中国の若者の平均返済負担率41.75%、お金の行方は?―中国メディア

人民網日本語版    2020年1月15日(水) 23時50分

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ニールセンがこのほど発表した「中国の若者の負債状況報告」によると、若者の86.6%がクレジット商品を利用しており、若者の平均返済負担率は41.75%に達していた。資料写真。

中国の90後(1990年代生まれ)や00後(2000年以降生まれ)が総人口に占める割合は現在、24%に達しており、それら若者が今後5年から10年にわたって中国、ひいては世界の消費を主導することになる。情報・調査会社のニールセンがこのほど発表した「中国の若者の負債状況報告」によると、若者の86.6%がクレジット商品を利用しており、平均返済負担率は41.75%に達していた。また、負債が「ゼロ」の若者は13.4%にとどまった。中国青年報が伝えた。

では、「負翁(負債を抱えている人)」、または「月光族(毎月の給料をその月にすべて使い果たす人)」の若者は一体何にお金を使っているのだろうか?

■生活、負債返済、子育て

大学を卒業して1年になり、北京で就職している張遠(ジャン・ユエン)さんにとって、普段は現金で支払うことはほとんどなく、クレジットカードや支付宝(アリペイ)のクレジットサービス・花唄、京東のクレジットサービス・白条による消費が月收の99%以上を占めている。

「僕は典型的な『月光族』。毎月受け取る給料のほとんどを前月のクレジット返済に使っている。お金のほとんどは生活費に使っており、家賃が給料の半分を占めている。他の人は子供を養っているけど、僕は自分を養っている!」と話した。張さんの携帯の家計簿を見せてもらうと、現時点で、今月の飲食や服飾・美容に使ったお金が約1000元(約1万6000円)になっていた。

「中国の若者の負債状況報告」によると、若者は主に、オンラインローンやクレジットカード、オンラインの小口金融などのクレジットサービスを、「生活費」と「生活の質向上」、「レジャー・娯楽」のために使っている。

深センに暮らす陳さん(男性)は就職してすでに5年になり、現在建設中のマンションの1室(90平方メートル)を購入した時のローンが最も大きな負債となっている。「月収の4分の1はローンの返済に充て、約2000元(約3万2000円)の家賃も払わなければならないので負担が大きい。でも、たいへんだけど、楽しみでもある」と話した。

2019年10月から英語の教師をしている李洋洋(リー・ヤンヤン)さんは、「結婚後、子供が生まれてからの一番の変化は、自分に使うお金が減り、子供のために使うお金が増えたこと。以前は4000~5000元(約6万4000~8万円)の給料のうち、残るのは1000元(約1万6000円)くらいで、他は全て友人と食事に行ったり、自分の服やスキンケア商品を買うのに使っていた。でも今は、子供のオムツや粉ミルク、ベビーカーなどの購入に使い、それらが給料に占める割合が70%ぐらいになっている」と話す。

■約半数に支払い遅延なし

李さんは、「負債の返済が遅れたことは一回もない。利用明細を見て、自動で引き落とされるのを待つのではなく、繰り上げ返済することもある」と話す。

「中国の若者の負債状況報告」によると、若者の86.6%はクレジット商品を利用しているものの、約半数に支払い遅延は見られず、42.1%は消費者金融を使って期限内に返済を済ませている。その種の若者を負債を抱えている人のグループから除くと、実質的に負債を抱えている若者は44.5%まで減ることになる。

消費者金融は機能が独特で、ほとんどの若者がそれを「決済ツール」と見なし、ほとんどが期限内に返済を済ませているため、利子などは発生していない。「決済ツール」として利用されている金額を債務から除くと、若者の平均返済負担率は41.75%から12.52%にまで低下することになる。

「キャッシュレス消費」をしているとする張さんは、「全ての消費者金融は決済ツールに過ぎず、オンラインで買い物をする時は、花唄やクレジットカードを使い、オフライン体験で買い物をする時は、支付宝、微信(WeChat)を使っているので、とても便利。現金は全く持ち歩かない」と話す。そして、現金を持ち歩いていないため、「出かける時は必ずモバイルバッテリーを持っている。それがないと、出かけることはない。携帯の電池が常にある状態でないと、安心できない」とする。

■90後の多くが資金運用の習慣あり

騰訊理財通がこのほど発表した「90後の資金運用と消費報告」によると、90後の98.4%が、「暮らしにストレスを感じている」と感じており、その主な理由は、「住宅」や「自動車」関連の出費となっている。また、90後の給料以外の主な收入源は、「投資・資金運用による收益」となっており、90後の多くに資金運用の習慣があり、その習慣がある90後ほど、幸福感が強かった。

マイホームを購入したものの、まだ建設中であるため、賃貸物件に住んでいる陳さんは、「ローンも返済しなければならず、家賃も払わなければならないものの、マイホームの購入は理性的な投資だと思っている。ローン返済はある意味貯金をしているようなもので、それがないと、他のことにお金を使って残らない。それに、ローン返済に住宅積立金も使えるので、アプリを使って個人所得税の申請をすると、毎月数百元節約できる。自分が住む家のローン返済なので、そのような負担はパワーに変えることができる」と話した。

報告の資金運用を見ると、90後のほとんどが、2019年の資金運用で利益を出している。大学を卒業して2年になる安徽省馬鞍山出身の王さんは、「所有している株の2019年の收益率は20%と、株価指数の上昇幅とほぼ同じだった。若者は一定の範囲で投資や資金運用をしたほうがいいと思っている。私の周りのほとんどの若者が資金運用をしている」と話す。

中国新経済研究院が支付宝と共同で発表した「90後の貯金報告」によると、90後が資金運用を始める年齢は平均23歳で、その親の世代よりも10年早くなっている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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