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5日、中国メディアの環球時報は、新型コロナウイルス流行による豪州の入国制限措置で中国人留学生が不公平な待遇を受けたとして、豪大学協会が豪政府に謝罪を要求したと報じた。写真はシドニー大学。
2020年2月5日、中国メディアの環球時報は、新型コロナウイルスの流行による中国人の入国制限措置で中国人留学生が不公平な待遇を受けたとして、豪大学協会が豪政府に謝罪を要求したと報じた。
豪政府は米国に続いて2月1日に中国人の入国制限を実施した。これにより、1日に豪州に到着した中国人留学生に大きな影響が及んだという。記事は、ABC(豪放送協会)の4日付の報道を引用し、数十人の中国人留学生が豪州の空港で、数時間もの取り調べを受け、一部は帰国を強いられたと伝えた。駐豪中国大使館の王晰寧(ワン・シーニン)公使は、その日のうちに豪政府のやり方に不満を示し、中国人留学生の権利の保護を求めた。記事によると、豪大学協会は豪政府に対し、中国人学生が被った不公平な待遇について謝罪を求めたという。
米国政府は1月31日(現地時間)、新型コロナウイルスによる緊急事態を宣言し、14日以内に中国に入国した外国人を入国禁止とすることを表明。2月2日に実施した。豪政府も2月1日に入国制限措置を決定、即日実施した。この措置は中国大陸から出国または経由して豪州へ渡ってきた外国人の入国を(中国出国から)14日間制限するものだ。措置は2月15日に見直される予定だという。
記事は、「足止めされた中国人学生は豪州の入国制限に困惑し、憤っている」という豪オーストラリアン・ニュース・ネットの4日付の報道を引用。「中国人学生らは不公平にターゲットにされたとして、オーストラリアの措置を非難している。豪政府が入国制限を決定した当時、中国人留学生らはすでに豪州へ向かっている最中だった。シドニーやブリスベン、メルボルンなどの空港に到着した後で、強制送還されたり拘束されたりしたという。荷物は没収され、ビザは取り消し、さらに数時間に及ぶ尋問を受けた」と伝えた。豪メディア・オーストラリアンは豪州の大学職員の「政府による学生の扱いはひどすぎる」というコメントを紹介した。
豪メディア・SBSの4日の報道によると、豪大学協会のカトリーナ・ジャクソン会長は「誠実な対応ではない」として、ピーター・ダットン内相に直訴しており、不公平な扱いを受けた人への謝罪を求めているという。
オーストラリアンは4日、王公使が「豪政府のやり方は過激で性急であり、WHO(世界保健機関)の勧告範囲を超えてパニックを起こしただけでなく、中国政府と学生たちに事前に知らせなかったため、中国側と学生たちに大きな不便をもたらした」と述べたと報道。中国側と豪州側の関係部門の話し合いの後、ほとんどの学生の問題は解決されたとした。
環球時報の記者が取材した中国人学生は、2月1日に中国を出発し、2日早朝にオーストラリアに到着した。飛行機が停止すると、豪州のスタッフが到着口で次々と乗客の身元を検査。その学生は航空券を買って帰国するよう言い渡されたという。
記事は、湖南科学技術大学の張鵠志(ジャン・フージー)助教授の現状も紹介した。張助教授はロイヤルメルボルン工科大学を訪問するため、長沙から広州を経由してメルボルンへ向かう便を2カ月前から予約していた。1日に長沙から広州に向かったが、飛行機が到着するとすぐに米国が入国制限を発表した。張助教授は「米国は(実施まで)2日ほど猶予を残していたので、豪政府が米国にならって禁止令を出しても私は間に合うだろうと思っていた」というが、すぐにメルボルン行きの飛行機がキャンセルされたという知らせが届いた。張助教授は、「豪州のやり方は多くの人に深刻な影響を与えている。私の豪州ビザも延長が許可されていない」と話したという。(翻訳・編集/毛利)
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