対応で、中国国内との接触が非常に多い。医療と関連する分野に従事しているので、会社では当初から事態を非常に重視してきた。感染状況が深刻化してからは、3月から関連対応業務を停止し、現在受け付けている案件を終わらせることに力を集中させた。3月5日に最後の顧客を中国国内へと送り出した後、完全に業務を停止した。

その後、仲間とともに、主に自身の防護と地元の人たちと一緒に防疫に努めることに力を注いでいる。感染発生当初から前もってマスクを用意し、感染が拡大した後は、在庫を確認して顧客や従業員が必要な防護用マスクの枚数を確保したほか、節約したマスクを地元のクリニックなど防疫の第一線に寄贈した。当時、日本ではマスクがすでに購入しにくくなっていた。日本の友人たちとともに努力し、1日も早くウイルスに打ち勝つことを願っている。

「通りの人が目に見えて少なくなった」

徐暮雨さん(メディア関係者)

春節(旧正月、今年は1月25日)が過ぎた後、中国国内から日本に戻った。成田空港のイミグレーションには赤外線サーモグラフィーしかなく、検査は比較的簡単なものだった。当時は中国国内の感染状況が比較的深刻だったので、日本に戻ってから、自発的に家で14日間待機した。当時の自分は、日本の感染状況に対して特に深刻な感じは抱いていなかった。

3月初旬、以前はドキュメンタリー番組の中でしか見たことのなかったトイレットペーパーの買い占めを経験した。スーパーや自宅の階下にあるドラッグストアに、トイレットペーパーを求めて人が大勢押し寄せるのを実際に目にした。購入は1人2つまでに制限され、衛生用品売り場は短時間で空っぽになり、それから半月の間トイレットペーパーが依然として供給不足だった時に、じわじわと襲ってくる焦りを身をもって感じた。

3月下旬、東京都の感染者が急増し、巷では東京都も「封鎖」されるのではないかといううわさが飛び交った。このうわさの影響を受け、スーパーのコメやインスタント食品が一夜のうちに売り切れ、人々をある程度不安な気持ちにさせた。新型コロナウイルス肺炎に対応するために重要なマスクやハンドソープ、消毒液といった物資は、1月から今に至るまでずっと手に入りにくい状況が続いている。

現在、多くの企業も従業員を在宅勤務させるようになり、ショッピングセンターやレストランも週末に営業の停止や長期間の休業を選択した。私は渋谷に通勤しているが、仕事の関係で、外出して取材をする必要がある。電車の朝晩の通勤ラッシュも乗客の数が明らかに減り、以前なら毎日大勢の人でにぎわう渋谷も現在は人が半分に減り、渋谷が突然空っぽになってしまったように感じられる。こんな光景は、私が日本で働き、暮らすようになってから一度も見たことがない。

「感染状況は想像より深刻」

今泉 敢さん(会社員)

日本は自然災害が比較的よく発生する国で、日本人である私たちは子供のころから防災訓練を受けているので、災害がやって来た時には比較的落ち着いて対応できる。だから感染が広がり始めた時にも、まだ怖いとは思わず、毎週友人とお酒を飲みに出かけていた。でも日本政府がオリンピックの開催を2021年に延期すると発表してから、毎日ニュースで報道される感染者数が倍増するようになり、そのころから感染状況が想像していたより深刻だと思うようになった。突然感染者が増えた理由がそれまでの統計データ上の問題なのかどうかは分からない。でも本当に感染状況が深刻だと気づいてからマスクを買いに行ってももう全く買えず、今では家にあるマスクも少なくなってしまった。外出して買い物をする時もマスクをしないといけないので、もうすぐ足りなくなってしまう。今は家からできるだけ近いスーパーで生活用品を買うようにしている。すぐに行けてすぐに帰ってこられるから。こんなに短い距離ならマスクを無駄にすることはないと思って、マスクをしないこともあるが、みんなが着けているのを見てなんだか申し訳ない気がしてしまう。政府は各家庭にマスクを配ると言っているが、2枚だけだし、医療用のマスクでもないので、やりきれない気持ちになる。

「本当に不安」

吉田 佳代さん(会社員)

日本で新型コロナウイルスの感染が広がり始めた当初、在宅勤務させてほしいと会社に願い出たが、許可が出なかった。その後3月25日に東京都知事が緊急記者会見を開き、できるだけ不要不急の外出を控えるよう呼びかけ、在宅勤務をしてほしいと発言した後、私たちの部門は28日から在宅勤務ができるようになった。

日本は普段から災害が多く、家には生活用品と食料品を備蓄しているため、周囲で多くの人が食料品を奪い合って買おうとしていた時にも、私は割合平気だった。でもマスクは確かに十分とは言えなかった。私自身の今の最大の問題は花粉症がひどいのに病院に行けないこと。外では感染者が毎日増加していて、外出すると心配なので、今はまず我慢するしかない。

現在は生活用品を買うために3日に1度外出している。いつも朝スーパーが開店してすぐの時に行くようにしている。その時間帯は比較的人が少ないからだ。できるだけ外部と接触しないようにし、どうしても処理しなければならないことがなければ、できるだけ公共の場所に行かないようにしている。自宅に引きこもる生活は退屈だが、こうして家にこもることには意義がある。現在の状況からして、日本はこれからすぐに感染者が急増する時期に入るだろう。今後どうなるのかが分からず、本当に不安。現時点ですぐにできることは、いつもより注意するということだけだ。

「備蓄は十分、2カ月間外出しなくても大丈夫」

范勇強さん(留学生)

通っている学校はまだ休校になっていない。幸いなことに今は春休み中だが、これからどうなるかはまだ分からない。外出する時には必ずマスクを着けているし、アルバイトの時もマスクをしている。今一番心配なのは生活物資。スーパーでは通常通り供給されているが、人が多いところに行くのは怖い。コメは少なくとも1カ月分準備したし、パスタや乾麺、うどん、即席麺などの麺類もある。そのほかの生活消耗品もたくさん買ってあり、ざっと見積もって、これだけあれば2カ月は外出しなくても大丈夫だ。唯一不足しているのは野菜で、たくさん買うとダメになってしまうし、少ないと足りないので、それが悩みの種だ。でも今は、生活レベルをひとまず下げざるを得ない。すべては今の感染状況をやり過ごすことが先決だ。

個人的には、今回のような「非常時」を経験するのは初めてだ。この人生における「授業」は、学校で受ける教育より内容が深く、より試練でもあるが、準備は整っている。

「苦しさの中に楽しみを見つける」ことを覚え、この期間に手元にある限りの食材でおいしいものを作る方法を考え、どうやったらより科学的で健康的な食事ができるかを研究した。おかげで新たな生活スキルが身についた。海外にいて両親とは離れていても、寂しいけれど孤独ではない。身近にいる友人たちと共に協力して現在の困難を克服していきたい。家に備蓄した物資を使い終わる頃には、このウイルスとの闘いに打ち勝っていることを期待している。(提供/人民網日本語版・編集/AK)

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