大阪発上海行きの便、離陸後に行き先を武漢へ変更=「美しき“逆行者”」を中国ネット称賛

Record China    2020年1月30日(木) 10時10分

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28日、関西国際空港から上海浦東国際空港に向かう吉祥航空のHO1340便は、中国の領空到達後に行き先を湖北省の武漢市へと変更した。

28日、関西国際空港から上海浦東国際空港に向かった吉祥航空HO1340便が、中国の領空到達後に行き先を湖北省武漢市へと変更した。29日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で頭条新聞など複数の中国メディアが伝えた。

武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が国内外で拡大していることを受け、武漢市当局は今月23日に市内の鉄道駅や空港を閉鎖。それに伴い一部の航空会社の武漢発着便がキャンセルされ、国外に出ていた武漢市民が帰国手段を失っていた。

吉祥航空は同機の目的地を変更するに当たり、搭乗予定者のうち湖北省以外からの乗客にあらかじめ別の便を手配。そのため、同便は湖北省からの観光客のみとなり、94人の乗客全員が武漢へ戻ることを希望した。機内では「当機は武漢へと向かいます。皆さま、おかえりなさい」「今年の春節は確かに大変ですが、きっと良くなります」などとアナウンスされ、乗客らからは拍手や歓声が沸き起こった。

中国メディアは「もし湖北省からの乗客が上海から乗り換えて武漢に向かうことになっていれば、上海浦東国際空港で全員が飛行機から降り、入国手続きをしなければならなかった」と説明。「この対応は多方面からの協力や許可を得て実現したもので、通常時なら起こり得ないことだ」と強調した。同機は武漢で乗客を降ろした後、上海に戻り消毒が行われた。自ら申し出たという搭乗員ら11人は今後14日間隔離された上で、体調チェックを受けるという。

28日夜、吉祥航空の微博アカウントが「今日のHO1340便は最も美しき“逆行者”だ!」との一言と共にマスクや保護ゴーグルを装着した機長や乗組員らの集合写真を掲載すると、中国のネットユーザーからは「勇敢なクルーたちに敬礼」「これからは吉祥航空を選びます!」「最高に思いやりのある対応に感動」といった称賛の言葉が寄せられた。

他にも、「日本や中国のその他の都市の人々を守ることにもつながったね」「今や武漢人は武漢の外にいるだけで感染者扱い。武漢に戻るのが最善だった」と高評価する声が数多く上がっている。また、日本に滞在中と見られるユーザーからは「私は今、日本からの帰国便がキャンセルされてホテルから動けなくなっている状態。私たちだって他の都市の人に迷惑をかけたくない。ただ武漢に向かってくれる便さえあれば」というコメントも寄せられた。(翻訳・編集/岩谷)

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