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新型コロナによる出版業界への影響は「非常に巨大」、中国の識者が指摘

配信日時:2020年4月2日(木) 14時43分
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世界で猛威を振るう新型コロナウイルスについて、中国の識者が「国内の出版業界は深刻な影響を受けた」との声を上げた。写真は徐海氏。

世界で猛威を振るう新型コロナウイルスについて、中国の識者が「国内の出版業界は深刻な影響を受けた」との声を上げた。

中国の南京大学信息管理学院と出版研究院の主催によるフォーラムが先月26日午後、オンライン上で開かれ、中国で最も大きな影響力と規模を持つ出版社の1つ、江蘇鳳凰出版伝媒股分有限公司の編集長で江蘇人民出版社社長の徐海(シュー・ハイ)氏が「感染症流行後の出版」と題して講義を行った。

まず、新型コロナウイルス感染症の出版業界に対する影響について、徐氏は「非常に巨大」とした。その具体的なものには▽国内実店舗の閉鎖による販売量への影響▽物流中断によるネット通販への影響▽大型見本市の中止や延期による影響があり、実店舗は2カ月近い閉鎖を経て現在は次々と営業を再開しているが、年間の書籍販売量は相応のダメージを受ける見通しという。この他、感染拡大によって、関係者とコミュニケーションが取りにくい、原稿が期限までに完成しないなどの問題も起きており、こうしたことも業界に大きな影響を及ぼした。

さらに、感染症がもたらした急激な変化は人と自然に関する書籍に注目が集まったことにも反映されており、今後業界ではこうした分野に注力する動きが見られそうだ。徐氏は「この新型コロナウイルス感染症は世界を範囲とする災難」とし、「この先の数年間、あるいは数十年間、世界の出版関係者、作者、学者、科学者はそれまで歩んできた発展の道を振り返り、人類と自然との関係について総括するはずだ」との考えを示した。また、政府のガバナンス能力とガバナンスシステム、異なる文化と異なる文明間の差異に関する書籍への関心もより高まるとの見方を示すとともに、感染爆発はさまざまな社会思想の出現を促したと指摘。「感染症流行後にわれわれがいかに共通認識と共通の価値観を凝縮するか。出版人が深く探究するのに値する」との意見も呈した。

徐氏は「将来の出版業界が2つの発展方向を持っていることは明らか」と指摘し、出版デジタル化の加速と断片的読書の加速に言及。「短いコンテンツが好まれる傾向がさらに突出し、出版方式から見ると紙の書籍が減る」とし、「長々としたくどい文章はデジタル時代の読書に適さなくなる。より短い文章で思想の精髄が表現されるようになるはずだ」と論じた。(レコードチャイナ編集部)

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