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<コラム>地球文明の国になれるか日本 その7

配信日時:2020年4月18日(土) 22時10分
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宇宙人の救世主、現るか?

宇宙人の救世主、現るか?

さて、前回は、肥大化する本能に対する、哲学的・倫理的規範が、最早、役立たなくなっていることを述べた。本能を制御する道はあるのだろうか。中国の孔子などの説は、大切だが、農村社会から産業社会に移行し、分断された個の社会には力を出せない。ソクラテスなどの哲学も、人間の「規範知」としては十分に働かない。無知を自覚しろと言っても具体がないと余りにも形而上学的である。欲望が、それによる科学技術が、人類の未来を喰い始めている。この本能という欲望をコントロールできなければ、人類に未来はない。

さて、種明かしになるが、その6で述べた『2001年宇宙の旅』は、遙か昔、宇宙の進化した生命体が、原始人に知恵を与え、人類の進化を促す処から始まる。その進化した生命体は、人類のみならず人間を超えるようなAIにまで、新しい超生命への道へ導いてくれるお話だ。

SFは、単なるおとぎ話だが、中には極めて哲学的要素を含んだものもある。『2001年宇宙の旅』も旅は、他の宇宙生命による人類の一段の進化への手助けのお話だ。『幼年期の終わり』もアーサー・C・クラークの作品だが、これも他の知的世生命が、人類を飼育していくお話である。『地球幼年期の終わり』というタイトルもある。

クラークの哲学的頭脳には敬服する。しかし、残念ながら、どうも人類は自分だけでは「滅亡」するしかないらしい。悲観的すぎるかなあ…。

もっとも「創造力」というものが、人類を真に人類たらしめる要素として捉えられてもいる。動物的本能の「脳」に、前頭葉や大脳辺縁系という理性を生み出す力を持っているのが人間である。このいわば理性脳をというものに隠された力を、引き出して、自ら本能をコントロールすることが、どうやら、「宇宙人」に導かれなくても、人間をさらなる高みにのぼらせる鍵のようだ。

SFでも、コンピュータの生命化という話が出てくるが、これはどうやら見当違いらしい。「生命は自ら細胞を壊して新たに作る『動的平衡』と共に進化し、未経験の環境の変化にも適応してきた。動的平衡のような破壊的創造と、何もないところから新しいものを生み出す発想は、AIは持ち得ない。」(青山学院大教授・生物学者 福岡伸一教授・米ロックフェラー大客員教授)

動物は、生命維持の、例えば基本部位である脳幹であるとか、生命維持のために必須の生存欲・食欲、遺伝子を残すための性欲だけで生きているといって過言ではない。人間は知能を獲得して、複雑な社会を構成し、文化を創り上げた。しかしそれは動物的本能に支配された理性的創造力の為せる業である。そこから脱却出来ない限り、これから先は闇の中である。それを乗り越えるために、未来の世界のために、新しい地球文明の鍵としての「日本」の役割について考えてみたい。

つづく

■筆者プロフィール:石川希理
1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小学校・飛松中学校・星陵高校・神戸学院大学・仏教大学卒。同窓生いるかな?小説・童話の創作と、仏教の勉強と瞑想を10年ほど。明石市と西脇市の文芸祭り選者。児童文学のアンソロジー単行本、小説の自家版文庫本など。

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