複数の国が中国から防疫物資を「自ら引き取る」のはなぜ?―中国メディア

人民網日本語版    2020年4月8日(水) 20時30分

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4日現在、世界の54カ国・地域と国際機関3機関が中国企業との間で医療物資の商業調達契約を締結したほか、74カ国・地域と国際機関10機関が中国企業と商業調達について商談を進めている。

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中国商務部がまとめたデータによると、4日現在、世界の54カ国・地域と国際機関3機関が中国企業との間で医療物資の商業調達契約を締結したほか、74カ国・地域と国際機関10機関が中国企業と商業調達について商談を進めている。現在、新型コロナウイルス肺炎が世界で急速に拡大し、複数の国が中国から医療物資を調達しようとし、「自ら引き取りに行く」ケースがみられるようになった。中央テレビニュースが伝えた。

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ロシア:軍用機を派遣して「着実に引き取る」

4日、ロシア空軍の軍用機5機が上海浦東国際空港に相次いで着陸した。その後、5機は中国から調達したマスクをはじめとする防疫物資を満載し、4日と5日に相次いでロシアに戻った。

英国:中国から輸入した医療物資で「満席」

3日、英国のドミニク・ラーブ外務・英連邦大臣はSNSを通じて、「英国のヴァージン アトランティック航空の1機が中国から防疫物資を積載して英国に戻ったばかりだ。これには人工呼吸器300台、マスク3300万枚、医療用手袋100万組などが含まれる。在中国英国大使館がその後確認したところでは、今後も引き続き中国からその他の防疫物資を輸入し、感染症対策に利用する」と発信した。

日本:中国のマスクが到着、まるで奇跡

感染症が発生してから、日本政府はマスク1500万枚を購入し、全国の医療機関に順番に配布しようとしている。そのうち中国から輸入した1000万枚は3月30日に千葉県に到着した。現在、日本のマスク輸入量は1週間あたり1000万枚で、日本政府は4月からは3000万枚前後に増やす計画だ。

報道によると、輸入を行う日本の貿易企業は、「感染症が世界に拡大し、多くの国が中国からマスクを調達しようとしているため、マスク輸入量の安定を維持することが難しくなった」とした。同社の責任者は、「中国でも日本の10倍以上のマスクが使用されており、世界的なマスク不足の状況が今は各国によるマスク争奪戦へと変化した。今回はあらゆる手を尽くしてやっとマスクが手に入った。まるで奇跡のように思える」と述べた。

イタリア:マスク2200万枚が手に入り、さらに1億8000万枚を注文

現地時間1日、イタリアのルイージ・ディ・マイオ外務・国際協力大臣は代議院(下院)での質問に答える中で、「感染症が発生してから、イタリアは海外から計約3000万枚のマスクを入手し、このうち2200万枚は中国からのものだった」と述べた。

ディ・マイオ氏は、「イタリアは外交の力を総動員して世界での調達をサポート・展開している。これまでに中国企業から市場価格でマスク1億8000万枚を購入する契約に調印し、第一弾の700万枚が3月31日にイタリアに到着した。今後引渡しが順調にいけば、全国の毎月9000万枚に上るマスク需要に応えられるようになる」と述べた。

米国:マサチューセッツ州知事自ら連絡して調達

1日、赤、白、青の3色で塗装され、機体に「ペイトリオッツ(愛国者)」と書かれたボーイング767機が深セン宝安国際空港に着陸し、医療用N95マスク120万枚を積み込んで米国にとんぼ返りした。

このマスクはマサチューセッツ州のチャーリー・ベイカー知事が自ら連絡して調達したもので、マスクを運んだ飛行機は全米チャンピオンを6回獲得したアメリカンフットボールチーム「ニューイングランド・ペイトリオッツ」の専用機だ。マスクは中国で生産され深センから発送された。

なぜ「自ら引き取る」方式が始まったか?

中国以外で感染症が急速に拡大するようになると、各国では防疫物資の不足が深刻化した。製造業大国である中国は、今の段階で各国の防疫物資の1番目の調達先となっている。

3月末までに、中国の1日あたりマスク生産量は3億枚から4億枚に達した。多くの企業が次々に「業界の枠を超え」、「業務を転換して」マスクを作り始めた。中央政府の関連当局も「マスク専門班」を立ち上げ、全国での生産に協力し調整を進めた。

面倒なレンタル倉庫や貨物輸送機などの方式と異なり、「自ら引き取りに行く」方式なら防疫物資を迅速に持ち帰ることが可能だ。

カナダのジャスティン・トルドー首相は先日、「これから48時間以内に、カナダは中国から100万枚単位の医療用マスクを受け取ることになっている」と発表した。カナダは中国で倉庫をレンタルし、防疫物資の迅速な受け取りと各ルートへの振り分けに使われ、最終的にカナダに輸送する。

しかしレンタル倉庫や貨物輸送機などを利用した輸送モデルでは、倉庫や機内に収容しきれないといった問題がしばしば発生する。その点、「自ら引き取りに行く」方式であれば、防疫物資をより直接的に持ち帰ることが可能だといえる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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