国連が全世界の学生に推奨した中国アプリ、続々ツッコミが入るのはなぜ?―中国メディア

人民網日本語版    2020年3月16日(月) 22時0分

拡大

阿里巴巴(アリババ)集団傘下のスマートテレワークプラットフォーム・阿里釘釘(DingTalk)がこのほど国際連合に推薦された。

(1 / 2 枚)

阿里巴巴(アリババ)集団傘下のスマートテレワークプラットフォーム・阿里釘釘(DingTalk)がこのほど国際連合に推薦された。

その他の写真

新型コロナウイルスによる肺炎が世界的に拡大する中、国連教育科学文化機関(UNESCO)は目下の情勢を踏まえて13日、世界39カ国・地域の学生4億2000万人にオンラインで学習を続けるよう呼びかけ、在宅学習プラットフォームの1つとして釘釘を推薦した。

すると多くのネットユーザーから次々に「ツッコミ」が入り、「これって世界中の小学生が星1つの低い評価をすることになると思うけど…」といった声が聞こえた。

釘釘中国版は小学生から激しい「ツッコミ」

さきに中国教育部が登録済み教育用アプリケーションの第1弾を発表し、そこには釘釘も入っていた。

ここ1カ月ほどの間に、全国各地では小中高校、大学が相次いでオンライン授業をスタートした。データをみると、全国で14万校の290万クラスが釘釘で授業を行い、全国30省(自治区、直轄市)以上の学生1億2000万人をカバーした。

これまで確かなサービスで社会的にも認められていると自負していた釘釘は、まさかダウンロード件数が11億回に達しているにもかかわらず、総合評価が星1つという低い評価になり、あっというまに評価が1ポイント近くまで落ちるとは予想だにしなかった。子ども達は冬休みにオンライン授業を受けなければならないのをいやがり、そこで集団で「闘う」ことにし、釘釘に相次いで低い評価をした。高い実力を誇るアプリケーションが、小学生が原因で危機対応のお知らせをし、イラストつきのメッセージを出して、5つ星の高い評価をお願いするようになるとは、夢にも思わなかっただろう。

釘釘は感染症の流行中にテレワークとオンライン学習の二本立てでデータ通信量が増大するのに対応するため、阿里雲(アリクラウド)でクラウドサーバー10万台以上を擁するまで配置を拡大していた。

釘釘日本版も星1つの「辛い評価」

感染症の影響で、日本でも3月初旬に会社や学校が休みになった。

3月1日、アリババ傘下の釘釘は日本語版のテレワークサービスを発表し、感染症流行中に社員や学生が家に「隔離」された日本の企業・学校などが正常な運営を行えるようサポートした。確かに、この中国発で高い機能を備えた「神アプリ」は一時は日本で人気が出た。

語学学校の東京コスモ学園はこのほど、釘釘を利用して在校生とWEB会議を行うというこれまでにない取り組みを打ち出した。学生へ、安全に気を配り、感染症への備えをしっかりし、アプリケーションソフトを利用して家で計画的に授業を受けるよう呼びかけた。校長はこの中国発アプリを非常に高く評価した。

ところが「風土になじめない」日本の多くの学生ユーザーは瞬く間に対応策を考え出した。彼らは次々にアプリを販売するショップにアクセスして、このアプリに星1つの低い評価をつけた。釘釘は日本で人気が出たと思ったら、評価は下がる一方で、現在は2.5ポイントまで下がっている。

日本のユーザーからは、「アプリは使いやすいんです。でも、もう嫌なんですよ。無理なんです。最近の通知音は孫悟空の頭の輪「緊箍児」に思えてきました。(今日も頭痛が絶えないんです。)」、「ぶっちゃけ、スマートフォンでしばらく遊んでいると目が痛くなるので、一日中オンライン授業なんてできない」といった声が聞こえる。

こうした厳しい声に直面して、ネットユーザーは聞いていられなくなり、「釘釘の許しを乞う歌」日本語版も作られた。

評価の声を詳しくみていくと、主な原因は実はソフト自体とはあまり関係がないとわかる。つまりこういうことだ。「家で勉強したくない」。

中国産アプリが海外進出

中国産アプリの海外進出の生態系がますます豊かになり、規模やペースが大幅に向上しただけでなく、製品の種類も単純なツール類からソーシャル類、コンテンツ類へと広がっている。

支付宝(アリペイ)、滴滴出行、微信(WeChat)、頭条、陌陌、UC、美図など、有名インターネット企業が海外戦略に大金を投じている。統計によれば、東南アジア、ブラジル、ロシアがアプリの主な輸出先で、「一帯一路」(the Belt and Road)沿線国・地域は主要輸出ルートとなっている。

中国発ショート動画共有アプリ「Tik Tok」は世界約150カ国・地域をカバーし、特に日本、タイ、マレーシア、カンボジア、ベトナムなどのアジア諸国で人気が高い。

全球速売通(阿里エクスプレス)は淘宝(タオバオ)のインターナショナル版と呼ばれている。2019年初めには、海外の購入者が累計1億5000万人を突破し、世界では1カ月のアクセス数が2億件を超える。

インドのペイtm、韓国のカカオペイ、マレーシアのタッチアンドゴー、パキスタンのイージーペイサ、フィリピンのGキャッシュなど…。アリペイの親会社のアント・フィナンシャルはこれまでに「一帯一路」沿線国・地域で9種類の現地版アリペイを打ち出している。

中国人観光客が海外に大勢出かけるようになり、生活サービス型アプリも一緒に海外に出て行くようになった。データをみると、2019年4月11日現在、美団と大衆点評のアプリが「一帯一路」を共同建設する沿線国の380都市をカバーし、関連業者は423万社に達した。

海外市場には滴滴の足跡がますます多く残されており、メキシコ、オーストラリアなどの国の多くの都市で相次いでオンライン配車サービスを開始した。

業界関係者は、「産業的価値という面で、中国国内ではネット人口ボーナスが後退し、産業の集約度が上がるという状況の中、海外進出が中国のデジタル文化産業が成長の可能性を探り、収入の増加の新たな原動力を開拓するのをサポートすることになる」との見方を示した。

「一帯一路」沿線国には人口ボーナスがあり、インターネットボーナスと経済のボーナスもあり、デジタル文化コンテンツの海外進出の人気エリアになっている。中国のネット企業がより多く海外進出するのにともない、海外での競争がより激しくなることが予想される。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携