日韓からの入国者を隔離、地方政府の対応は「過度」なのか―中国メディア

Record China    2020年2月28日(金) 6時10分

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中国紙の環球時報は26日、中国の一部の地方政府が日韓からの入国者を隔離する措置を取っていることについて、その正当性を訴える記事を掲載した。写真は日韓から戻った人の立ち入りを禁止する掲示。

中国紙の環球時報は26日、中国の一部の地方政府が日韓からの入国者を隔離する措置を取っていることについて、その正当性を訴える記事を掲載した。

中国では湖北省を除き、新型コロナウイルスによる肺炎の新たな感染者が減りつつある一方、日本や韓国では事態が悪化している。これを受け、中国国内では、「日韓から新型コロナウイルスが『逆流』するのではないか?」という懸念が出ている。そのため、中国の一部の地方政府は日韓からの入国者を隔離するなど、管理措置を強化した。韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は、これについて「過度な措置」であるとして懸念を示した。

中国外交部の趙立堅(ジャオ・リージエン)副報道局長は26日の記者会見でこのことに言及。日韓に対して慰問の言葉や支援への感謝を述べた上で、「すべて中国と他国の人々の命と健康を守り、地域や世界の公共衛生を保つためだ。措置が科学的、専門的で適度であれば、理解を得られるはずだ」と話した。

また、韓国メディアの聯合ニュースによると、同日、●海明(シン・ハイミン)(●=「形」の左側におおざと)駐韓中国大使は記者団に対して「(このほどの管理措置の強化は)韓国人だけでなく、多くの中国人も対象になっている」として韓国側へに理解を求めた。

こうした中、環球時報の記事は、中国山東省威海市のある韓国系商工会の趙会長を「威海市の空港に到着した韓国人を支援している」として紹介。趙会長は、「25日12時(現地時間)までに、威海市で隔離された韓国籍の人は25人だ。しかし、26日午後にはさらに40人以上の韓国人が威海市に到着する予定だ。威海市の政府職員と韓国系商工会のスタッフが、到着した韓国人に事情を説明し、隔離先まで案内する」と述べた。

趙会長は続けて、「隔離された韓国人の大半は長い間威海市で暮らし、仕事をしている。隔離先は地元のホテルだ。環境は悪くなく、費用はすべて威海市政府が負担する。今のところ、隔離されている韓国人の状態は良く、問題はない。現地の規定では14日の隔離が必要だ。しかし、もし確実に問題がないと判明した場合は早めに帰宅でき、引き続き自宅での隔離となる」と話した。

また、こうした措置が韓国世論の不満を招いた原因について、趙会長は、「韓国は中国からの訪問者を強制隔離する措置を取っていない。そのため、中国(の地方政府)が現在、韓国からの訪問者を隔離していることを理解できないのだ」と述べた。

その一方で、「人々が非常に心配しているのは、新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)することだ。地方政府はこのように(隔離などの措置を)せざるをえない。また、国ごとに規定が違うのは当たり前のことだ」として、地方政府の政策に理解を示した。

記事は、「韓国側へ伝えたい。中国の一部の地方政府による隔離措置は、中国国民だけでなく、韓国国民を含めた入国者を守るためのものだ。しかも、決して他の国々のように、韓国人を含む感染状況が深刻な国の人々の入国を直接拒否するものではない。(中国の一部の地方政府は)入国は許可する。ただ一定期間の隔離が必要なだけだ」とした。

さらに、「われわれ(中国)がそのようにするのは、最も早く新型コロナウイルスの打撃を受け、重大な犠牲を払った国として、新型コロナウイルスのずる賢さをよく知っているからだ。そのため、防疫体制をゆるめることは一切できないと、より理解している。実際に韓国では現在、感染者が1261人を超えているという状況が、すでに問題を十分に説明しているだろう」とした。

その上で、「中国の一部の地方政府による、入国者に対する(新型コロナウイルス感染防止のための)管理措置は、まだ新型コロナウイルスの恐ろしさに気づいていない人からすると、『過度』かもしれない。しかし、すでに悲惨な目に遭った中国の人々からすると、このような措置こそが、すべての人々に対して本当に責任を負うということだ」と強調した。(翻訳・編集/毛利)

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