感染者増加が止まらないダイヤモンドプリンセス号、専門家「グループ分けした隔離を」―中国メディア

人民網日本語版    2020年2月19日(水) 17時0分

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厚生労働省は新型コロナウイルスの集団感染が起きているクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」で、新たに504人の検査を行ったところ、99人の感染が確認されたと発表した。写真はダイヤモンドプリンセス号。

厚生労働省は17日午後、新型コロナウイルスの集団感染が起きているクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」で、新たに504人の検査を行ったところ、99人の感染が確認されたと発表した。そのうち70人は無症状だった。

これまでに、「ダイヤモンドプリンセス」号に乗船している乗客約3700人のうち、1723人が検査を受け、454人の感染が確認されており、検査を受けた乗客の約26%が感染したことになる。

厚生労働省の方針では、船内に残っている乗客は、原則として今月19日に健康観察期間が終了する。

クルーズ船上の全ての乘客と船員は隔離状態にあるものの、感染者の急増に歯止めはかかっていない。

在日本中国大使館によると、クルーズ船上には中国人が約300人乗船している。内訳は中国本土の住民22人、香港の住民260人、マカオの住民5人、台湾の住民24人だ。

■感染者が増加の一途、クルーズ船の構造と関係?

ジョンズ・ホプキンス大学のセンター・フォー・ヘルス・セキュリティーのAmesh Adalja博士は、「今一番必要なのは、乘客がクルーズ船を離れ、必要な人が相応の医療援助を受けることだ。クルーズ船など密封された空間内では、乗客が宿泊する客室は距離が近く、呼吸器を通して伝播する伝染病が拡散しやすい」と指摘した。

報道によると、クルーズ船が隔離状態になってからも、感染者が増加の一途をたどっているのは、クルーズ船の構造と関係がある可能性がある。通常、クルーズ船のほとんどの客室は密閉状態で、内部の通風は外循環系統と内循循環系統を含めてセントラル空調で調整されている。外循環系統は、外の換気口と繋がっていて、海上の空気を吸い込み、そして客室の温度を調整している。

現在までに、「ダイヤモンドプリンセス」号の外循環系統が早い時期からつけられていたのかどうかを確認できていない。

加藤勝信厚生労働相は、「密封された空間が新たな感染を生んでいる可能性がある。新たな患者の感染源は、すでにあの80歳の乘客と関係があるとは完全に言い切れなくなっている。密封された空間に一定期間滞在し、何度も接触するうちに感染した感染者もいる」との見方を示した。

■専門家「グループ分けして隔離を」

中国の外交学院国際関係研究所の教授で、博士課程指導教員を務める日本研究センターの周永生(ジョウ・ヨンション)副センター長は、船上での隔離を続けると、感染がさらに拡大する可能性があると警鐘を鳴らしている。そのため、船上で隔離を続けるのは、長期的に見て得策とは言えないだろう。

日本政府は、「ダイヤモンドプリンセス」号の全ての乗客と船員を隔離しているものの、感染の疑いがある乗客、潜伏期にある可能性のある乗客、普通の乗客、船員を分けて隔離することはしていない。ただ、クルーズ船の限りある空間において、3000人以上の乗客、または半分以上の乗客を分けて隔離するというのは、現実的ではない。そのため、船上の感染の疑いがある乗客を下船させて地上の感染症指定医療機関で隔離し、その他の症状が何もない乗客を船上と地上で隔離するというのがベストの方法かもしれない。

地上での隔離はさまざまな方法を採用できる。例えば、感染症指定医療機関で隔離することができる。もし、その医療機関の病室や病床が不足しているのなら、人口が密集した地域から離れたホテルを臨時の医療機関にして隔離観察することができる。しかし、ホテルで隔離観察する場合、感染している可能性のある人を単独で隔離し、他の人と接触することがないようにしなければならない点は注意が必要だ。そして、交差感染を避けるために、完全防備を施した医療従事者やスタッフ以外の出入りは避ける必要がある。

それらの対策を講じることは、「ダイヤモンドプリンセス」号の乗客や船員の交差感染の増加を食い止めるだけでなく、日本国内での感染拡散を防ぐのにもつながる。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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