新型コロナ感染拡大で進んだ中国の「クラウドサービス」―中国メディア

人民網日本語版    2020年3月11日(水) 5時40分

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新型コロナウイルスによる肺炎の感染状況の影響を受け、中国各地では自宅での隔離や外出自粛のほか、クラウド勤務、クラウド会議、クラウド授業、クラウド診察が推奨されている。

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新型コロナウイルスによる肺炎の感染状況の影響を受け、人が集まる場所での交差感染を防ぐため、中国各地では自宅での隔離や外出自粛のほか、クラウド勤務、クラウド会議、クラウド授業、クラウド診察が推奨されている。インターネットITのサポートにより、クラウドサービスを利用した生活は空間の壁を打ち破り、感染拡大防止の闘いに新たな原動力を注ぎ込んでいる。

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▼クラウド裁判

3月3日午前、陝西省延安市富県法院(裁判所)がオンラインで開廷し、富県人民検察院に起訴された被告人の徐某と頼某のタバコ専売品不法販売事件の公開審理が行われ、判決が下された。被告人徐某は不法経営罪に処され、2万元(1元は約15.5円)の罰金が科された。また被告人の頼某は不法経営罪に処され、1万元の罰金が科された。被告人徐某が未申告だった不法所得金3万元は法に基づいて没収され、国庫に納められた。これは富県法院が「クラウド上の法庭」システムを用いて遠隔開廷し、審理を行った初めての案件となった。

感染予防・抑制という特殊な時期にあって、感染の拡大を効果的に防止し、拘留中の被告人の生命の安全を保障するため、インターネットの「クラウド法廷尋問」システムを活用し、裁判官や検察官、弁護人、被告人が実際に顔を合わせない無接触の「空間隔離」法廷尋問を実現した。

▼クラウド勤務

多くの人が一つの場所に集まることを減らし、交差感染リスクを防ぐため、在宅勤務やテレワークに切り替えている企業も少なくない。2月下旬からは段階的に出勤や操業も始まっている。ある調査によると、2月26日までの時点で、サラリーマン73.4%がすでに業務再開、そのうち74.9%が在宅勤務。

その中、日系企業社員の梶本光恵さんは春節休暇明けからテレワークと出勤混合型の勤務形態をとっている。彼女が働く企業では部門を2グループに分け、出社と在宅を交代で回している。また出社する場合も、一時的にフレックスタイム制を導入し、勤務時間を分散させ、社員がオフィスに集中しないよう配慮している。

▼クラウド会議

春節(旧正月、今年は1月25日)後初の外交部(外務省)の定例記者会見が3日、微信(WeChat)を通じて行われた。史上初のインターネットを通じた外交部記者会見が正式に始まった。そして、1時間5分の間に、華報道官は20の質問に回答した。

オンライン記者会見だけではなく、2月26日午後、第3回中国国際輸入博覧会の初のオンライン調印会が開催され、著名企業4社が出展契約に調印した。調印済みのブースの面積は計画面積を50%上回っており、その出展者募集の進捗ペースは前2回の同期を上回っている。

就職活動の面において、企業が相次いでオンライン筆記試験やオンライン面接を実施している。

▼クラウド授業

「休校しても学び続ける」。学校では新学期開始を遅らせたり、オンライン授業に切り替えるといった対策がとられている。

2月10日から湖北省武漢市内の小・中・高校で正式にスタートした「オンライン授業」で、それと同時に市内の小・中・高校生約100万人が新学期を迎えた。大まかな統計データによると、武漢市教育当局は同日、計426コマの授業をオンラインで行い、100万人あまりの学生と保護者がネットを通じて視聴した。上海市の小中高校生合わせて143万5000人も3月2日、オンラインで授業を再開した。各学年の授業の内容は、指定のテレビチャンネルでライブ配信される。

北京にある大学で日本語教師をしている田中恵子先生(仮名)は、大学の授業がある学期中は北京に単身赴任しているが、新型コロナウイルス感染の発生と流行の影響を受け、現在は自宅のある天津市で学生たちにオンライン授業をする毎日を送っている。田中先生の勤める大学では新学期開始の延期は行われずに、オンライン授業に切り替えて授業を始めることになったため、教師たちは2月上旬からその準備に追われた。

▼クラウド診察

現在、中国で多くの医療機関は無料のオンライン診察を打ち出し、市民に症状が深刻でない限り、できるだけ病院に行くのを控え、まずオンラインで医師に相談するよう呼び掛けている。

オンライン診察のプラットフォームを見てみると、中国全土の公立病院の医師21万人が登録しており、24時間態勢で相談に応じてくれるようになっている。ほとんど全ての科の医師が登録しており、病状の初歩的な判断を下してくれる。

3月4日、上海市児童病院では近距離観察遠隔外来診療、オンライン再診・相談、薬剤師のオンライン処方箋チェック、遠隔動画経過観察など、インターネットプラットフォーム技術を土台にしたさまざまな医療サービスが行われていた。新型コロナウイルスによる肺炎への対策を背景に、上海児童病院インターネット病院が今年2月29日に開設し、4日間で対応したオンライン再診・相談の患者はのべ387人、発行したネット処方箋は99枚に上り、9つの診療科の医師12人が上海市外にいる小さな患者に遠隔外来診療サービスを提供した。第一財経網が伝えた。

▼クラウドジム

「運動したくなったら、リビングだってジムになる」。感染が広がる中、SNSにはいつでもこんな書き込みがあり、オンライントレーニングの人気のほどがうかがえる。

新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、人々が家にこもって一か月が過ぎ、体を動かしたいという欲求を抑えきれない人も出てきた。そこで各大手プラットフォームが機運に乗じてライブ配信レッスンを打ち出し、ジムに行けないスポーツ愛好者が配信された映像に合わせて家でトレーニングできるようにした。

▼クラウドレイブ

中国全土のレイブファンが自宅で横になり続けて手足がすっかり退化してしまうほど退屈な思いをしていたとき、2月8日、全国で最も人気のバーの一つであるTAXXが、ショート動画共有アプリ「抖音(Tik Tok)」で「クラウド・レイブ」を開催した。そのライブ配信には最大時7万1000人がアクセスし、4時間連続で抖音のライブ配信ランキング1位を独占。チップの支払い収入は70万元を超えた。

これに続いて、北京のOT(One Third)バーも抖音のライブ配信でクラウド・レイブを5時間行い、累計で121万3000人以上の人がオンラインでアクセス。ネットユーザーらから200万元以上のチップの支払いがあり、新記録を更新した。(提供/人民網日本語版

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