<中国人観光客が見た日本>日本帰りの空港で忘れられない光景、「ホームに1人残った湖北省出身者の姿」

Record China    2020年2月28日(金) 23時50分

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28日、中国のインターネット上に、日本旅行から中国に帰国した際の空港での出来事についてつづった手記が掲載された。写真は北京空港第3ターミナル。

2020年2月28日、中国のインターネット上に、新型コロナウイルスが流行する中で日本旅行から中国に帰国した際の出来事についてつづった手記が掲載された。以下はその概要。

日本を発った飛行機が無事に北京に到着し、チーフパーサーが搭乗口を開けると、最初に乗り込んできたのは空港の検疫係員だった。カーテンを挟んでいたとはいえ、話し声がはっきりと聞こえてきた。機内には12人の湖北省出身の旅行者がいたのだ。湖北省は今回の新型肺炎の発生地なので、これらの人たちに対して体温を測定するなどの医学調査が必要だったようだ。チーフパーサーは機内アナウンスで12の座席番号を挙げて、これらの乗客は先に搭乗口まで来るようにと言った。

その後の数分の間に、次々と湖北省出身の旅行客が出てきて体温測定を行ったが、特に異常はなかったようだ。しかし、乗客の1人がいつまでも検査を受けなかったため、チーフパーサーは再び機内アナウンスでこの乗客の名前を呼んだ。すると、マスクをした中年女性が表れ、簡単な体温測定をし、これ以前の旅行先などについて質問を受けていた。私たちの耳に、この乗客が「去年9月に北京に来てから1度も湖北に帰ってはいない」などと大声で弁明しているのが聞こえてきた。その後、私たちも飛行機から降りることができたが、ターミナルビルに入るところで前方に湖北出身者の一群が見えた。私たちは意識的に歩調を緩めて彼らと一定の距離を保った。

ターミナルビルに着くと旅行客は非常に少なく、検疫の入口まで来たところで湖北省出身者たちが検疫官に1人ずつ別の所へ連れて行かれるのが分かった。恐らくさらなる質問があるのだろう。隔離され経過観察となったかどうかは分からない。この時、あの最後に出てきた湖北出身の中年女性が他の湖北出身者と一緒に検査を受けず、私たちと一緒に入国手続きのところにいるのが分かった。そのため、ある人は入国検査員に伝え、みんなはこの女性を避けていた。

ターミナル3Cへ行く列車に乗る時、またもこの湖北出身の中年女性を見かけた。この女性も私たちのことが分かったようで、結局列車には乗車せず、ホームに立ったままだった。そしてドアが閉まり、列車は暗闇の中へと進んでいった。ホームにはあの女性の孤独な影が残った。

ターミナル3Cに到着し、もうあの乗客の姿を見ることがなくなって、不安だった気持ちがようやく落ち着いてきた。誰もいない税関を通り、ついに祖国に戻ってきたが、新型肺炎がもたらした緊張感をはっきりと実感した。今回の初の日本旅行はこのような緊張感の中であっという間に過ぎ去ったが、次回の日本の旅にぜひとも期待したい。(翻訳・編集/山中)

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