中国の巨大ダム建設ブーム、河川に壊滅的打撃―英紙

Record China    2013年11月9日(土) 7時50分

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7日、英紙はこのほど、中国のダム建設ブームが河川を壊滅させていると指摘した。写真は三峡ダム。

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2013年11月7日、参考消息(電子版)によると、英ガーディアン紙は4日、「中国のダム建設ブームが河川を壊滅させている」と題した記事を掲載した。中国は人類史上かつてないペースで大型ダムを次々に建設している。その多くは米国の巨大ダム・フーバーダムを上回る規模で、中国の主要河川に建設されている。

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現在、中国は巨大ダム建設ブームのただ中にあり、西南部にはそうしたプロジェクトが約130もある。中国は2020年までに再生可能エネルギーとして発電量を12兆ワットにする計画で、水力発電が主となっている。政府は巨大ダムについて安全性が高く、汚染もなく、将来的な気候変動の問題も解決可能で、干ばつや水害を減少させ、生活水準を向上させられるとしているが、記事は「中国政府の宣伝は事実ではない」と指摘している。

大型河川をせき止めることによって地震発生の可能性が高まるほか、従前の環境が破壊され、数百万人の生活に深刻な影響をもたらしている。長江やその支流には100基を超えるダム建設が進められているが、その源流はチベット高原にある。この地域は海抜4500メートルの不安定な場所に位置し、地震発生の危険性が高いが、カナダの調査会社は2012年に、中国で計画中のダムの半数が地震リスクの高い地区に建設されると指摘している。

ダム建設は生態系を破壊し、流動性の高い水路を死滅させ、動植物にも多大な影響を及ぼしているが、それ以外にもダムに蓄積した化学物質や残留農薬、生活ごみなどを原因とする環境汚染も発生している。中国国土資源部が2013年に発表した報告書によると、地下水の汚染も深刻で、198都市のうち60%で地下水が基準を満たしていなかった。ダム建設によって故郷を離れざるを得なくなった人は1600万人に上り、新たにダムが建設されるたびに現地の人の生活に悪影響が生じている。

また、ダム建設で河川をせき止めることによる影響は周辺の国にも及んでいるが、中国政府は国連の河川共有に関する条約を拒否し続け、下流に位置する国との協議もせず、大型ダムを造り続けている。(翻訳・編集/岡田)

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