中国もキヤノンも発展できるウィンウィンの実現目指し、再稼働進めるキヤノン

人民網日本語版    2020年3月3日(火) 15時30分

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中国では新型コロナウイルス肺炎の感染状況の影響を受けつつも、現在企業や工場の営業や操業再開が段階的に進んでいる。

中国では新型コロナウイルス肺炎の感染状況の影響を受けつつも、現在企業や工場の営業や操業再開が段階的に進んでいる。人民網ではこのほど、キヤノン(中国)有限公司の小澤秀樹社長兼CEOに再稼働の現状や中国の予防・抑制措置に対する評価、企業への影響などに関してインタビューを行った。

一部の拠点で出社開始、生産準備もスタート

キヤノン中国は各地域の状況や政策に基づいて必要な防疫の対策をした上で、2月10日から北京など一部の拠点で出社を開始。また出社を開始した拠点でも、在宅勤務や出退勤時間をずらすなどの対応も実施し、社員が安心して業務ができる環境を整えている。再稼動ができていない拠点については基本的に在宅勤務を実施し、中国にある各生産拠点は、地域によって状況が異なるものの、生産に向けて準備を進め、省や市政府の方針に従って対応。その再稼働基準についても各地域の感染状況や政府政策、社員の個人的な状況によって作成し、地域政策で再稼働を認めるかどうかで、現場の再稼働を判断している。

社員の健康保障を大前提に

感染拡大を受け、キヤノンではただちに社内の危機管理委員会を開き、一連の防止と対策を行い、社員の健康を保障することを大前提として、業務を再開。また不要不急の出張と外出は、中国国内・国外含めて全て禁止している。

防護用品については、今回に限らず平常時も社員にマスクを無償で配布しており、全拠点に消毒液を設置し、社員が必要なときに利用できるようにしているほか、武漢支店の社員向けには、他拠点よりも多めにマスクを購入し、各自の自宅に配送した。また工場についても、キヤノン中国同様、マスクの無償配布や消毒液の設置を実施している。これら配布されたマスクにはキヤノンの日本本社、欧米拠点からの支援が多く含まれており、キヤノングループ内で世界レベルの助け合いを実現している。

中国の予防・抑制措置を大いに評価、企業への更なるサポートに期待

中国政府の感染防止への意気込みや新型コロナウイルスに関する情報共有については大いに評価している。今回の感染拡大は春節の大型連休と重なり、初期段階の感染拡大防止が難しく、その結果影響も大きくなった。しかし2003年に香港駐在で経験したSARS感染拡大の時の対応と比べると対策がしっかりしていると感じた。

また今回の感染状況に際し、中国政府は企業に詳細な調査を実施し、具体的な対応策と優遇策を打ち出し、外資企業にも税金や諸費用の政策サポートをしている。この対策により、企業の負担をある程度緩和することができるが、政府から企業へさらなるサポートを期待している。同時に、キヤノンは政府の施策に従い、中国の市場と経済に活力を与えることを約束し、中国もキヤノンも発展できる、ウィンウィンの実現を望んでいる。

短期的にはかなりの影響、長期的には経済の回復で事業発展はあり得る

今回の新型コロナウイルスの影響は、短期的に見ると、キヤノンの業務にかなり影響があると言える。新型コロナウイルスの検査向けにキヤノンの医療機器のニーズが増えたり、在宅勤務や在宅授業によりキヤノンのプリンターを購入するケースが増えたりといった傾向はあるものの、疫病による消費の落ち込みや物流の停滞などの影響で、上述した製品の販売以外は大きな困難に直面している。加えて、感染拡大の影響でディーラー店舗は正常な営業ができず、多くの企業も正常な業務を行うことができておらず、キヤノンの販売に大きな影響を与えている。また、物流網は完全に回復しておらず、部品の供給不足や配送遅延などの問題があり、生産面と製品配送面いずれにおいても困難に直面している。そのため、政府から企業に対してさらなる政策面のサポートを望んでいる。

一方、長期的に見ると、政府の施策をフォローし、経済が回復すれば、キヤノンの事業も発展していけると信じている。困難に直面しても、キヤノンは中国に自信と感動を届け、キヤノン自身もその強みと絶え間ない努力を通じて、中国と協力して困難を克服し、中国市場に貢献したいと考えている。

中国の経済発展の見通しは?

現在の中国経済の成長率は減速しているが、世界規模でみれば依然として高度成長の市場であり、しかも中国市場の規模は巨大。特に中国国内では現在全面的に産業構造を改善しており、生産と消費のアップグレードの推進は、より広い市場とビジネスチャンスをもたらすに違いないと確信している。

今回の新型コロナウイルスの感染拡大は一部の業界において中国国内、国外いずれもマイナス影響を与え、2020年の中国経済成長にも大きな挑戦をもたらすことは否定できない。しかし中国政府の一連の経済施策に伴い、業界が手を携えてこの挑戦に立ち向かえば、2020年に中国経済の発展は依然として強い成長を維持できると信じている。

そしてどのような状況においても、キヤノンは企業理念「共生」を掲げ、中国の社会、市場、ユーザーと共に成長し、共に発展していきたいと考えている(文・玄番登史江)。

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