日本で中国人実習生が逃走!身元保証人の叔父に300万円の支払い命令―中国メディア

Record China    2020年4月7日(火) 7時40分

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2015年に技能実習生として日本を訪れた中国人の鹹海斌さんが無断で離職した問題で、中国の裁判所は身元保証人の叔父・楊超さんに20万元の支払いを命じた。資料写真。

2015年に技能実習生として日本を訪れた中国人の鹹海斌(シエン・ハイビン)さんが無断で離職した問題で、中国の裁判所は身元保証人の叔父・楊超(ヤン・チャオ)さんに労働派遣契約を結んだ企業に対する違約金20万元(約300万円)の支払いを命じた。中国メディア・澎湃新聞が5日付で報じた。

記事によると、鹹さんは友人から海外で働く方が稼げるとして技能実習生の派遣などを行う青島泰成対外経済技術合作有限会社(以下、泰成社)を紹介された。2015年4月8日に同社と労働派遣契約を結んだという。

2015年8月、鹹さんは泰成社に渡航費などを含むサービス料4万2000元(約64万円)を支払い、愛知県の建設現場の技能実習生となった。しかし鹹さんは、「現地の企業は安全対策を行わずに高所で危険性の高い作業を行っていた。さらに、日本人の作業員から頻繁に暴言を浴びせられた」などとして、就労から半月後に無断で離職。その後、国内の別の都市で不法就労したが、1年後に警察に摘発され、送還されたという。

鹹さんが渡航する前、泰成社は無断離職などを防ぐために鹹さんに保証人を立てることを要求。楊さんが保証人となって、「保証人責任確認書」にサインした。この確認書は、技能実習期間中の無断離職、期間終了後の無帰国、不法滞在といった問題を起こした場合、保証人の楊さんは泰成社に違約金60万元(約920万円)を支払うことを規定している。

2019年4月12日、泰成社は鹹さんと連絡が取れないため、楊さんに違約金の支払いを求めて提訴した。青島市黄島区人民法院は同年9月、楊さんに泰成社に対して違約金60万元を支払うことを命じたが、楊さんは判決を不服として控訴。二審を経て、今年4月3日、楊さんに違約金20万元の支払いを求める判決文が届いた。

なお、3月10日時点で、人民法院の判決文公開サイト「中国裁判文書網」は、楊さんの控訴を棄却し、原審を維持するという判決文を掲載していた。楊さんはこれを見て「天地が崩れる」と感じるほどのショックを受けたが、その後、二審判決を下した青島中級人民法院が、「業務上のミスにより、掲載された判決文は最終版ではない」と認めた。

違約金の金額について、上海大邦法律事務所の弁護士、金(ジン)氏は「鹹さんは仲介会社が実際に受けた損失を賠償しなければならないが、60万元は不合理だ」と指摘。「中国の関連法では、企業はサービス料の徴収や担保の要求は禁止されている。このため、鹹さんと泰成社の間で結ばれた違約金60万元を支払う契約は無効で、その契約に基づいて賠償を行う根拠はない」との見解を示した。

湖南金州法律事務所のパートナー弁護士、●鑫(シン・シン)(●=「形」の左側におおざと)氏は、「企業は外国に派遣する職員から契約保証金を受け取ってはいけない。管理費などの追加徴収や、他の方法で担保や抵当権の設定を求めることも禁止されている」とし、「鹹さんの担保契約は成立せず、違約金の支払い義務は無効」としている。

なお、澎湃新聞の調査によると、泰成社が関係している訴訟は合わせて293件見つかったという。(翻訳・編集/毛利)

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