文在寅政権、人事異動で政権捜査した検察幹部を大幅刷新、「大虐殺」と韓国紙

Record China    2020年1月18日(土) 13時40分

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「検察改革」を掲げる文在寅政権が検察当局に大攻勢をかけ、検察幹部人事を断行した。政権を捜査していた幹部は総入れ替えとなり、韓国各紙は「大虐殺」などと報じた。写真は韓国ソウル。

「検察改革」を掲げる文在寅政権が尹錫悦検事総長の率いる検察当局に大攻勢をかけている。文大統領に近い秋美愛法相は検察幹部人事を断行。政権にメスを入れるチョ・グク前法相らの捜査に携わっていた検察幹部は総入れ替えとなり、韓国各紙は「大虐殺」などと報じた。

チョ氏に代わって法相に就任した秋氏は政権与党「共に民主党」の前代表。今月2日の就任式で秋氏は「検察の改革は誰も逆らえない時代的要求となった」として、「歴史的な改革の完遂のため、格別の態度で臨まなければならない」と強調した。

8日付の人事について、朝鮮日報は「青瓦台(大統領府)の蔚山市長選挙介入疑惑などを捜査してきた尹検察総長の参謀陣を『完全解体』するに等しい検事長級人事異動を強行した。今回の異動によって、これまで青瓦台と与党勢力に対する捜査を担当してきた検察の指揮系統の幹部らは大半がソウルと地方にばらばらに分散した」と報道。「法曹界と検察内部からはウォーターゲート事件を捜査していた特別検察官を解任したニクソン元米大統領による『土曜日の夜の虐殺』を連想させる明らかな捜査妨害であり、報復人事だとする批判が出ている」と伝えた。

ハンギョレ新聞も「政権を狙った捜査を指揮してきた最高検察庁の幹部らを『左遷』したという見方が出ている」と指摘。「今回の人事で現在検察が進めている現政権・与党関連の捜査が影響を受ける可能性があるという予想が出ている。チョ前法相一家の捜査、下命捜査疑惑など、大統領府を相手に強力な捜査を指揮した幹部に対して左遷性の人事を多く出したためだ」と説明した。

中央日報は「暴圧的検察人事惨事…正義が虐殺された」との社説で「尹検事総長を補佐した最高検察庁参謀陣を総入れ替えしたのは検察大虐殺と変わらない人事と評価できる。これでもこの政権が果たして公正と正義を語れるのか疑わしい」と文政権を非難。「今回の人事は検察改革というよりは検察手なずけにすぎないものと解釈できるためだ。尹検事総長を無力化させて権力層への捜査を遮断しようとする政治的下心があるという疑惑を買うのに十分だ」と語気を強めた。

秋法相は13日にも検察職制改編案を発表。全国の検察庁の反腐敗捜査部6カ所のうち2カ所、公共捜査部13カ所のうち5カ所、外事部3カ所のうち1カ所、各分野専門捜査部13カ所のうち5カ所の計13カ所がなくなり、刑事・公判部となる。朝鮮日報は各種捜査を指揮してきた主要検察幹部らが「報復人事」でいなくなったのに続き、捜査部門まで多数廃止されることから、「現政権が検察の腐敗犯罪捜査機能を完全に取り除こうとしていると懸念する声が上がっている」と言及した。(編集/日向)

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