日中合作映画主演の倍賞千恵子が舞台挨拶、「立場変わっても人は不変」=「東京に来たばかり」が全国公開

八牧浩行    2013年11月11日(月) 19時9分

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9日、老婦人と中国人青年の交流を描いた日中合作映画「東京に来たばかり」の全国公開がスタート。初日舞台挨拶が東京・新宿のシネマート新宿で行われ、主演の倍賞千恵子と蒋欽民監督が、待望の日本公開となった喜びなどを熱く語った。

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2013年11月9日、囲碁が結ぶ老婦人と中国人青年の交流を描いた日中合作映画「東京に来たばかり」の全国公開がスタートした。初日舞台挨拶が東京・新宿のシネマート新宿で行われ、主演の倍賞千恵子(72歳)と蒋欽民(ジャン・チンミン)監督(50歳)が、待望の日本公開となった喜びなどを熱く語った。

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日中関係の悪化もあり、日本での公開が延び延びになっていた作品。中国から東京に来たばかりの青年と心通わす老婦人を演じた倍賞は、待ちに待った日本公開に、「こんな時だからこそたくさんの人に観てほしい。立場は変わっても人間は変わらない。私はそんな思いを込めています」と笑顔で語りかけた。日本に先立って昨年3月に公開された中国では、若い人を中心に倍賞のファンクラブができたそうで、「この年になってファンクラブなんて、これからも頑張らなきゃいけませんね」と照れながらも嬉しそうだった。

蒋監督は「戦場に咲く花」「天上の恋人」などで知られる。日本映画学校監督科や日本大学芸術学部映画学科で学び、修士号も取得した監督は「20年前から構想していた作品で、日本で経験したことを表現しました。テーマは『人と人とは通じ合うことができる』です」と日中友好と映画への熱い思いを語った。

ストーリーは、中国の青年棋士が囲碁の修行のため日本を訪れるが、言葉がわからずに東京での生活に当惑。やがてバス停で碁石を落としたことで出会った行商の老婦人と、その孫の青年と3人で共同生活を始める…というもの。大都会・東京の喧騒と千葉の農村の静寂が交錯する中、この3人が日中の壁を越えて心を通わせ、悲しみを乗り越えて明日に向かって生きる姿が丹念に紡ぎ出されている。

170を超える作品に出演してきた大ベテランの倍賞が老婦人を熱演。中国の実力派若手俳優の秦莫(チン・ハオ)が、中国人青年に扮する。ほかに中泉英雄、チャン・チュンニン、ティエン・イエン、窪塚俊介、風間トオルらが出演している。

なお、この映画は日本棋院、中国棋院はじめ日本と中国の多くの企業・団体がエキストラ出演などで協力。多くの日本人や中国人がこの日の舞台挨拶に駆けつけ「この映画をきっかけに日中の平和的な交流が進展してほしい」と異口同音語っていた。(取材・編集/八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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