初のテレワークでメリット感じた日本人社員―中国メディア

人民網日本語版    2020年3月5日(木) 6時20分

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人民網では新型コロナウイルスの感染が拡大する状況の中、中国で生活や仕事を続けている日本人を取材し、彼らの目を通して新型コロナウイルス影響下での日々を紹介していく。

春節(旧正月、今年は1月25日)前後から急速に感染が広がった新型コロナウイルス。中国各地で春節休暇が延長され、学校は新学期開始を遅らせたり、オンライン授業に切り替えるといった対策がとられている。企業や工場も営業や操業開始時期の延期やテレワークへの切り替えを行い、2月下旬からは段階的に出勤や操業も始まっている。人民網ではこうした状況の中、中国で生活や仕事を続けている日本人を取材し、彼らの目を通して新型コロナウイルス影響下での日々を紹介していく。

日系企業社員・梶本光恵さん

「些細な事一つ一つに有難みを感じた」

春節休暇明けからテレワークと出勤混合型の勤務形態をとっている梶本光恵さん。彼女が働く日系企業では部門を2グループに分け、出社と在宅を交代で回している。また、出社する場合も、一時的にフレックスタイム制を導入し、勤務時間を分散させ、社員がオフィスに集中しないよう配慮している。

マンネリ化していた定例会議を見直すきっかけに

梶本さんにとってテレワークは今回が初めての経験。そのためいろいろと不安もあったそうだが、IT部門の協力もあり、テレワークの環境はすぐに整ったという。デスクワーク中心の梶本さんは、「私の業務はITインフラが整えばほぼ在宅で完了できるが、チームで一緒に処理する複雑な案件のような場合は、やはりface to faceの方が作業効率良いかもしれない。テレワーク一辺倒ではなく、バランスよく使い分ける必要があると感じた」とする。一方で、毎月1回他都市の支社と行うテレビ定例会議は在宅勤務者が多かったため中止し、資料送付のみにしたところ、実際はそれだけでも十分対応できることがわかり、マンネリ化していた定例会議の在り方を見直そうと考えるきっかけになったという。

テレワークの最大のメリットは満員電車のストレスからの解放

「通勤時間の短縮だけでなく、なにより満員電車のストレスから解放されるという点は非常に大きい。私の場合、満員電車に揺られる時間は、片道約1時間。満員電車での通勤は、意外と体力を使っている。在宅勤務では、体力を消耗することなく、仕事が始められるので、そのメリットは時間の短縮だけでなく、精神的、体力的にもあると感じている」とそのメリットを指摘しつつも、「ただ肥満になるというデメリットも潜んでいる」と苦笑ぎみ。梶本さんは、免疫力を落とさないよう、栄養のあるものを摂り、適度に体を動かすようにしているという。そしてテレワークについては、その環境が整っている時代なので、これを機に条件が整う業種は積極的にテレワークが導入されるといいとの見方を示した。

非日常を実感した日本からの帰路

春節休暇を日本で過ごし、2月10日に北京に戻ってきた梶本さんは、日本で毎日報道される新型肺炎の情報に接し、「不要不急の渡航は止めてください」と外務省が通達を出す中だったこともあり、非常に不安に感じながら、北京に戻って来たという。そして北京に戻る飛行機の中では、搭乗者全員がマスクを着用していたのはもちろんのこと、ビニール手袋をはめている人も。なかには、マスクを三枚重ねにしている人、シャワーキャップをかぶっている人、スキーゴーグルを付けている人などさまざまな防護対策をした人を目にし、非日常を実感したという。

今までの生活の便利さを実感

北京に戻ってからの生活では、幸い近所のスーパーがずっと営業を続けており、商品も豊富に揃っていたので、困ることはなかったとした梶本さん。「外出を控えるよう叫ばれる中、いつも通りに食材を調達することができ、大変有難かった。唯一、困ったのは、ウォーターサーバーのタンクを注文する時。これまでなら配達員が玄関まで運んでくれたのが、配達員が団地の敷地内に入れないため、今は団地の入り口までタンクを取りに行かなければなりない」とし、今までの生活がどれだけ便利だったか、と些細な事一つ一つに有難みを感じているとした。(提供/人民網日本語版・文/玄番登史江)

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