中国のネット流行語トップ10に「断捨離」、物を捨てるとすっきりするのはなぜ?―中国メディア

人民網日本語版    2019年12月13日(金) 13時0分

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中国国家語言資源モニタリング・研究センターはこのほど、北京で「2019年度ネット流行語トップ10」を発表し、「断捨離」がランクインした。写真は中国。

中国国家語言資源モニタリング・研究センターはこのほど、北京で「2019年度ネット流行語トップ10」を発表し、「断捨離」がランクインした。中国には、「家や物は壊れてしまっても、愛着があって捨てられない」という言葉があるものの、今や「断捨離」がオシャレなライフスタイルとして話題になっている。この180度異なる価値観の背後には、中国の人々の生活水準が向上して物があふれ、多くの人にとって「贅沢な負担」となっていることを示している。そして「断捨離」という理念が生まれ、非常にシンプルなライフスタイルが多くの人のあこがれとなっている。科技日報が伝えた。

「断捨離」とは?

「断捨離」という概念の流行は、日本のクラター・コンサルタントのやましたひでこの著書「断捨離」から始まっている。やましたひでこは、ヨガの行法哲学に着想を得て、自分と物との関係から仕事や人間関係までにも「断捨離」を実践する道をまとめた。

やましたひでこによると、「断捨離」とは、不要なものを断ち、捨てることで、物への執着から離れ、身軽で快適な生活と人生を手に入れることだ。ここでいう「不要なもの」とは、家にずっとあるいらない物や、負担となっている人間関係、物事を指す。例えば、タンスに眠っている服や古い電子機器、使っていない瓶やボトル、維持するのにとても気を使うだけの人間関係などだ。

断捨離の手順は、入ってくるいらない物を「断」ち、家にずっとあるいらない物を「捨」て、物への執着から「離」れ、本当に必要なものだけ残すというもの。

「断捨離」を実行すると気分がすっきりするのはなぜ?

米国で主流の現代心理学である「行動主義心理学」は、外部から観察し観測できるすべての行動は、人の内面の世界を反映していると主張している。つまり、一人の人の行動を観察すれば、その人の心の状態や心的過程を判断できるということだ。例えば、ある人の部屋がぐちゃぐちゃであるとすれば、その人の心も乱れており、物が捨てられない人は、物が不足することへの恐れや不安を反映しているといった具合だ。

「断捨離」は難しいという人もたくさんおり、その理由は、「もったいなくて捨てられない物がたくさんある」、「いらないと分かっていても、つい買ってしまう」、「部屋を片付けても、片付けても、すっきりしない」、「掃除をして2日もしないうちにまたちらかってしまう」などさまざまだ。しかし、それは、自分の心の状態についてじっくり考えてみる良い機会と言えるだろう。外部から観察できる生活において「断捨離」が実行できない人は、心の中にも「断捨離」ができないものがたくさんあるのかもしれない。例えば、ある人、ある種の欲望、ある種のコンプレックスなどだ。

行動主義という観点から考えると、心の中の世界と外部から観察できる行動には密接な関係があり、心の状態を調整することで、行動を調整することができ、さらに行動を調整することで、心の状態を調整することもできる。不必要な物を捨てることで、実際に心の整理をすることもできるのだ。「思いっきり買いまくりたい」という衝動を抑えることで、自分の欲望を管理していることになる。部屋がすっきりすると、心もすっきりするものだ。外部から観察できる生活において「断捨離」を実行するというのは、心の中でも「断捨離」を実行することにつながるのだ。

「断捨離」というのは、「少なくても、もっと質の高い」ライフスタイルの提唱で、自分にふさわしく、有用なものを、理性的に選ぶようにと勧めている。

「これは自分にとって有用だろうか?」、「私にふさわしいだろうか?」、「これがほしいのは、必要だから?それとも不安だから?」などと自問する時、理性的に物事を決定する能力が向上する。「断捨離」は、自分は何が好きで、何が必要で、自分は一体どんな価値観を抱いているのかを理解するよう助けてくれる。自分を理解すればするほど、自分にとって最も益があるのは何かを考えて決定することができるようになり、その決定はより大きな喜びや満足をもたらすようになるだろう。

不必要なことに戸惑わされることがなくなれば、不安や恐れ、競争心など非理性的な感情に支配されることもなくなる。そのため、「断捨離」は単なるライフスタイルではなく、生活の知恵でもある。

今年のネット流行語である「断捨離」は、欲望を抑え、シンプルな生活に戻りたいという人々の強い願いを反映している。シンプルな生活を送るよう努め、「断捨離」を実行し、自分について理解し、自分の気持ちを整理して、自分の生活をうまくコントロールしよう。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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