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<コラム>阿弥陀に負けたお地蔵様

配信日時:2020年3月19日(木) 23時20分
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日本の町には辻毎に「地蔵菩薩」が祭られている。僧形もあれば、石の塊みたいなものもあり、赤いよだれかけをしているものもある。

日本の町には辻毎に「地蔵菩薩」が祭られている。僧形もあれば、石の塊みたいなものもあり、赤いよだれかけをしているものもある。

インドに起り、中国を経て日本にもたらされた。中国では青年僧の像で帽子をかぶっているものが多い。

道教などの影響を受けている。もともと「クシティ・ガルバ」といわれ、大地・子宮を意味する。

地蔵は閻魔大王とイコールというような信仰も生まれた。地獄に落ちた死者を、救済してくださる、と言う信仰である。

日本では、神道の考えもあり死は穢れたものとされてきた。死後の世界「黄泉の国」の妻に会いに行った、ふり返るなと言われたのにふり返ったら腐りかけて世にも恐ろしい妻を見た。それに追いかけられたという神話などもある。

さて、近・現代以前の日本人のほとんどは、生まれた地で生涯を過ごし、生まれた地で亡くなっていった。その村が、個人にとって全世界であった。

村々の境界の外は「異界」とされて、境界に「道祖神」などが祭られていた。「地獄」という異界へゆく地蔵菩薩は、この村境の神の信仰と結びついた。

元々の名前が、子宮を意味するように、地蔵菩薩は子どもたちを救うという役割を与えられる。赤いよだれかけなどにはその意味がある。

中国でも、大いに信仰されたが、浄土教が普及すると、阿弥陀仏にとってかわられるようになる。なにせ、阿弥陀仏は、極楽という自分の国土を持っていて、そこに連れて行ってもらうことが出来る。

それに比べて、地蔵菩薩は、地獄に墜ちたものを助けに来て下さるが、余り強力ではない。

かくして、地蔵菩薩は中国でも日本でも脇役になった。ただ、子どもを救うという意味で、愛されている。

偽のお経がたくさん作られている。前に触れたが、中国の道教から来た地蔵菩薩は閻魔大王とイコールというような話もある。冥界の王である。日本ではこの考え方は強くない。

そしてこの地蔵菩薩像は道祖神と一体化して、町々、至る所にあり、受験や安産、商売繁盛が祈願される。子どもを亡くされた母親からの信仰も篤い。

信仰の是非はともかく、青年僧の姿の地蔵などがある中国とは少し異なり、子どもを救う菩薩様という不思議な、独特の精神文化が我が国には生き続けている。

■筆者プロフィール:石川希理
1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小学校・飛松中学校・星陵高校・神戸学院大学・仏教大学卒。同窓生いるかな?小説・童話の創作と、仏教の勉強と瞑想を10年ほど。明石市と西脇市の文芸祭り選者。児童文学のアンソロジー単行本、小説の自家版文庫本など。

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