中国人記者が見た日本の食材虚偽表示問題―中国メディア

Record China    2013年11月12日(火) 13時12分

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11日、食材の虚偽表示問題が日本のメディアをにぎわせている。一部の有名ホテルや百貨店は、安価な食材を高級食材と偽り消費者に販売したことを認めた。写真は中国の魚屋。

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2013年11月11日、最近、食材の虚偽表示問題が日本のメディアをにぎわせている。一部の有名ホテルや百貨店は、安価な食材を高級食材と偽り消費者に販売したことを認め、信頼回復のために、公の場で謝罪したホテルや百貨店もある。日本の各メディアは、食品偽造問題の主な原因として、飲食業界全体の管理の甘さを取り上げ、消費者側も意識改革を進めるべきとの見方を示している。今回の事件をきっかけに、東京駐在の新華社記者は、日本の食の安全をめぐり、掘り下げた取材を行った。

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○信用失墜

いくつかの百貨店や高級ホテルは、その食料品売り場やレストランで扱っている食材の表示において、実際に使用されているものとは異なる表示を行ったことを認めている。

大丸松坂屋百貨店は、昨年暮に愛知県と福岡県で販売したおせちに入っていた「車海老のテリーヌ」の材料が、実際はブラックタイガーだったと発表した。

東急ホテルズ傘下のホテル併設レストラン22軒と宴会場7カ所では、「芝海老」と表示して実際には「バナメイエビ」を使用していたほか、牛脂を注入した加工肉を「ステーキ」として顧客に提供していた。

日本の食材の安全性と品質には定評があり、国内外の消費者は非常に良いイメージを抱いていた。今度のスキャンダルが発覚したのが、高級で高価な食品であったことで、今後の販売状況に深刻な影響が及ぶと予想されるだけでなく、「日本の食品」全体へのイメージダウンにも繋がりかねない。

今回の事件の影響はかなり深刻となる模様だ。たとえば、ほとんどの日本人がお正月に準備するおせちは、さまざまな種類の精致な日本料理が美しい重箱に詰められており、価格は大体2000元から3000元(約3万2000円から4万8000円)あるいはそれ以上と、かなり値が張る。おせちは年末までに予約注文しなければならないため、今回の「食材偽装表示」事件は、問題となったレストランのおせち販売に大きな影響を及ぼすと予想される。

○違反行為に関する調査

菅義偉内閣官房長官は、6日の記者会見において、「食材偽装表示は、表示に対する消費者の信頼を著しく損なうものだ。消費者庁で関連法に基づいて厳しく対処していく」と述べた。

消費者庁は同日、食品の安全に対する国民の信頼失墜がこれ以上拡大することを防ぐため、全国のホテルやレストランに対し、心して問題に対処するよう警告を発した。

日本では、食の安全に関する法律に、「不正競争禁止法」「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」「景品表示法」がある。「不正競争禁止法」では、「商品の原産地や原材料の虚偽表示を行った者は、5年以下の懲役および罰金に処する」と定められている。「JAS法」は、原材料や加工食品の規格と表示に関して規定しており、違反者には2年以下の懲役および罰金が科せられる。「景品表記法」には、商品の不当表示に関する規定が盛り込まれており、違反者には懲戒・罰金処分が科せられる。

日本の報道によると、消費者庁は、複数のホテルと百貨店に対する詳細調査に着手すると同時に、業界3団体(日本ホテル協会・全日本シティホテル連盟・日本旅館協会)に対して、問題解決のための改善案を提出するよう求めた。

○原因分析

同報道は、今回の事件の背景について、「ここ数年、日本の各飲食企業による食品製造業務のアウトソーシング化が進んだことで、原材料の管理が疎かになった。このような状況が、食材偽造問題を生む温床となった」との見方を示した。

今回、食材偽装が発覚したレストランのほとんどは、中国の大型ショッピング施設にあるグルメ街のように、百貨店にテナントとして入っている施設だ。この点から見ると、百貨店自体は直接の責任者ではないが、彼らには、「管理不行き届き」の責任があると言える。

▽責任の所在を、「理性的とは言えない消費者意識」に向ける一部メディアも

あるメディアは、消費者の立場から今回の問題の原因を分析した。彼らは、米国の経済学者ソースタイン・ベブレンの著書「有閑階級論(The Theory of the Leisure Class)」の一節を引用し、日本の一部消費者には、「顕示的消費(自分の財産やステータスを誇示するために、多くのお金を使う行為)」の心理が働き、特に、特別な高級ブランド品や国産品にこだわる傾向が強いと指摘している。このような消費心理からの消費需要を満たすために、一部の商店は、高級品をでっち上げて販売するという暴走行為に走ってしまった。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)

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