拡大
12日、最近、とある女性たちが中国で注目を集めている。彼女たちは女性の外見をしてはいるが、甘えてみせたり、「萌え」を売りにしたり、他人に可愛がられるようなことには見向きもしない。
(1 / 2 枚)
2013年11月12日、最近、とある女性たちが中国で注目を集めている。彼女たちは女性の外見をしてはいるが、甘えてみせたり、「萌え」を売りにしたり、他人に可愛がられるようなことには見向きもしない。彼女らは細かいことは気にもせず、ゴキブリをしとめるのも怖がらず、機械にも強く、荒仕事もすんなりやってのける。剛毅で寛容な心を持った彼女らはまさに「男の中の男」。そんな彼女らを指すのが、最近はやりの「オヤジ女子」(女漢子)という言葉だ。新華網が伝えた。
【その他の写真】
▽「オヤジ女子」、堂々登場
「オヤジ女子」は、外見は女性だが性格は男らしい女性たちを指す―「私たちは、あまり細かいことにはこだわらず、性格はまっすぐで開放的、態度はいつも楽観的、責任はきちんと果たし、普段からオーラがあると言われ、自分をわきまえた優雅さを持ち、温かさや気配りも忘れず、職場では決断力と冷静さ、論理の明晰さを発揮し、男たちと同じように奮闘することができ、さらにはそのオーラは男たちを超え、暮らしの中でも仕事での一面を自在に発揮する」―SNSサイト「豆瓣網」のコミュニティ「オヤジ女子キャンプ」の自己紹介だ。
ある人は「オヤジ女子」を男性と女性の外に位置付け、世界に生存する第三種の人だと主張している。ある人は「オヤジ女子」を「wo-man」と英訳してみせた。スペルは女性(woman)と変わらないが、一本の横棒が「wo」と「man」を隔てており、彼女の中にmanの特性があるというのである。(中国語でwoは「私」)
「オヤジ女子」を自称するある人はインターネットで、「私は小さい頃から甘えてみせることができなかった。後になって、甘えてみせた方が努力するよりも簡単だということもわかった。でも甘えるというのは私にはやっぱり無理」とコメントしている。
仕事の時は馬のようにひたすら働き、仕事が終わったら買い物をして夕食を作り、洗濯物を洗って掃除をし、電球や水道管も自分で換える。社会人となった「オヤジ女子」の多くはこのような男っぽい生活をしている。彼女らは一方で不満を言いながら、もう一方で控えめに自負をのぞかせてもみせる。
しばらく前、「最も萌えるオヤジ女子」と題した一連の写真がインターネットで話題となった。写真はロシア人の美女で、小さく整った顔をしているが、体の筋肉は男性よりも発達しており、多くのインターネット利用者を驚嘆させ、また本当の「漢子」(男)たちを恥じ入らせもした。
▽「オヤジ女子」はなぜ人気に?
「オヤジ女子」がインターネットや現実生活において人気となった速度は想象をはるかに超えている。有名人としてはすでに「春哥」「曾哥」「範爺」などが出現しているし、一般の暮らしの中でも「爺」を自称する「オヤジ女子」は少なくない。「オヤジ女子」はどのように出現し、なぜ人気となったのだろうか。
武漢康徳同済の心理コンサルタントで国家一級心理コンサルタントの沈夢(シェン・モン)さんによると、めまぐるしく変化する現代社会では、競争が激烈で、プレッシャーが大きく、女性は男女の競争の中で多くは劣勢に立たされている。よりうまく競争に生き残るため、女性は、独立した自主的で力強い「オヤジ女子」へと自らを鍛錬せざるをえなくなっている。
武漢大学の哲学博士で華中農業大学社会学系の蕭洪恩(シャオ・ホンエン)教授によると、「漢子」は、中国文化においては主に男性を指し、とりわけ「真」の男性を指す言葉である。この言葉は、男性に対する一種の心理的・文化的な評価を含んでおり、男性を褒めるのに「この人は『漢子』だ」と言ったりもする。「漢子」は、男性の水準を形容する一種の程度副詞であり、人に対する社会の評価を反映する民俗的な基準でもある。
「従来型のフェミニズムの『女性も天の半分を支えることができる』という視点と異なり、「オヤジ女子」がまず強調するのは、私は女子であり、それから「漢子」であるということ。そこで訴えられているのは「男性とは異なる女性」ということです」と蕭教授は付け足す。
専門家によると、現在の若者は多くが一人っ子家庭の出身で、男の子の多くは小さい頃から過度な保護を受け、大人になってからの男性らしさが不足している。そのため、男女のかかわり合い、例えばカップルや同僚の関係においても、「猟奇的な彼女」や「オフィスのオヤジ女子」といった現象が現れやすい。
「『オヤジ女子』の形成には個々の家庭の教育もかかわりがあります。多くの保護者が、女の子の独立心と自己鍛錬の姿勢を小さい頃から育てることを重視しています。また現代は多くの女性の収入が男性を超え、男性に依存する傾向は相対的に低まっています。「剰女」(売れ残り女)になった「オヤジ女子」が、愛する人が見つからなくても一生ひとりで過ごせる、どちらにしろ自活はできる、と考えるケースも増えています」と心理コンサルタントの沈夢さんは指摘する。
専門家によると、人気選抜番組「超級女声」の放送以降、ニュートラル志向のファッションが人気となり、多くの若い女性が中性的な扮装を好むようになっている。中性的な扮装をした女性たちは自然、女性の性格のうちのなまめかしく柔らかい部分を隠すようになる。
▽「オヤジ女子」よ、どこに行く?
急速に発展し、個人が自分を表現することを許す現代社会においては、一種の多元的な社会的現実が存在している。子どものような老人、大人のような子ども、女性のような男性、男性のような女性―蕭洪恩教授によると、これらもまた個人が自己を表現する方式であり、現代人の一種の主体的自覚を示したものだという。
あるインターネット利用者は、「『オヤジ女子』はひとりで奮闘している女子のことだ!」と主張する。また別の利用者は、「『オヤジ女子』は、清潔にこだわらずに生活のディテールにも気を遣わない乱暴な人のことではない。出しもできるしひっこめることもできてこそ才能と言える。「オヤジ女子」には開けられない瓶のふたはないし、荷物も自分で持てるし、ウォーターサーバーのボトルだって自分で換えられる」と評価している。
蕭教授は一方で、「オヤジ女子」現象が長期的に蔓延し、人気となることは、本当は良いことではないと心配もしている。蕭教授は、 「オヤジ女子」人気に直面して、我々の社会は、いかに女性を尊重し大切にするかを考えなおし、「漢子」だけが生き延びることができるというような価値観を社会に生まないようにするべきだと語る。
心理コンサルタントの沈夢さんは、女性心理学の角度から言うと、「オヤジ女子」がいかに強いところを見せても、女性が内心で最も必要としているのは気持ちの上での支えであり、「オヤジ女子」も人に気を遣われ、人に愛されたいと思っているはずだという。沈夢さんはさらに、独身の「オヤジ女子」はこのような自己認識を持つべきで、同時に、もしも強いところを見せすぎると、周囲の男性が躊躇してなかなか寄って来ることができなくなるとも注意を呼びかけている。
専門家は、「オヤジ女子」は女性の性別上の差異を無視するべきではないと語る。自分は女性だという位置付けをはっきりさせた上で、独立や自主、きっぷの良さなどを保つのはいいが、自分の女性としての役割を忘れてはならない。もしもあまりにも「オヤジ女子」化すれば、自分に過度なプレッシャーを与えることにもなってしまう。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)
Record China
2013/11/4
Record China
2013/11/4
Record China
2013/11/1
Record China
2013/10/31
Record China
2013/10/30