武漢の女性が綴った48日間の「マジメにひとり飯」日記

人民網日本語版    2020年3月16日(月) 23時0分

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ある武漢の女性が、旧暦大晦日から、自分の「ひとり飯」の料理を撮影し始めた。

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ある武漢の女性が、旧暦大晦日から、自分の「ひとり飯」の料理を撮影し始めた。これらの「ひとり飯」には、31歳のバースデーケーキからタイムセールでようやく手に入れた羊肉で作った羊肉スープ、さらにはインスタント麺や水餃子など、さまざまな料理が並んでいる。現代快報が伝えた。

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彼女はこうした「ひとり飯」を不定期に微博(ウェイボー)に投稿し、自分は「マジメにご飯を食べてる」としている。

なぜなら彼女によると、「明日は何を食べよう」と考えることさえできれば、希望ある毎日を過ごすことができるからだという。

マジメな「ひとり飯」

「マジメにご飯を食べるため、料理できる食材は一通り作ってみた。炒め料理も一通りやってみた。今はちょっと毎日の暮らしが繰り返しになり始めてしまっているので、少しでも新しい組み合わせをしてみようと思っている。料理の腕はこれ以上上がるとは思えないから、バラエティを増やそうと思ってる」という言葉と共に、宇さん(仮名)は2月25日、微博に1枚の「ひとり飯」写真を投稿した。

写真には、テーブルに並べられたニンニクの芽と卵の炒め物、セロリと豚肉の炒め物、梨のスープの3品が写っていた。そして投稿場所は武漢となっていた。

宇さんは、1月27日から不定期に、自分の生活の記録を微博に投稿していた。その中で一番多く投稿されているのが毎日食べたものだ。美しく盛り付けられた料理の写真に、自分の感想を添えて、ごく普通の武漢に住む女性の毎日の生活が記録されている。

宇さんはそれ以前にも、ひとり飯の組み写真に、「大晦日からスタートして、これまでずっとマジメにご飯を食べようと頑張ってきた。でもここ数日は何度か精神的に落ち込んでしまったり、恐怖に襲われたりして、もう何もかもが耐え難いと思ってしまった。遠くの泣き声は私には聞こえないし、近くの泣き声に対しても、もう何もできることがない。これは大いなる災難だけど、きっと持ち直すことができるはず。ガンバレ!」というコメントと共に投稿したことがあった。そして宇さんは、明日は何を食べようかと考えることさえできれば、必ず希望はあるし、明日の食事について考える時には、希望ある毎日を過ごすことができるとしている。

宇さんは武漢で産まれ育ち、今年31歳。彼女も夫も一人っ子同士なので、毎年、夫とはそれぞれの両親と一緒に春節を過ごしていた。そのため、夫は北京に行き、両親とともに年を越したが、彼女は武漢にとどまった。新型コロナウイルスの感染が生じると、近くの団地に住む彼女の両親とも行き来することができなくなってしまい、夫も北京から戻ってくることができなくなってしまった。そこで彼女の「一人暮らし」が始まった。

宇さんは小さな店を営んでいるが、1月17日から外出をやめ、自宅で仕事をし始めた。そして1月23日には武漢が封鎖された。この封鎖の情報はあまりにも突然だったので、当時、宇さんは自宅にあまり食料をストックしていなかったのだという。「もうすぐ年越しだったし、両親も近くに住んでいるので、食料は少ししかストックしていなかった。武漢が封鎖される前に、食料を少し注文していたけど、せいぜい数日分しかなかった。それらを食べ終えると、階下にある個人経営の八百屋やスーパーで食料を買っていたが、すぐに宅配スタッフがボランティアで団地に野菜などの食材を届けに来てくれるようになった」と宇さんは微博に投稿し、「しばらくの間、野菜が不足することはなかった。これは本当に喜ぶべきことだと言える」と続けた。

エレベーター内では息を止める私

宇さんは、「ハッピー」という名前の2歳になる犬を飼っている。ハッピーは、室内でトイレが出来ないため、宇さんは外に連れ出さなければならない。彼女の住む部屋は24階にあるため、エレベーターで1階に到着するまで何秒もかかる。「私は、エレベーターの中では息を止めるようにしているが、それでもすごく怖い。自宅から外に出た瞬間から、ありとあらゆる最も恐ろしいものが私の全身を這い上ってくるような感覚に襲われ、身の毛がよだち、身震いしてしまう。帰宅して手を洗い、一切の消毒を終えてはじめて、ようやく気分がよくなる。あの時期は、毎日こんな調子だった」と宇さん。

宇さんは、「ちょっと前まで、私の中で、孤独や焦り、恐れ、無力感などありとあらゆる感情が混在していた。食事作りをすることで、このようなマイナスの感情がかなり和らいだ。今、私はすこしだけ心理的にリラックスできるようになった。新型肺炎の感染状況が収束するのは時間の問題だと思う」と続けた。

宇さんの誕生日だった2月8日、彼女は自分でケーキを作った。彼女は、あらゆるものはいずれ必ず過ぎ去っていくと自分に言い聞かせながら、「今回の感染状況に立ち向かい、力を尽くしてくれた全ての人々に感謝している。大きな災難に見舞われたとき、人間同士助け合わなければならないし、命は大切にしなきゃならない」とした。

新型コロナウイルスの感染という事態を経て、宇さんは心理的にとても強くなったとし、多くの勇敢な人々が立ち上がる様子を見て、彼らから多くの力をもらったという。また、両親がとても健康であることを、大変有難く思っているとした。そして彼女はこれまで仲の良い友人たちと気軽に食事に出て、飲み食いしながら一緒にお喋りを楽しむ日々をしみじみ懐かしみながら、「そんな日常の何でもないこと全てが、今はとても得難いことなんだと思うようになった」とした。

そして、「武漢には美味しいお店がたくさんある。時々友人と、以前よく食べに出かけたお店は、まだあるかしらと思い返している。あるいは、元には戻らないものもあるかもしれない。それに今回の感染拡大が収束した後、武漢の市民は、以前のような楽観さや闊達さを取り戻せるだろうか。武漢の人はすぐに熱くなる人が多く、とびきり実直でさばさばした人が多いのだけれども」と続けた。(編集KM)

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