「鯨波万里なるも、一葦航るべし」 文化の趣漂う中国からの援助物資

人民網日本語版    2020年3月21日(土) 13時10分

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約1カ月ほど前、漢詩が添えられた支援物資が日本から中国に送られ、多くの中国人が感動を覚えた。

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「山川異域、風月同天(別の場所に暮らしていても、自然の風物はつながっている)」や「豈曰無衣、與子同裳(服がないならば、同じ戦服をともに着よう)」。約1カ月ほど前、こうした漢詩が添えられた支援物資が日本から中国に送られ、多くの中国人が感動を覚えた。そして今、中国は新型コロナウイルス感染拡大防止・抑制対策を実施しながら、世界に援助の手を差し伸べるようになっている。そしてそれら支援物資に添えられているのは、短くても、心のこもった応援メッセージで、それらのメッセージは文化の趣や温かさに満ちている。

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3月18日、中国がフランスに寄贈した医療援助物資がパリのシャルル・ド・ゴール空港に到着した。その段ボール箱には中国の篆刻芸術家の駱■■さん(■はくさかんむりに凡)が、今回のためにデザインした赤い印章の紙が貼られていた。そして印章の中央には「千里同好、堅于金石(遠く離れていても心は一つ、友情は金石の如く固い)」というメッセージがデザインされていた。

3月17日、浙江省が立ち上げた中国防疫医療専門家グループの一行12人が、医療援助のためイタリアに向かった。航空機には浙江省が寄贈した医療援助物資9トンも積まれていた。その段ボール箱に添えられていた「浮雲遊子意、明月故郷情」のフレーズは、詩人・李白の漢詩「友人を送る」の中の一節、「浮雲遊子意 落日故人情(浮雲は旅人の心のようにただよい、落日は私の思いを物語っている)」をアレンジしており、イタリアに暮らす華僑・華人に対する祖国の気遣いと思いやりを表現していた。

3月17日、在名古屋中国総領事館は名古屋市立東部医療センターに医療用マスク3万枚を寄贈した。その段ボール箱には「霧尽風暖、桜花将燦(霧が晴れ、吹く風も暖かくなり、桜の季節が近づいている)」というフレーズと共に、俳人・小林一茶の「花の陰 あかの他人は なかりけり(咲き乱れる桜の木の下では人々は桜を愛でる心を共有している。その心のつながりを考えると、あかの他人とはいえないだろう)」という俳句も添えられていた。

3月16日、遼寧省が北海道に寄贈した物資には、「鯨波万里、一葦可航、出入相友、守望相助(大波で遠く隔てられているものの、船でたどり着けるほど近い。外に出る時も戻る時も互いに友人のように接し、共に見守り助け合おう)」というメッセージが書かれた紙が貼られていた。この「出入相友、守望相助」という言葉の出典は戦国時代の「孟子·滕文公上」だ。

3月13日夜、ベルギーのリエージュ空港に中国が欧州に寄贈した防疫援助物資を積んだ貨物機が到着した。その後、物資は欧州で新型コロナウイルス感染拡大が最も深刻なイタリアに送られた。段ボール箱には、イタリアのジャコモ・プッチーニ作曲の歌劇「トゥーランドット」のアリア「誰も寝てはならない」の歌詞「おお、夜よ去れ!夜明けと共に私は勝つ!」を書いた紙が貼られていた。

3月8日、瀋陽市が札幌市と川崎市に寄贈した医療物資と衛生用品の段ボール箱には、瀋陽の市の花であるバラと市の木であるマンシュウクロマツ、さらに札幌市の市の花であるスズランと市の木であるチョウジ、川崎市の市の花であるツツジ、市の木であるツバキを織り交ぜた「玫瑰鈴蘭花団錦簇、油松丁香叶茂根深(バラとスズランの花が咲き乱れ、マンシュウクロマツとチョウジの葉が茂りしっかりと根を張る)」、「玫瑰杜鵑花団錦簇、油松山茶叶茂根深(バラとツツジの花が咲き乱れ、マンシュウクロマツとツバキの葉が茂りしっかりと根を張る)」というメッセージが添えられており、共にこの困難を乗り越えることができるという自信と、その決意を伝えた。

2月27日夕方、在韓国中国大使館が大邱(テグ)市に寄贈するために緊急調達した医療用マスク2万5000枚を積んだトラックがソウルの中国大使館から出発した。そのトラックには、かつて新羅から唐に渡った学者・崔致遠が書いた「道不遠人、人無異国(道義は人を遠ざけない。人には国の違いなどない)」というメッセージが添えられていた。 (編集KN)

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