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〈一帯一路実践談8〉1994年外国人第1号!発掘許可

配信日時:2020年3月14日(土) 16時30分
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ニヤ遺跡の重要性に着目し、1988年「日中共同ニヤ遺跡学術調査」を新疆文化庁と開始した。写真は日中隊員が協力した住居址測量。

1982年「一帯一路」の重要地帯である新疆ウイグル自治区を訪問、86年から「キジル千仏洞」修復保存協力を開始。その過程でニヤ遺跡の重要性に着目し、1988年「日中共同ニヤ遺跡学術調査」を新疆文化庁と開始した。トラックで1日ラクダで3日、ようやく遺跡に到達した。

わずか2日の滞在であったが、遺跡中心部を観察してまわり、概要を把握するとともに、地表散布遺物の収集を開始し、日中双方とも調査の必要性を確認。以降調査の協議書を新疆文化庁長と交わした。次年度以降も調査規模を順次拡大し継続。

(中国国家文物局「発掘許可証」)

沙漠のない日本の皆様には想像もできないであろう調査の困難さを紹介したい。大量の食糧や調査器材を運び込まねばならない、例えば日中隊約60人が約3週間調査で必要とする水は5トン。短い春は砂嵐が吹き荒れ、夏は火を使わなくても目玉焼きができるほどの灼熱、冬は零下30度を超える極寒、調査に適した10~11月でも一日の温度差は40度にも。多額の資金。そして、中国政府の各種許可取得。

調査研究分野が多領域にわたるため一大学だけでは対応できず、多数の研究機関の参加が必要、その調整も一苦労。日本から佛教大・龍谷大・京都造形芸術大・国立歴史民俗博物館・奈良文化財研究所・科学技術庁・早稲田大・京都大・国学院大・関西大・関西外国語大・京都市埋蔵文化財研究所・大阪市文化財協会・長岡京市埋蔵文化財センター・橿原考古学研究所・六甲山麓遺跡調査会など。中国からは新疆政府・新疆文化庁・新疆文物局・新疆文物考古研究所・新疆博物館・国家文物局・北京大・華東師範大・中国科学院・中国社会科学院・中国文物研究所など。さらにサポート隊としてラクダ使い・運転手・コックも参加。心からの感謝を表したい。

タクラマカン沙漠に残る2000年前の都市「精絶国」)

文物保護費をふくむ多額の費用はどうしたか?文科省助成金や佛教大補助金・個人寄付を頂いた。感謝しきれない。しかし、それらでは賄いきれず、殆どは私費でやり繰りした。給与はもちろん退職金でも足りず、所有株も売却し注ぎ込んだ。

数年単位の協議書を度々交わし、調査継続。着々と実績を積み上げた。1994年1月29日、中国と外国との共同調査として最大規模のニヤ調査を全面的支持してきた国家文物局(文化庁相当)は、張徳勤局長名で発掘許可を発出した。国家文物局令による中国全土で外国隊への発掘許可第1号である。待望の許可であり、李東輝新疆政府副主席列席のもと、同日、筆者と解耀華新疆文化庁書記が94~96年分協議書に調印。日本側は佛教大学に「ニヤ遺跡学術研究機構」を設立した。

■筆者プロフィール:小島康誉
1942年名古屋市生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、日中理解実践家。1982年より中国新疆を150回以上訪問し、世界的文化遺産保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。
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