習近平国家主席の国慶節外交、目的は対ASEAN関係の再構築―中国専門家

Record China    2013年10月8日(火) 10時30分

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7日、中国の習近平国家主席が先日インドネシア国会で行った演説「手を携えて中国・ASEAN運命共同体を建設」での言葉、「ASEAN諸国と善隣友好協力条約を締結し、善隣友好の素晴らしいビジョンを共に描きたい」は総括となった。資料写真。

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2013年10月7日、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が先日インドネシア国会で行った演説「手を携えて中国・ASEAN(東南アジア諸国連合)運命共同体を建設」での言葉、「ASEAN諸国と善隣友好協力条約を締結し、善隣友好の素晴らしいビジョンを共に描きたい」は総括となった。これは中国新指導部が未来志向で、周辺を経略するために再び打った先手の駒であり、中国・ASEAN関係を再構築するものである。(阮宗沢(ルワン・ゾンザー)・人民日報特約論説員、中国国際問題研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

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今日、中国・ASEAN関係は新たな歴史的出発点に立っており、対話と協力を通じて、共通の安全保障を追求し、地域経済統合を通じて共同発展を促し、法的文書によって双方関係を再定義し、未来を計画する必要がある。これは政治的相互信頼と実務協力の強化にプラスであり、双方関係に新局面を切り開く。

中国にとってその重点は「中国は平和的発展の道を歩み続け、ASEAN諸国との信頼と善隣を重んじ、近隣国と親しくし、近隣国をパートナーとする外交方針を堅持し、中国の発展による利益を引き続きかつ自ら周辺国と分かち合い、中国に対するASEAN諸国の懸念を解消する」「中国がASEANと盛衰を共にし、安危を共にし、同舟相救う良き隣人、良き友人、良きパートナーとなることを望んでいることを実際の行動によってはっきりと示す」との核心的考えを伝えることにある。

ASEANにとっては、ASEANの中心的地位の強化に寄与することになる。ASEANの内外政策には地域協力の「操縦士」としての地位を確保する狙いがある。ASEANは対内的には、ASEAN共同体の構築に尽力しており、対外的には地域枠組の建設を積極的にリードしている。2011年11月にASEANはASEAN中心の地域自由貿易協定を構築するため「域内包括的経済連携(RCEP)」構想を打ち出した。この実現には中国の支持が必要だ。中国は過去も現在も、そして将来も同様にASEANの発展と強大化を支持し、ASEAN共同体の構築を支持し、地域協力におけるASEANの主導的役割の発揮を支持する。

中国とASEANによる善隣友好条約締結の実現可能性はどこにあるか?中国・ASEAN関係は溝と疎遠から接触、そして戦略的パートナーシップの構築へという非凡なプロセスを経てきた。1967年に設立されたASEANを中国は1975年に正式に承認し、1991年に対話プロセスを開始。1997年に双方は善隣・相互信頼のパートナーシップを構築し、2003年に「未来・繁栄志向の戦略パートナーシップ」を構築した。中国は域外の大国として、東南アジア友好協力条約に率先して加盟した。2010年1月には中国・ASEAN自由貿易圏が全面的に完成。現在ASEANにとって中国は最大の貿易パートナー、中国にとってASEANは第3の貿易パートナーだ。

中国はASEANとの各分野の協力を強化するにあたり、多くの「初」を創造し、東アジアの制度建設における中国・ASEAN関係の支柱的役割を確立し、双方に恩恵をもたらし、四方を先導してきたことが分かる。中国は再び率先して善隣友好協力条約の締結という大胆な提案を行った。これは、より緊密な中国・ASEAN運命共同体を構築し、21世紀の「海のシルクロード」を共同建設することを目指すものだ。

全般的にみて現在の東アジア地域情勢の基本は平和、安定、発展、協力であり、すでに各国は利益が融合し、安危を共にする運命共同体となっているが、試練や妨害要素も少なからず存在する。ASEANのごく一部の加盟国は私利のために遠交近攻に走り、南シナ海で波風を立てているが、これは他国を損ない、自国にもマイナスな行為だ。そして一部の域外勢力も「こらえきれずに」南シナ海に首を突っ込み、離間を煽っている。現在、世界経済の回復は依然不透明であり、東アジア経済が力強い成長を実現するには中国とASEANのより緊密な協力が必須だ。

ことわざにいわく「良い垣根があって初めて良き隣人がある」。中国とASEANには心を一つにして協力を拡大し、妨害を排除し、溝を適切に処理し、善隣友好協力条約の締結に向けて積極的に環境を整える責任がある。このプロセスは困難で曲折に満ちたものだが、長期的に見れば、双方関係を適切な法的枠組の下に置くことができれば、中国・ASEAN関係の実質的な格上げとなる。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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