中国産うまみ調味料に包囲網、米国で反ダンピング調査―中国メディア

Record China    2013年10月30日(水) 23時20分

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28日、米国商務省はこのほど、中国とインドネシアが原産のうまみ調味料に対して、反ダンピング調査および反補助金調査を発動することを明らかにした。写真は山西省運城市のトウモロコシ農家。

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2013年10月28日、新華社が25日伝えたところによると、米国商務省はこのほど、中国とインドネシアが原産のうまみ調味料に対して、反ダンピング調査および反補助金調査を発動することを明らかにした。調査の内容は、両国の企業が米国において人為的に操作した不当な低価格でうまみ調味料を販売しているかどうか、またこれらの企業が不当な政府補助金によって利益を得ているかどうか、あるいは以上の問題が2つ同時に存在しているかどうかだ。これは過去約1カ月間に米国が中国製品に対して発動した3回目の貿易救済措置となる。国際金融報が伝えた。

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北京東方艾格農業諮詢有限公司の農業アナリスト馬文峰(マー・ウェンフォン)氏によると、このたびの動きは米国の貿易保護主義の台頭にほかならず、中国にとってはなはだ不公平だという。梅花生物科技集団株式有限公司の楊慧興(ヤン・フイシン)董事会(取締役会)秘書はメディアの取材に答えるなかで、同社が応訴中であることを明らかにした。

▽中国産うまみ調味料が調査対象に

新華社が伝えた米商務省の公告によると、今年9月、うまみ調味料を製造する日本の味の素の北米法人が訴訟を提起し、中国のうまみ調味料メーカーが中国政府の補助金を受けて米国で不当廉売を行っていると訴えた。同社によると、中国とインドネシアから米国に輸出されるうまみ調味料はダンピング率が高く、中国産は64.77−204.69%、インドネシア産は50.32−58.67%に達する。補助金の割合も2%を超えるという。

米国の貿易救済案件の処理プロセスに基づくと、2つの調査が行われた後、アメリカ国際貿易委員会(ITC)が11月18日前後に仮決定を下し、当該製品が米国の関連産業に実質的な損害を与えたと認定されれば、商務省は引き続き調査を行い、今年12月までに反補助金調査の仮決定を下し、来年3月までに反ダンピング調査の仮決定を下すことになる。

公開されたデータによると、中国は1992年に世界一のうまみ調味料生産国になり、2002年から2010年にかけての複合成長率は11.1%だった。現在は毎年約200万トンを製造しており、過去数年間は年間約20万トンを海外に輸出してきた。特に昨年は輸出量が多かった。米商務省がまとめたデータによると、米国は昨年中国から3690万ドル(約36億円)分のうまみ調味料を輸入した。

楊董事会秘書の指摘によると、梅花集団の米国の輸出先は主にネスレやユニリーバといった大口の顧客だ。こうした顧客の製品製造コストに占めるうまみ調味料の割合は低い。このため価格に対してそれほど敏感ではなく、顧客側も中国本土企業を通じた調達をよしとしている。楊董事会秘書の見方では、うまみ調味料の輸出で関税の影響は大きくない。別のうまみ調味料メーカーの河南蓮花味精株式有限公司の今年上半期の業績報告によると、同社のうまみ調味料輸出業務による営業収入は3億600万元(約49億円)で、総収入11億4000万元(約183億6000万円)の27.71%に当たる。

▽超低価格の米国産トウモロコシが原料に

馬氏によると、中国は米国産トウモロコシの主要なバイヤーだ。一時期は米国から中国に輸出されるトウモロコシの価格が、米国国内での価格をはるかに下回っていたが、中国政府は反ダンピング調査を発動したりしなかった。輸出価格は定期取引市場における受注状況によって変わるもので、中国の現在のうまみ調味料輸出価格は低い。これは中国の人件費コストなどが米国や日本といった先進国より低いためだ。また、中国企業がうまみ調味料の加工プロセスで非常に価格の安い米国産トウモロコシを原料に使用していることが原因である可能性も高い。

馬氏は、「今、米国は逆襲に転じ、中国に2つの調査を発動した。これはなんともデタラメなことだ。企業の価格設定は市場に基づいて変化するものであり、国や地域が異なれば市場も異なるのであり、政府が過剰に介入するべきではない。これは国際貿易が健全に発展するための基礎だ」と強調する。

コンサルティング会社・和君管理諮詢公司のパートナーの●強(イエン・チアン、●は門構えに三)氏によると、2つの調査で有罪となれば、まず巨額の賠償金に直面し、次に輸出が制限されることで従業員の失業問題が深刻化するという。

米国だけでなく、近年は欧州連合(EU)も中国製品に対して反ダンピング・反補助金調査という「大なた」をたびたび振りかざしている。ある対外貿易の専門家の指摘によると、現在、ますます多くのEU企業が中国などの労働力コストが相対的に低い第3国に生産拠点を移転させて競争力を維持しており、「欧州企業」の概念は徐々に境界線があいまいになっている。集中的な反ダンピング措置は欧州現地の関連産業や企業を保護すると同時に、中国などの国・地域で投資を行う欧州企業に損害を与えてもいる。EUは次の点をよくよく考えるべきだ。どのような貿易救済措置を取ればEUの企業や消費者の利益を守ることになるのか、さまざまな利益が錯綜するなかで相対的にバランスの取れた着地点を見いだし、グローバル化を背景とした供給チェーンの合理的な分業の中から不公平な貿易行為を区別することになるのか、という点だ。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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