「中国脅威論」はなぜ不正確と言えるか―米誌

Record China    2020年3月10日(火) 12時40分

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9日、環球時報は、米誌ナショナル・インタレストの記事を引用し、中国脅威論は不正確だとする記事を掲載した。資料写真。

9日、中国紙・環球時報は、米誌ナショナル・インタレストの記事を引用し、中国脅威論は不正確だとする記事を掲載した。

ナショナル・インタレストの記事はまず、世界銀行総裁を歴任したロバート・ゼーリック氏が、「中国はすでに孤立主義の過去に別れを告げており、米国が作る国際システムの中に入っている」との見方を示していると紹介。そのため、経済や社会、システムの改善を通して中国を競争相手と見なし、敵とみなすべきではないと述べていると伝えた。

その上で、「中国が大国となって米国を脅かすとの懸念は、中国の急速な経済成長から来ている」と指摘。しかし、「中国の人口は米国の4倍で、1人当たりの国内総生産(GDP)はベラルーシやトルクメニスタンと同程度に過ぎず、米国の1人当たりのGDPは中国の3倍であることを見過ごしている」とした。また、「中国の膨大な数の中産階級が、コストのかかるより良い医療や教育、環境を求めるようになっており、急速に進む高齢化も多くの問題を引き起こしている」とした。

軍事面では「この10年で中国は大幅に軍事力を高めてきた」と認める一方、「具体的な状況は往々にして誇張されている」と指摘。「中国脅威論者が提出する各項目を詳細に調べてみるべきである」としている。一例として記事は「中国のミサイル防衛システムが西洋諸国によって過大評価されているが、これらのミサイルは地上基地ミサイルであって射程距離に限りがあり、米国の攻撃を防ぐことはできても、日米を攻撃することは難しい」と論じた。また、「中国の提唱する新シルクロードへの大量の投資も西側諸国がよく取り上げるが、新シルクロードの道路や鉄道、橋などはすべての人が利用できるもので、中国専属ではない」とした。

このほか、記事は「米国国防省の高官が最近、米国にとって中東の重要性が減少し重点が中国とロシアへと移っていると述べていた」と紹介。同高官は中国からの挑戦にいかに対応するかについて、「すべての大統領は中国が西太平洋で主導しないことを確保するように命令している」と語ったという。そのため記事は、「実質的な問題は、米国は中国にその勢力範囲において権力を与えるのか、それとも現状を変えようとすることを国家の脅威とみなすのかどうかだ」と論じた。

記事は、「仮想敵国を設けることにはいくつかのメリットがある」とし、「心理的には分裂の深刻な国家を団結させることができ、政治的には団結を呼び掛ける方が国際協力の主張よりもうまくいく。経済的には多くの企業が膨大な国防のための支出を働きかけるようになる。したがって、このような流れにわれわれは注意する必要がある」と論じた。(翻訳・編集/山中)

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