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<コラム>地震3 食べる物 なんにもないで!

配信日時:2020年3月7日(土) 19時10分
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神戸市は酷い有様で、知人が何人か亡くなられた。電気とガスは復旧が早かった。街の道路・鉄道はズタズタである。資料写真。

幸い肉親には被害がなかった。もっとも生まれ故郷の神戸市は酷い有様で、知人が何人か亡くなられた。電気とガスは復旧が早かった。街の道路・鉄道はズタズタである。神戸とそれ以東では「駅舎」そのものが破壊されているところも多く、明石から東へのルートはほぼ完全に遮断されている。

因みに神戸-大阪間は、JR西日本・阪神電車・阪急電車と、鉄道は3本通っている。阪神・阪急は明石以西まで地元の神戸高速鉄道や、山陽電車と相互乗り入れしている。阪神工業地帯の中核だ。

大阪は大きな被害がなく、神戸・芦屋・西宮・尼崎と酷い。神戸の高速道路の高架が横倒しになった光景は、現在も尚よく報道で見られる。私が通勤で使うJRの西明石駅は、南にある小さなビルが傾き、ホームは一部壊れていた。

「しばらく姫路の施設は欠勤だなあ…」

そう思っていたら、翌日、施設から総務課長と、主任が見舞いに来てくれた。なんと、JR姫路-西明石間34キロは電車が通じているという。ホッとするやら、しばらく休めるなあ、片付けも出来るし、と甘い考えを持っていたので、恥ずかしかった。

私の住むマンションから五百メートルほど北東に、勤務先で直接お世話になっている課長の一戸建てがある。震災当日の午後、伺った。「あかん、全壊や」と課長はゲンナリしておられる。家全体が傾いている。門扉も斜めにかしいで破壊されている。幸い怪我などはなかったらしい。課長のお宅は瓦屋根の古い木造である。周りにある同じような家は破壊されている。ところが、瓦屋根ではない比較的新しいプレハブは総て異常はない。

台風に耐えるように、瓦を載せて重しにしている古い日本家屋は、地震には弱い。新しいプレハブは、台風にも耐えるし、家が軽いので揺れにも強いらしい。もっとも、内部の家具などはグジャグジャである。

さて、毎日はそれから大変だった。

「なんにもないで!」

近くにあるスーパーも、商店も、棚には何もなかった。パン一つさえ残っていない。日常生活に必要な食料は皆無だった。しばらくは、電気が早く回復したので冷蔵庫の食料や、保存食が使えたが、4、5日もすると少なくなってくる。明石市の場合、西以外は神戸市に囲まれている。スーパーなどの食品は、神戸市からも運ばれてくるのだろうが、道路・鉄道が使えないから、全く補給されない。

私の場合、34キロ離れた姫路に向かって通勤しているので「姫路で買って来るわ」とリュックを背負って仕事に出かけた。西明石を過ぎると被害はほとんどない。断層の位置や地形・地質で、スパッと被害が分かれたらしい。不思議な光景である。

「姫路城」に被害はない。駅前のビル群のごく一部の窓が割れていたり、周辺の農村にある倉の土壁が落ちた、と言う程度である。

ところが駅周辺の店に食料がない。どうも明石・神戸から買い出しに来たと言うより、明石-姫時間の人たちも慌てて買いだめをしたのであろうと推測している。北の町々でもそういうことが起こったのだと思う。姫路の北にある勤務先まで出かけてやっと、近くのスーパーで品物を手に入れることが出来た。

明石市内の学校の体育館は避難所になり、県営の広い明石公園の北には、仮設住宅群が作られた。これがしばらく続くことになる。

続く

■筆者プロフィール:石川希理
1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小学校・飛松中学校・星陵高校・神戸学院大学・仏教大学卒。同窓生いるかな?小説・童話の創作と、仏教の勉強と瞑想を10年ほど。明石市と西脇市の文芸祭り選者。児童文学のアンソロジー単行本、小説の自家版文庫本など。

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