新型コロナ流行中の韓国で暮らす中国人6人の日常―中国メディア

Record China    2020年3月10日(火) 23時40分

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中国メディアの新京報は8日、新型コロナウイルスの流行が続く韓国で暮らす、6人の中国人の生活を紹介する記事を掲載した。写真は韓国大邱市。

中国メディアの新京報は8日、新型コロナウイルスの流行が続く韓国で暮らす、6人の中国人の日常を紹介する記事を掲載した。

記事はまず、ソウル市の成均館大学で中国の研究をしている博士課程の安在仁(アン・ザイレン)さんを紹介した。安さんは夜、家に帰るときはいつも大学の近くのバーやカフェ、レストランが連なる学生街を通る。店内は満席で、客が熱く語り合っていたそうで、2月の中旬や下旬には感染予防をしている人はほとんどいなかったという。

次に、韓国人の夫を持つ周小天(ジョウ・シャオティエン)さんを紹介した。韓国での感染者がまだ27人にとどまっていた2月10日の時点ですでに様子がおかしいと感じていた周さんは、悩んだ末に息子の誕生日パーティーを取りやめた。旧正月(1月25日)の前に、夫と共にソウル市江南区の5つ星のレストランで50人での宴会を予約していたという。

周さんの友人で、同じく韓国人の夫を持つ楊暁光(ヤン・シャオグアン)さんは、周さんよりもさらに早くから心配していたという。楊さんのほとんどの親しい友人は武漢に住んでおり、母親は武漢の産婦人科で超音波検査を行う医師だ。2000キロ以上離れているが、母からは毎日感染予防するよう注意されているという。楊さんの夫は「こんなに遠くまでウイルスは届かないだろう」と言ったが、楊さんはかつての隣人、武漢市武昌病院の劉智明院長が新型コロナウイルスに感染し、殉職したことをニュースで知った。楊さんは新型コロナウイルスがもたらした衝撃を着実に感じ、「神が自分の元へ訪れるのを待っているような気持ちだ」と話したという。

山東省出身の黄曦(ホアン・シー)さんは、旧正月の休みを実家で過ごし、2月1日に韓国に戻った。その後、14日間の自主隔離を経て出社した。黄さんが勤めるソウル市のメディア関係の会社は200人余りいる社員のうち中国人は6人。黄さんは人混みで暮らす中で、マスク、消毒液、使い捨てのアルコール綿、感染防止用の手袋を必ず持ち歩いているという。韓国に戻ったばかりの頃、黄さんは高速道路のゲートや百貨店の入口で体温測定が行われているなど、中国国内の厳しい感染予防対策を韓国人の同僚に伝えた。すると同僚たちは想像ができず、驚きと疑いが混じった声で「え、そうなの?」と答えたという。

大邱市の慶北大学博士課程で学ぶ李思雨(リー・スーユー)さんは、1月中旬に上海経由で河南省の実家に戻って旧正月を過ごした。現地の防疫措置のため、20日以上家を出なかった。2月5日に大邱市に戻ってから、さらに14日間自宅で待機したという。李さんは、まもなく(自主的な自宅待機という)辛抱が終わるところだったが、2月17日に韓国で31番目の感染者が大邱市で確認されたことで焦りが増し、ニュースの中で毎日激増する患者数を見ることができないほどになったという。

成均館大学で韓国語を学ぶ張珂(ジャン・カー)さんは、もともとの計画では2月末に学期の授業が終わり、その頃に中国へ帰る予定だったが、韓国での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、22日に前倒しした。張さんによると、帰国に当たっての検査はとても厳しく、最初から最後まで感染予防を徹底し、乗り降りの際に体温を測定された。飛行機の中では2枚の健康検査用紙を記入し、1枚は乗務員に、もう1枚は税関に提出した。用紙には国内の滞在地の具体的な住所を記入する必要があったという。

同じ成均館大学の安さん(前出)は、韓国に残ることを選んだ。安さんは2022年に卒業する。学校からは自宅で作業するよう連絡が来た。図書館の閲覧室は一時的に閉鎖され、本を借りることしかできなかった。学校の事務や管理業務を行なっている建物の入口には体温測定を行う警備員が増え、耳で1回、額でもう1回測られたという。同じ頃、安さんが参加する予定だった中韓学術交流活動が中止になった。さらに、安さんによると、職員以外の留学生を含む外国人は、ソウル市内の各大学や大学院の国際事務局に入れなくなった。問い合わせ方法も対面から電話やメールに変わったという。

留学生のビザの有効期間の問題は、新型コロナウイルスの影響で延期になった。安さんによると、中国人留学生のビザの多くは有効期間が1年か2年で、学生ビザは3月までのものが比較的多いが、「ビザの有効期限が3月から4月の間であれば、4月30日まで自動的に延長される」とのことだ。

次に記事は、「マスク不足が最も現実的な問題になった」とした。ソウル市の黄さんはマスクを買えていない。同僚が昼食時間に会社の近くのドラックストアを十数件回ったものの、買うことができなかったという。

また、「韓国で新型コロナウイルスが流行し始めた1月末から2月初めは、マスクを買うのは決してこれほど難しくなかった」と説明。周さんは、韓国内にいる親戚が韓国で購入したKF94マスク(韓国産の防疫用マスク)を吉林省の実家に140個送った。しかし、最近自分も必要になった時には、1つ当たりの価格が2000ウォン(約170円)ほどから6000ウォン(約510円)以上に高騰していたという。

張さんも、「たった3日間でネット上のマスクが買い占められた」と話した。1日目は1つ当たり6元(約90円)でKF94マスクを買うことができたが、2日目には価格が跳ね上がり、3日目には品切れになったという。張さんは2月10日、学校の近くのコンビニエンスストアにマスクが入荷したところに偶然居合わせたが、数が少なく10枚もなかった。張さんが4枚買おうとすると、店員から「他の人も買えるように、買う量を減らしてくれ」と止められたという。

記事は続いて、在韓中国人がどのように最新の情報を得るかについて紹介した。周さんは中国の報道から最新情報を得ているといい、飛沫(ひまつ)感染の他にエアロゾル感染(気体中に浮かぶ微小な液体または個体の粒子を介する感染)する可能性もあると聞いた時は、夫に家の中の上下水道を塞がせたという。

記事は、「韓国では、携帯電話のショートメッセージサービスを通じて韓国関係部門からの緊急災害情報を受け取ることができる。通常は暴雨や火災、地震などの緊急事態が発生するとすぐに情報が届く。新型コロナウルスが発生して以来、周さんの携帯電話には、いつ、どこで、誰の感染が確認されたかという情報が届いている」と伝えた。(翻訳・編集/毛利)

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