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<コラム>多角的でアグレッシブな中国の統計、GDPの11%の文化観光体育産業にイノベーターは現れるか

配信日時:2020年2月7日(金) 19時40分
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中国国家統計局は文化、観光、体育と関連産業の規模と付加価値について統計データを発表した。その分類手法は中国的特徴を備えている。日本の統計と対比しながら、中国のこれらの産業を占ってみよう。写真は延安。

近日、中国国家統計局は、文化、旅游(観光)、体育と、関連産業の規模と付加価値について統計データ(2018年)を発表した。その分類手法は、きわめて中国的特徴を備えている。日本の統計と対比しながら、中国のこれらの産業を占ってみよう。

●文化及び関連産業

2018年、全国の文化及び関連産業の産出価値は、4兆1171億元、GDPに占めるシェアは4.48%だった。前年比0.22%上昇した。内訳は下記。

第一部「文化核心領域」2兆7522億元、66.8%。その内容は

1 新聞情報サービス 13.6%

2 コンテンツ創作 21.0%

3 創意設計サービス 17.4%

4 文化伝播チャンネル 8.2%

5 文化投資運営 0.9%

6 文化娯楽レジャー 5.6%

第二部「文化相関領域」1兆3649億円、33.2%、内容は

1 文化補助生産と仲介 16.5%

2 文化装備生産 4.8%

3 文化消費生産 11.8%

今一つ具体的企業名や職業イメージはちょっと湧きにくい。そこで

1 文化サービス業 60.3%

2 文化創造業 29.1%

3 文化卸売及び小売業 10.6%

とも分類している。しかし、文化卸売及び小売業、ではますます混乱しそうだ。

●観光及び関連産業

全国の観光及び関連産業の産出価値は、4兆1478億元、GDPに占めるシェアは4.51%。前年比0.05%上昇した。文化産業とほとんど変わらない。内訳は

1 行楽 26.9%

2 宿泊 7.9%

3 飲食 13.6%

4 遊覧 4.8%

5 ショッピング 31.4%

6 アミューズ 4.0%

7 総合サービス 1.7%

8 観光関連産業 9.6%

これらデータは、遊覧、レジャー、友人訪問、文化体育、健康医療、短期研修、宗教礼拝、公務、ビジネスなどの理由で、通常の住環境から1年未満、離れたケースを基にしている。飲食やショッピングはどう集計しているのだろうか。

●体育及び関連産業

2018年、全国の体育及び関連産業の産出価値は、1兆78億元、GDPに占めるシェアは1.1%だった。内訳は下記。

第一部「体育サービス業」6530億元、64.8%。その構成は

1 体育管理活動 3.9%

2 体育大会表演活動 1.0%

3 体育健身レジャー活動 4.7%

4 体育場設置管理 8.5%

5 体育広告、表演設計 1.1%

6 体育教育、訓練 14.1%

7 体育メディア情報サービス 2.3%

8 体育用品販売、レンタル 23.1%

9 その他体育サービス 6.1%

第二部 体育用品製造及び関連 33.7%

第三部 体育場設備建設 1.5%

●日本の統計は旧態依然

日本には内閣府の経済活動別GDP構成比(2018年)という資料がある。

1 農業 1.2%

2 鉱業 0.1%

3 製造業 20.8%

4 電気・ガス・水道 2.6%

5 建設業 5.7%

6 卸売・小売業 13.7%

7 運輸・郵便業 5.2%

8 宿泊・飲食業 2.5%

9 情報通信業 5.0%

10 金融・保険業 4.2%

11 不動産業 11.4%

12 専門・科学技術 7.6%

13 公務 5.0%

14 教育 3.6%

15 保健衛生・社会事業 7.2%

16 その他サービス 4.2%

となっていて直接比較可能な項目はない。中国観光業の宿泊と飲食を合わせると、全GDP比0.97%で、日本の2.5%より少ない。しかし、観光限定の飲食のため、やはり比較にならない。

●まとめ

中国の統計問題といえば、李克強指数(銀行融資、電力消費、鉄道貨物輸送量は信頼できる、と発言)が思い浮かぶ。当てにならないものと、そうでないものが混在している。

日本の統計はどうか。昨年は厚労省の不正統計問題が発覚し、まずいことは隠す、世界共通の官僚組織の本質が図らずも明らかとなった。

内閣府の統計を見ると、ここ14年GDP構成比もGDP総額もほとんど変わっていない。日本全体が氷結している。

中国は時代に合わせ、新しいシンポジウムを開催し、政策を打ち出してくる。今回の文化、観光、体育統計も、さまざまな角度から分析している。問題点を明らかにし、現在計10%に過ぎない、これらの産業を活性化させる。多角的な統計資料は、成功するかどうかはともかく、イノベーターにとって参考になる。中国はアグレッシブだ。日本は旧態依然統計を極めるつもりだろうか。

■筆者プロフィール:高野悠介
1956年生まれ、早稲田大学教育学部卒。ユニー株(現パンパシフィック)青島事務所長、上海事務所長を歴任、中国貿易の経験は四半世紀以上。現在は中国人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中国最新のB2Cビジネスと中国人家族について、ディ-プな情報を提供。

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