軍事費負担をめぐる言い争いで傷つく日米韓同盟―中国メディア

人民網日本語版    2020年1月23日(木) 7時20分

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米韓は現地時間14~15日、第11次防衛費分担金特別協定の締結に向けた第6回協議を行ったが、失敗に終わった。写真は沖縄の米空軍基地。

米韓は現地時間14~15日、第11次防衛費分担金特別協定(SMA)の締結に向けた第6回協議を行ったが、失敗に終わった。分担額の大幅な増加を要求する米国に対して、韓国は現行の協定枠組みの維持を主張し、交渉は再び行き詰まった。人民日報海外版が伝えた。

ニューヨーク・タイムズによると、トランプ氏は先日、在日米軍駐留経費の負担増を日本に促した。日米防衛費交渉は今年夏に本格的に実施されるかもしれない。

防衛費増額という米国からの重圧を前に、日米韓の軍事同盟は厳しい試練にさらされている。

■負担増額要求で困難を共にする日韓

米韓の第10次SMAはすでに昨年末終了した。第11次SMA締結のため双方は昨年5回協議を行ったが、具体的成果は得ていない。交渉は年をまたいだが、防衛費分担額など重要な問題でまだ双方は一致していない。

ブルームバーグによると、トランプ氏は現在の年間約10億ドルの5倍以上となる50億ドルの防衛費分担を今年韓国に要求している。韓国政府はトランプ政権の期待額をはるかに下回る30%の分担額引き上げを審議している。

韓国・聯合ニュースによると、韓国側の鄭恩甫(チョン・ウンボ)交渉代表は「米韓同盟への韓国の貢献は合理的に評価されるべきだ」と述べた。

米韓協議終了の翌日、米国のポンペオ国務長官とエスパー国防長官はウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿「韓国は同盟国であり、扶養家族ではない」で、韓国が現在負担しているのは在韓米軍の直接費用の3分の1に過ぎないと指摘し、「韓国は国防のためにもっと貢献することができるし、そうすべきだ」と主張した。

日本国内も米韓協議の進展に細心の注意を払っている。米国務省高官が15日、防衛費分担問題について今年日本と議論するだろうと述べたことについて、菅義偉官房長官は「日本の分担額は他国と比べてすでに比較的高い水準にある」とした。

■米国の圧力に距離を置く同盟国

韓国外務省は「米韓双方はSMAの空白期間をできる限り短くすべく、緊密に協議することを決定した。第7回協議は今月末に行われる見通しだ」と述べた。

「実際には韓国は引き延ばし戦略を続ける可能性が高い」。遼寧大学国際関係学部准教授、チャハル学会研究員の李家成(リー・ジアチョン)氏は「5倍の分担額をひとたび引き受ければ、韓国は自らを非常に不利な状況に置くことになる。防衛費の問題で米韓間にドミノ効果が形成され、米国は今後値段を吊り上げ続けるかもしれない」と指摘する。

NHKによると、日本は軍艦と哨戒機を中東に派遣する。ロイター通信によると、安倍氏は先日、中東地域への自衛隊派遣を継続する考えを重ねて表明した。李氏は「これは日本にとって米側に良い顔を見せるパフォーマンスだろう。一方韓国が協議で中東への出兵についてあいまいな姿勢なのも、一種のメッセージと理解できる」「だがトランプ氏の政治的性格から見て、このように良い顔を見せても効果があるとは限らない」と指摘する。

米国からの重圧を前にした韓国の対応戦略は、日本の今年の交渉にとって一定の「参考」となるだろう。だが李氏は「日韓両国は軍事的欠陥が明らかであり、ひとたび米国の支援を失えば、極めて大きく軍事力を削がれる。米国は両国への軍駐留の終了という『必殺技』を依然握っており、交渉で強い立場にある。日韓としては比較的ダメージの軽い方を選ばざるを得ず、最終的に米国の圧力に屈する可能性の方が高い」と指摘する。

「米国は一貫していわゆる『東アジア版NATO』を構築すべく尽力しているが、防衛費の増額に代表される米国の横暴な重圧の下では、同盟国間の亀裂が深まるのは避けがたく、日米韓同盟の結束はさらに緩む」と李氏。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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