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新型コロナ「西太平洋の米原子力空母でも感染拡大」と米紙、軍事力の「空白」招く恐れも

配信日時:2020年4月3日(金) 19時20分
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新型コロナウイルスの感染が西太平洋の米原子力空母でも拡大していると米紙が報じた。空母の戦力が低下すれば地域の軍事力の「空白」を招きかねない恐れもある。写真は米海軍の原子力空母セオドア・ルーズベルト。

新型コロナウイルスの感染が西太平洋に展開中の米原子力空母でも拡大していることが分かった。複数の米紙が報じた。集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」と同じような事態だ。空母の戦力が低下すれば地域の軍事力の「空白」を招きかねない恐れもある。

AFP通信が伝えたサンフランシスコ・クロニクルなどの記事によると、この空母は「セオドア・ルーズベルト」。ニミッツ級空母の4番艦で、1986年10月に就役した。太平洋艦隊第9空母打撃群に属し、母港は米カリフォルニア州サンディエゴのノースランド海軍航空基地だ。排水量約10万4000トンで、全長は東京タワーと同じ333メートル。航空要員を含め約4000人が乗り組んでおり、FA18戦闘爆撃機など70機以上を搭載している。

フィリピン海に展開中だったセオドア・ルーズベルトをめぐっては3月24日、乗組員3人の新型コロナ感染が発覚した。空母の艦長は3月末、国防総省などに4ページにわたる書簡を送付し、グアム島の港に停泊している空母の乗組員の間で感染拡大が止まらない惨状を説明。「われわれは交戦中ではない。水兵らは死ぬ必要はない」と迅速な支援を求めた。

さらに艦長は空母の「空間は元来、制限されている」ことに触れ、「感染症の拡大が続き、加速している」と強調。乗組員全員を船内にとどめておくことは「不必要なリスク」であるとして、ほぼ全員をグアムで下船させ隔離できるよう要請し、「配備された原子力空母の兵員の大半を下船させ、2週間隔離することは異常な措置にみえるかもしれない」としつつ、「これは必要なリスク」だと主張した。多くの乗組員が残る艦内では構造上の問題もあり、隔離措置を取ることができない状態だという。

感染者の人数は軍事機密を理由に公表されていないが、150~200人に上るとみられる。艦長は「乗組員は階級に関係なく、濃厚接触を余儀なくされている」と指摘。乗組員全員を検査、隔離するなど「断固たる行動を取る必要がある」と国防総省に訴えた。

これを受け、モドリー米海軍長官代行は1日の記者会見で、感染者および感染の疑いがある乗組員計約2700人を下艦させ、グアムの基地などで隔離措置を取る方針を明らかにした。残る約1000人は原子炉や兵器システムなどの管理のため艦内にとどまるとしている。

アジア太平洋に展開する米空母2隻のうち、もう1隻の「ロナルド・レーガン」は米海軍横須賀基地でメンテナンス期間中。エスパー米国防長官は米テレビとのインタビューで、米軍の即応能力低下の「懸念はない」と言及し、「何かあれば、海外に展開する米軍10万人以上に警戒態勢を取らせる」とも述べ、中国や北朝鮮などへの抑止力は維持しているとの見解を示した。(編集/日向)

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