操業再開のピークを迎える中国、安全性の懸念はあるか?―中国メディア

人民網日本語版    2020年3月30日(月) 20時40分

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「世界で心を一つにし感染対策」をテーマとする第2回新型コロナウイルスによる肺炎学際フォーラムがWEB会議の形で29日午後3時、開催された。

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「世界で心を一つにし感染対策」をテーマとする第2回新型コロナウイルスによる肺炎学際フォーラムがWEB会議の形で29日午後3時、開催された。張文宏氏、李蘭娟氏ら中国内外の代表的な専門家が集まり、世界の新型コロナウイルスの感染状況の動向及び各国・地域の感染対策戦略について分析を掘り下げた。復旦大学付属華山病院感染科科長の張文宏氏は、「中国は世界的に見ても操業再開の安全性が最も高い地域の一つであり、国民は操業再開の安全性を懸念する必要はない」と指摘した。

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■「中国は全世界の感染対策のため重大な犠牲を払った」

復旦大学付属華山病院感染科科長の張文宏氏は、「中国は全世界の感染状況のしっかりした制御に重大な犠牲を払った」と指摘した。

また、「感染症を前に、各国・地域は異なる対応策を行った。中国は最短期間内における感染状況のコントロールという戦略をとった。しかし欧米諸国は長い時間をかけて感染症を制御するかもしれないとみている。非常に短期間で感染症を制御するのは彼らにとって非常に困難なことだ。なぜなら、完全に経済をストップさせる必要があり、大きな損失を伴うため非常に難しいからだ。ここから分かることは、中国は今回、全世界の感染状況のしっかりした制御のために重大な犠牲を払った」と述べた。

米マサチューセッツ大学医学部終身教授の盧山氏も、「現時点で感染対策をいつまで続けるかを論じるのはまったく無意義だ。重要なのは生じた状況に合った対策を講じることだ。中国は我々に良き見本を示してくれた」と述べた。

■「無症状の感染者を過度に懸念する必要はない」

盧氏は、新型コロナウイルスの無症状の感染者という人々が心配している問題について、「過度に懸念する必要はない」と述べた。

盧氏は「無症状の感染者について過度に懸念する必要はない。無症状により猜疑心を強め、誰もが感染者だと疑うような現象の方をより懸念すべきだ」と指摘した。

中国各地は現在、操業再開のピークを迎えている。張氏は、操業再開の安全性について、「国民は懸念する必要がない」と指摘した。

張氏は、「海外と比べると、国内の感染状況は非常によくコントロールされている。現状を見ると、多くの地域の新規感染者はほぼゼロになっている。中国は域外からの輸入防止、コミュニティーの管理、病院の検査などの面で非常に良い状態を維持しており、操業再開に向け非常に良い保障を提供している。そのためこの状況下、中国の操業再開の安全性は世界的に見ても最も高い地域の一つだと言える」と述べた。

しかしこれは警戒を緩めていいというわけではない。張氏は、「これは感染対策の重点の移し、つまり、域外からの輸入防止に移したことを意味する」と述べた。

■人工肝臓の血液浄化、重症の治療にプラス

中国工程院院士の李蘭娟氏はフォーラムで、中国の重症患者治療の経験を紹介した。李氏によると、その重点は重症・重篤患者の詳しい観察で、主に患者のサイトカインと炎症を観察する。これに変化が生じれば、往々にして病変の蔓延を意味し、この状況下で重症化しやすいという。

李氏は「サイトカインストームは新型肺炎「COVID-19」重症化の重要な要素だ。人工肝臓による血液浄化療法は炎症メディエーターを取り除き、サイトカインストームを遮断し、重症患者の重篤化を防ぎ、重症・重篤患者の治療の成功率を大幅に上げる」と指摘した。

■感染状況の制御のためにワクチンだけには期待できず

新型コロナウイルスワクチンを開発できるか、いつ開発されるかという問題について、盧氏は主に次の4つの影響要因があると指摘した。

(1)科学。すなわち基礎理論の研究分野。(2)技術。最終的に生産されるワクチンは数千万人分、数億人分になる。これほど大規模な生産能力を形成できるか、これは非常に重要な影響要因だ。(3)監督管理機関のさじ加減。このワクチンのリスクと収益の評価についてはバランスが非常に重要になる。(4)社会レベル。

盧氏は「ワクチンで感染状況をコントロールしようと期待するだけなら不十分だ。間に合わないか、決意を下せない可能性もある」「そのため感染状況は自らコントロールしなければならないと思う。つまり隔離病院などの管理・制御方法のことだ」と指摘した。

■新型コロナ、変異率はSARSより低め

新型コロナウイルスの変異について、米国微生物学会会員で、香港大学ウイルス専門家の金冬雁氏によると、新型コロナウイルスはSARSウイルス、HIVウイルスと比べ変異率が非常に低い。SARSの2株の間には数百のスプライシングの差がある。だが新型コロナウイルスは中国、イタリア、米国のどこで発見されたものでも差が非常に少ない。

金氏によると、人のコロナウイルス感染には一定の季節性があるが、新型コロナウイルスに季節的な変化が生じるかについてはまだ不明だ。新型コロナウイルスが大流行している地域(中国の武漢、イタリア、韓国の大邱など)は基本的に寒く乾燥しており、気温と湿度が相対的に高い地域では大流行が発生していない。今回の新型コロナウイルスが温度や湿度と関係しているかについては、専門家によるさらなる研究が必要だ。

■武漢の医療従事者、誇らしい成果

復旦大学付属華山病院終身教授の翁心華氏は、17年前にSARSが中国で大流行した時に感染対策に参加したが、17年後に新型コロナウイルスがまたもや大流行するとは思わなかったという。「今回の感染状況は前回のSARSよりも深刻で、感染拡大も早い。新型コロナウイルスの感染力はSARSより20倍強いはずだ。そのため今回の戦いは非常に苦しい状況となっている」

翁氏は「世界的に見ると感染はまだ拡大しているが、中国ではすでに光が見えた。これまで多くの専門家が共に努力してきた。医療従事者は武漢での戦いで以上に大きな成果を上げた。これは非常に誇らしいことだと思う」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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