FRBが緊急大幅利下げ その影響は?中国も追随するか?

人民網日本語版    2020年3月4日(水) 19時30分

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米連邦準備制度理事会(FRB)は3日、政策金利を0.5%(50ベーシスポイント)引き下げると発表した。FRBが大幅利下げに踏み切った理由は何か。どのような影響をもたらすか。他国の中央銀行も追随するだろうか。

米連邦準備制度理事会(FRB)は3日、政策金利を0.5%(50ベーシスポイント)引き下げると発表した。FRBが大幅利下げに踏み切った理由は何か。どのような影響をもたらすか。他国の中央銀行も追随するだろうか。中国新聞網が伝えた。

なぜ利下げ?

3月3日、FRBは0.5%の大幅利下げを発表し、政策金利の誘導目標を1.00-1.25%とした。

FRBは、「米国経済の基本的側面は依然として力強さがあるが、新型コロナウイルスによる肺炎が状況が絶えず変化するというリスクを経済活動にもたらした。このリスクを踏まえ、最大限の雇用と最大限の価格安定との目標の達成を支援するために、利下げを決定した」と説明した。

FRBは、「事態の推移と経済の見通しへの影響を密接にモニタリングしており、金利ツールを利用し、状況を見て行動を取り経済を支える」とした。

今回の利下げはFRBの今年初めての利下げだ。市場にはすでに利下げへの期待があったが、利下げを発表したのは米国の株式市場の取り引き時間内のことで、これは尋常なことではない。

FRBのパウエル議長は、「利下げの狙いは米国経済が力強さを保つよう支援することにある。FRBは経済がこれからリスクに直面すると考え、行動を選択した」と述べた。

どのような影響が?

利下げによって市場により十分な資金が流れることになるため、一般的に株式市場にとっては好材料だと考えられている。

大幅利下げのニュースが伝わると、下がり続けていた同日の米株価はたちまち急上昇に転じたが、上昇は長く続かず、市場は動揺した。

先週には米株式市場が(2007年の)世界金融危機以来で最も不調な1週間を経験した。拡大を続ける新型肺炎が経済の足を引っぱるのではないかとの懸念から、3大株価指数は軒並み10%以上下落したものの、2日の株価は大幅に回復上昇した。

パウエル議長は、「新型肺炎の感染の爆発的拡大が多くの国の経済を混乱させ、経済への影響は依然として不確定だ。利下げは金融環境が萎縮するのを回避し、家庭と企業の信頼感を高めることになる」と述べた。

経済協力開発機構(OECD)はこのほど、2020年の世界経済成長率予測を大幅に引き下げ、これまでの2.9%から2.4%とした。また、「2020年上半期に世界経済の成長は急速に鈍化する可能性がある」と警告した。

財富証券の伍超明チーフエコノミストは、「FRBの利下げは世界一のエコノミーの経済成長に対する市場の信頼感を高めるのにプラスになり、これに他国の中央銀行が最近になって利下げ措置を取ったことを考え合わせると、全体としてグローバル市場の信頼感回復にプラスであり、資産価格の安定と金融リスクの抑制安定にプラスであり、もちろん中国のA株市場にも好材料になるだろう」と分析した。

また前海開源基金管理有限公司の楊徳龍チーフエコノミストは、「今FRBが利下げをしたことで、米株が短期的に反転上昇する可能性があるが、過去最高を更新することは難しく、株価が値下がりするリスクも依然として大きい」と分析した。

人民銀行も追随するか?

FRBが利下げをする前に、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が、「新型肺炎がもたらす影響に対応するため、基準金利を0.25%引き下げ、過去最低水準の0.5%とする」と発表した。

同行のフィリップ・ロウ総裁は声明の中で、「新型肺炎の影響により、2020年上半期のグローバル経済成長率はこれまでの予測を下回る見込みで、基準金利を引き下げ調整は経済成長の推進にプラスになる」と述べた。

それではFRBの利下げを受けて、他国の中央銀行も追随するだろうか。中国はどうするか。

主要7カ国(G7)の財務相と中央銀行総裁はこのほど声明を発表し、あらゆる適切な政策手段を用いて力強く持続的な成長を達成するとともに下ぶれリスクに備えるとした。

方正証券股フン有限公司(フンはにんべんに分)は、「FRBの利下げは中国人民銀行(中央銀行)に金融政策を動かすより大きな可能性を与え、世界の各エコノミーの間で再び新たな利下げラッシュが起こることが予想され、米国が再び量的緩和政策を打ち出す可能性も排除できない」との見方を示した。

伍氏の見方では、「中国の中央銀行が短期的に追随して利下げをする可能性は低い。これまでの人民銀は感染症の影響に向き合って、資金を投入する、金利の指標を引き下げるなど多くの政策措置を打ち出しており、今やるべきことは政策を着実に実行し、政策の効果を見極め、3月のデータが出てから今年の全体目標を達成できるかどうかを評価することで、利下げを行うかどうかはそれからだ。よって特別な事情がない限り、3月の利下げの可能性は低い」という。

中国がこれから預金準備率や金利を引き下げるかどうかについて、人民銀の潘功勝副総裁は2月7日にコメントを出し、「感染症が中国経済に与える影響は段階的で一時的なものであり、第1四半期の経済活動に混乱をもたらす可能性はあるが、感染症が終息すれば中国経済は急速に安定に向かい、リバウンド的な回復を遂げるだろう。中国の金融政策には調整の余地が十分にあり、人民銀は目下、感染症の経済への影響を真剣に分析・評価しており、政策を打ち出す準備をしているところだ」と述べた。(編集KS)

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