故宮が「荷包口紅」を発売 中国の化粧品ブランドが台頭中?

人民網日本語版    2020年1月21日(火) 18時20分

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故宮博物院文化創意館がこのほど、2020年の新商品として「荷包口紅」を発売した。

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故宮博物院文化創意館がこのほど、2020年の新商品として「荷包口紅」を発売した。全6色で、そのパッケージデザインは、同博物院が所蔵している「荷包」と呼ばれる小袋をモチーフにしている。この新発売の口紅は文化創意館の微信(WeChat)ミニプログラムで予約でき、価格は1本199元(1元は約16円)となっている。中国新聞網が報じた。

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レトロ感ただようデザインの化粧品が人気に

故宮は、自主ブランドとして化粧品を販売しているほか、化粧品ブランドの毛戈平(MGPIN)やM・A・Cとコラボして化粧品を打ち出してきた。

「このパッケージを見ると、紫禁城の宮殿の華やかな建物をイメージできる」というのは、多くの人がM・A・Cが故宮とコラボして数量限定で発売した「中国龍紋口紅」を購入した理由だ。毛戈平が故宮とコラボして打ち出した文化クリエイティブ化粧品シリーズ「気蘊東方」の一つで、躍動する龍が表面にデザインされているシルクパウダー・ファンデーションを見て、多くの女性が「家宝にできるくらいの一品。使うのはもったいない」との声を上げている。

レトロな美しいデザインで人気となっている化粧品は、故宮だけではない。

2017年に浙江省杭州で誕生したコスメメーカー「花西子」は、「華やかな東洋のコスメ」というコンセプトを貫いている。会社名に含まれる「西子」は、詩人・蘇軾(ソショク)の詩の一節「西湖を西子(西施)に譬えるならば、淡い化粧、濃い化粧、いづれもよく似合う」から取られている。そのパッケージや商品の名前にも、中国の伝統文化が盛り込まれている。例えば、アイシャドウパレットのカラーネームには、「金陵栖霞盤」や「蓬莱紫光盤」といった具合だ。

「美康粉黛」も、レトロ系の中国コスメメーカーで、老舗ブランド「謝馥春」と比べると、中国のレトロな要素をふんだんに採用している。例えば、カラーネームには、あずきピンクに「紅豆南国」やオレンジは「橘子洲頭」、ワインレッドは「燭影揺紅」といったように、詩に出てくる言葉が採用されている。

近年、完美日記や橘■(■は几の下に木)、美康粉黛、瑪麗黛佳など、中国の化粧品ブランドが、次第に注目を集めるようになっている。広東省湛江市の大学に通う王さんは、「中国の化粧品なら、試しに使ってみて、気に入らないことが分かっても低コストですむ。でも、有名ブランドならアイシャドウ4色だけでも何百元もする。使ってみて気に入らなかったら、ショック以外のなにものでもない」と話す。

2019年のダブル11(11月11日のネット通販イベント)の際、ショッピングサイト・天猫の化粧品の取引額は開始からわずか84分で、2018年の1日の取引額を超えてしまった。そして、以前は、海外のブランドの「独壇場」だったのに対して、2019年は中国の化粧品ブランドの台頭が特に際立った。例えば、開始からわずか10分で、百雀羚の取引額は1億元を超え、完美日記は13分で取引額が1億元を超えた。また、同日1時の時点で、天猫において取引額が1億元を超えたブランドは84に達した。うち、化粧品ブランドが11席を占め、中国の化粧品ブランドが4社入っていた。

そして最終的な化粧品ブランドランキングトップ10には中国から自然堂、百雀羚、完美日記、薇諾娜がランク入りした。

中国の化粧品ブランドは本当に台頭しているのか?

すでにヒットし、勢いに乗っているものの、中国の化粧品ブランドに対しては、「雷の音は大きいけど、雨の量が少ない」という懸念の声も上がっている。

中国の化粧品業界は、OEM生産から、自主ブランドスタイルへの発展を経験してきた。以前、外資系企業が中国に工場を設置し、中国のOEM企業の急速な発展を促進していた。しかし、リサーチ会社・高臨咨詢(ThirdBridge)によると、中国のリーディングブランドは自社工場を持っているものの、ほとんどの中国化粧品ブランドはOEMメーカーに委託するスタイルを採用している。

高臨咨詢は「研究開発を強化し、自社ブランドの競争力を身に着けなければ、競争には勝てない。今後しばらくの間、ブームに乗っているだけのブランドは淘汰され、オリジナルアイデアやコア競争力を有するブランドだけが残って、市場で本当の意味でのリーディングブランドとなるだろう」と分析している。(編集KN)

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