新型コロナ拡大、東京五輪は予定通り開催されるのか?―中国メディア

人民網日本語版    2020年2月28日(金) 19時10分

拡大

日本で新型コロナウイルスによる肺炎が拡大を続けるのにともない、東京五輪が予定通り開催されるかどうかについても見通せない状況になってきた。

日本で新型コロナウイルスによる肺炎が拡大を続けるのにともない、東京五輪が予定通り開催されるかどうかについても見通せない状況になってきた。

■各方面の声

現地時間25日に米AP通信が伝えたところによると、国際オリンピック委員会(IOC)のベテラン委員のディック・パウンド氏はインタビューに答える中で、「新型肺炎が5月下旬になってもコントロールされなかった場合、2020年東京五輪は中止になる可能性がある」と述べた。延期や他都市での開催ではなく中止だ。これについて橋本聖子五輪相は26日にコメントを出し、「(私たちは)このことについてIOCにすでに問い合わせをしており、IOCの回答は、『これはIOCの公式の見方ではない』というものだった。この回答からIOCが東京五輪の予定通りの開催という目標に向けて準備作業を進めていることがわかる」と述べた。

その1日前、ギリシャオリンピック委員会は記者会見を開き、3月12日に行われる東京五輪の聖火採火式の日程の一部を発表した。ここからも東京五輪を「中止にも延期にもしない」とする日本の決意がうかがえる。

「延期すべきだ、4年に1度の開催は大変だ」、「選手は現役の間にいくつの4年があるか」。インターネットでは東京五輪中止の話題をめぐり、さまざまな意見が出ている。

しかしパウンド氏の発言に対し、英BBC放送は違った見方を示し、「パウンド氏がより強調したいのは『五輪がすべてこれまで通りに行われるのが望ましい』ということだ」と伝えた。

■日本の決意

実際、日本はこれまでずっと五輪に対して固い決意をみせてきた。断固とした態度の背後には、日本が五輪のために大いに心血を注いできたということがある。米誌タイムによると、20年東京五輪の経費は250億ドルに上り、当初計画のほぼ4倍だという。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が計画する会場は37カ所で、このうち15カ所は既存の会場を使用し、22カ所は新たに建設したものだ。その22カ所のうち、11カ所は永久施設となり、11カ所は一時的な施設となる。メーン会場は新しい国立競技場で昨年12月に工事が完了し、今年1月から使用されている。

インフラ建設だけでなく、交通、ホテル、観光など各業界も大きなコストを払ってきた。今年5月には、日本航空が2億ドルを出資する格安航空会社(LCC)ジップエアが誕生する予定で、五輪でふくらむ航空ニーズに対応する。ホテル産業の調査会社・CBREホテルズがまとめたデータによれば、日本の9大都市で19年から21年にかけてホテル8万軒が開業する予定だ。また、東京五輪組織委はすでに国民にチケット約448万枚を販売しており、5月中旬からは日本国外の人々に向けてネットでチケットを販売する予定で、総販売数は900万枚に達する見込みだ。

「五輪を15年続いたデフレと経済低迷から脱却するきっかけにしたい」。五輪招致に成功した時、安倍晋三首相は五輪への期待を少しも隠すことなく率直に語った。東京都の試算によると、東京五輪は日本全国に約2兆9600億円の経済効果をもたらすという。大和証券の試算では、13年から20年にかけて、東京五輪が成功すれば日本の国内総生産(GDP)を3%押し上げることになり、1990年にバブル経済が崩壊してから最高の成長率になり、経済効果も全体で3兆円以上になるという。

中国現代国際関係研究院の劉軍紅(リウ・ジュンホン)研究員は、「開催国が五輪を非常に重視するのは当たり前のことで、招致から開催に至るまでの間に、巨額の費用が投入される。開催中止ということになれば、巨額の損失が出る。日本にとって、五輪は新たなチャンスであり、バブルの名残を一掃し、イメージと国際的地位を再構築するために非常に重要だ。そこで日本は多くの努力を重ね、会場建設、選手の育成など各方面で取り組みを進めてきた」と述べた。

劉氏はさらに話を進めて、「過去の経験を振り返れば、日本が初めて五輪を開催したのは1964年のことで、日本経済にとっては、非常に重要なターニングポイントになり、日本経済はこれを契機に飛躍的発展を遂げた。この年に、日本には多くの重大な出来事があった。経済協力開発機構(OECD)への加盟、初の新幹線建設などだ。日本にとって、最も重要なことは第二次世界大戦後の復興を経て五輪開催を成功させたというところにあり、これはつまり日本が国際社会に認知され、暗がりから日の当たる場所に出たことを意味する」と述べた。

また劉氏は、「これまでにも似たような状況はあった。ブラジルのリオ五輪開催前にジカウイルス感染症(ジカ熱)が拡大し、当時も五輪は延期または中止になると懸念する声があったが、最終的には予定通りに開催された。日本のこれまでの感染状況に対する予測で、比較的多くの見方は延期や中止にはならないというものだった。懸念はあるが、最終的には延期や中止にはならないというのだ」と述べた。

ロンドン五輪で公衆衛生ディレクターを務めたブライアン・マクロスキー氏は、「現時点で五輪を中止にする必要はない。ブラジル五輪だけでなく、10年のバンクーバー冬季五輪は09年のインフルエンザ大流行の後で開催され、最終的には主催国とその他の国に何か特別な影響を与えることはなかった」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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