ノーベル文学賞がいよいよ発表、村上春樹氏の受賞なるか―中国メディア

Record China    2013年10月10日(木) 17時14分

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10日、今年のノーベル文学賞は早くてスウェーデン時間10日午後1時(日本時間午後8時)に発表される。発表の模様はノーベル賞公式サイトで生放送される。写真は中国で販売されている村上氏の著書。

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2013年10月10日、今年のノーベル文学賞は早くてスウェーデン時間10日午後1時(日本時間午後8時)に発表される。発表の模様はノーベル賞公式サイトで生放送される。英国のブックメーカー、ラドブロークスでは日本の村上春樹氏に再び人気が集まっている。村上氏は長年予想リストの前列にありながら、毎年受賞を逃しており、ノーベル賞史上「最も悲壮な候補者」と呼ぶことができる。京華時報が伝えた。

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昨年のラドブロークスのノーベル文学賞受賞者予想では、中国の莫言(モーイエン)氏と日本の村上氏がオッズの1位と2位を占め、最終的に莫氏が受賞したことでラドブロークスは大いに名声を高めた。ここ数日のラドブロークスのオッズでは村上氏が再び1番人気となっている。

著名な在日華人作家、毛丹青(マオ・ダンチン)氏は「ノーベル文学賞の発表が近づくにつれ、日本のテレビ番組では村上氏についての紹介や評論が頻繁に見られるようになっており、村上氏を応援しているような感じをやや受ける」と指摘。毛氏は中国のミニブログ・微博(ウェイボー)で「日本のテレビは中国本土と台湾の留学生の視点から村上文学を高く評価したうえで、村上氏の造語『小確幸』をキーワードとして挙げた」と書いた。

「小確幸」は「小さいけれども確かな幸せ」という意味で、村上氏の随筆で初めて使われ、翻訳者の林少華(リン・シャオホア)氏の直訳で現代中国語に取り入れられた。毛氏は以前、村上作品が海外で人気がある理由を分析した際、作品の質に加え、欧米で良い著作権代理人を持つことを挙げ、彼らが大きな役割を発揮していると指摘した。

だが、大江健三郎氏や川端康成氏と比べ、村上氏の作品は平易で分かりやすく、ノーベル賞審査委員の嗜好に合わないと考える文学評論家もいる。近年呼び声が最も高いのに、村上氏がいつも受賞を逃す理由の1つはここにあるのかもしれない。

ノーベル文学賞受賞者は以前は欧米諸国に集中していたが、近年は各地域輪番の傾向がある。2009年の受賞者はドイツのヘルタ・ミュラー氏、2010年はペルーとスペインの二重国籍のマリオ・バルガス・リョサ氏だった。

2011年には再び欧州に戻り、スウェーデンのトーマス・トランストロンメル氏が受賞。2012年は中国の莫氏が栄誉に輝いた。スウェーデン・アカデミーが2年連続で東アジアの作家にノーベル文学賞を授与する可能性は大きくなく、欧米の作家が受賞する可能性が高まったと指摘される。

米国は1993年のトニ・モリスン氏以降、すでに20年ノーベル文学賞と縁がない。今年のラドブロークスのオッズでは上位10人に米国の作家が3人入っている。ジョイス・キャロル・オーツ氏、フィリップ・ロス氏、トマス・ピンチョン氏だ。このうち最も呼び声が高いのは75歳の女性作家、オーツ氏で、すでに数度候補に挙がっている。

2011年にゲーテ賞を受賞したシリアの詩人、アドニス氏も人気候補の1人だ。現在83歳のアドニス氏は現代アラブで最も傑出した詩人、思想家であり、世界の詩壇でも高い名声を博している。詩の革新と近代化に関するアドニス氏の見解は計り知れない影響を与え、アラブ世界に大きな論争を引き起こした。

1982年から1986年までの約4年間に村上氏が『スポーツ・グラフィック・ナンバー』誌に連載した文章80篇余りを収録した大変特別な随筆集『THE SCRAP:懐かしの一九八〇年代』の中国語版が新経典文化公司から出版される。村上氏の新著『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』も近く中国語版が出版される。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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