日米韓市場で大人気、中国発ゲームが海外で成功した理由―中国メディア

人民網日本語版    2020年2月8日(土) 22時10分

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ここ数年、中国ゲーム産業の海外市場における快進撃が次々に伝えられている。世界でのダウンロード数が1億回を超えたものも数多くあり、多くの国ではゲームランキングのトップ3に中国発ゲームが並んでいる。

ここ数年、中国ゲーム産業の海外市場における快進撃が次々に伝えられている。世界でのダウンロード数が1億回を超えたものも数多くあり、多くの国ではゲームランキングのトップ3に中国発ゲームが並んでいる。人民日報が伝えた。

中国産ゲームとともに海外に進出したものとして、ほかにも中国文化が挙げられる。うち三国志ゲームの爆発的人気を受けて、大勢の海外のゲーマーが三国時代の歴史に興味をもつようになった。

中国のゲーム産業が海外で成功したのはなぜか。海外進出の途上でどのような挑戦やチャンスがあったのか。ゲームが「中国ブーム」を引き起こしたのはなぜか。

■日米韓の3大市場で大人気

昨年末に開催の中国ゲーム産業年次総会で発表された「2019年中国ゲーム産業報告」によると、中国産ゲームの海外市場における実質売上高は115億9000万ドルに上り、2018年より21%増加した。このうち米国市場が30.9%、日本市場が22.4%、韓国市場が14.3%を占め、この3大市場の合計で全体の70%近くを占めた。

ここ数年は中国ゲーム産業の海外進出の勢いが非常に盛んだ。特にスマートフォンや5Gといった通信インフラが日に日に充実する中、ますます多くの中国産ゲームが海外進出を果たしている。

17年に網易遊戯が発表したスマホゲーム「陰陽師」は、中国で大流行した後、日本市場に進出し、一時日本のアップストアのゲームランキングで1位になっていた。「荒野行動」は世界でのダウンロード数が3億回を突破し、日本のiOSのセールスランキングで複数回トップに立った。「ライフアフター」は世界のダウンロード数が1億回を突破すると同時に、米国、カナダ、タイなどのアップストアの無料ゲームランキングでトップ3に入った。沐瞳科技の「モバイルレジェンド」は16年の発表以来、東南アジアで人気の高いMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)となっており、ダウンロード数は累計2億8100万回に上り、このうち75%が中国以外のアジア市場からきている。

モバイルゲームのポテンシャルが大きい。伽馬数據と欧州の研究機関Newzooがこのほど共同で発表した「2019年グローバルモバイルゲーム市場における中国企業の競争力報告」は、「中国産モバイルゲームの海外市場シェアは15.8%で、特に『一帯一路』(the Belt and Road)沿線国でポテンシャルが高い」と指摘した。

北京師範大学文化クリエイティブ産業研究院の肖永亮(シャオ・ヨンリアン)院長は、「中国のゲーム産業は他の第三次産業に比べ、確かに大きな国際市場シェアの獲得に成功したサービス産業だ。中国のゲーム産業と関連企業は、国際ゲーム市場を深く理解し、市場の位置づけを正確に把握すればこそ、グローバル化した国際市場のパイをよりよく共有することができる」と述べた。

■中国産ゲームの海外進出に多くの好材料

日米韓は昔からゲーム強国で、自国産のゲームは数も多く質も高い。こうした市場に中国産ゲームはどうやって食い込んだのだろうか。

日米韓市場のゲーム市場は開放レベルが高い。肖氏は、「米国と日本のゲーム市場は開放レベルが高い市場で、ゲームの中身やスタイルにそれほど規制はなく、市場の法則が決め手になる。これと同時に、こうした国々では自国のゲーム開発企業やゲームメーカーが制作したゲーム製品だけに市場を開放するということはなく、世界のどのゲームメーカーにも門戸を開く。このような市場環境は世界のゲーム開発者による共同開発に非常にマッチしている」と述べた。

一部の国のゲーマーはゲームの好みが中国のゲーマーと似ている。網易遊戯は、「日本市場は規模が非常に大きく、発展の見通しも明るく、ゲームの普及率が高い。これらのことが中国産ゲームの日本進出に際して有利な条件になった。1970年代から、日本のゲーム産業はアーケードゲーム、テレビゲーム、携帯ゲーム機といった形を通じて発展・浸透し、極めて特徴的なゲーム文化を創り出すとともに、現在のようなゲームの普及レベルが高く、年代の広がりが大きい『全国民がゲーマー』という特徴をもつに至り、中国産モバイルゲームの日本エリアでの発展に肥沃な土壌を提供している。またゲームの内容についていえば、日本ゲーム市場はこれまでずっとRPG(ロールプレイングゲーム)とカジュアルゲームが主流で、こうした特徴は中国モバイルゲーム市場のユーザーの行動パターンと類似性があり、中国のRPGゲームとカジュアルゲームの海外進出にとって好材料になった」との見方を示した。

中国のゲーム企業は各国の事情を踏まえながら優れたゲームを打ち出してきた。網易遊戯の場合、「陰陽師」から「荒野行動」に至るまでの間に、同社のチームが日本市場で製品を発表し運営するという貴重な経験を積み、「製品+PR運営」の2本柱による海外展開戦略を探り当てた。同時に、同社の「傑作の海外進出」戦略はゲームの品質に対する要求水準が高く、ゲームの総合的体験を重視する日本のゲーマーにぴたりとハマり、ブランド全体が日本市場で良好なイメージと高い口コミ評価を獲得することにつながった。

また、中国産ゲームの輸出の成功は中国ゲーム産業で開放的な力が急速に育っていることと関係がある。肖氏は、「ここ数年、中国のゲームデザイナーやゲーム開発企業は、経済グローバル化という外部環境を利用し、デジタル経済の特徴をしっかり把握し、インターネットを利用して市場の障壁を克服し、長期にわたる模索と積み重ねを経て、国際市場における運営、技術開発、ゲームデザインなど各方面で日米ゲーム市場進出に合った方法を見いだし、そこから絶えず成功を収めるようになっていった」と説明した。

■海外ユーザーはゲームを通じて中国文化を理解

ゲームの輸出は、経済的価値を生み出すだけでなく、それ以上に文化的価値をも生み出す。

ゲーマーの李佳●(リー・ジアシン、●は品の口が金)さんは、「子どもの頃、日本のRPGが好きで、それで日本で流行している音楽が好きになり、尺八とか太鼓といった日本の伝統楽器のことも知るようになった」と話す。唐広宇さんは「アサシン クリード」でエジプト文化に詳しくなり、鄭成さんは「ウォークラフト」でギリシャ神話の怪物グリフォンを知ったという。ゲームは多くの80後(1980年代生まれ)や90後(1990年代生まれ)にとって、外国文化を理解する窓口の一つだ。

中国産ゲームの「盛んな」海外進出にともない、ますます多くの海外ユーザーがゲームを通じて中国文化を理解するようになった。網易の「卒土之浜」は日本でブームになり、大勢の日本のゲーマーが中国の古典を勉強するようになり、さらには詩のコンテストを始めたり、三国時代の歴史を語るチャンネルを開設したりしている。ゲームは今や、中国文化の海外進出を後押しする重要産業の1つだ。

モバイルゲーム企業家連盟(MGEA)の韓志海(ハン・ジーハイ)事務局長は、「中国ゲーム産業は弱から強へと進み、一連の質の高い企業と作品が登場し、中国の大勢のゲーマーたちのますます高まるニーズに応えるだけでなく、海外に輸出され、中華文化の海外への伝播も促進している」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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