中国人は東京五輪の成功を望む―中国紙社説

Record China    2013年9月9日(月) 18時30分

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9日、2020年夏季五輪招致レースで東京が最終的に勝利した。6億ドル余りの招致予算が、合計4億ドル足らずだったマドリードとイスタンブールの抵抗を圧倒した。写真は靖国神社。

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2013年9月9日、環球時報は「中国人は東京五輪の成功を望む」とする社説を掲載した。

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2020年夏季五輪招致レースで東京が最終的に勝利した。6億ドル(約596億円)余りの招致予算が、合計4億ドル(約398億円)足らずだったマドリードとイスタンブールの抵抗を圧倒したのだ。現在、日中関係は40年余りの歴史で最もひどい状況にあるが、それでもわれわれはここに日本人への祝意を表すとともに、彼らが今後7年間で順調に準備を進め、五輪を成功させることを祈りたい。

五輪招致成功は日本にとって深い政治的意義を持つとの認識でアナリストは一致する。日本社会の自信を取り戻し、国民の士気を奮い立たせ、第2の経済的飛躍への希望をもたらすことができる。五輪によって日本社会の心理が真に転換されるのなら、われわれはその成功を望む。周知のように、日本経済はすでに20年余り低迷を続け、その間に中国が台頭したことで、日本社会は没落感を一層深めた。日本政治の右傾化は自信喪失の蔓延と深いつながりがある。日本の対中強硬・挑発姿勢は、その当惑と意気消沈が歪んだ極端な形で表れたものであり、劣勢意識さらには恐れを無意識に隠しごまかすものなのである。

五輪は日本社会に久しくなかった空前の楽観的ムードをもたらしうる。これは北東アジア全体にとって良いことだ。21世紀に入り日本は歴史問題、海洋領土問題で北東アジアの四方に敵をつくり、挑発をしている。五輪は日本にとって自制への圧力となりうるし、日本社会の注意を一部そらすことは確実だ。今後7年間日本はおそらく少し温和になり、それほど居丈高でなくなるだろう。

だが、次の点を指摘しておかなければならない。日本の第2次大戦の歴史に対する認識と省察は世界的基準から見て全くなっていない。日本政府が今後数年間に靖国神社問題で再びごたごた動いた場合、中韓は五輪への国際世論の特殊な関心を利用して、第2次大戦の歴史を扱う際の日本の頑固さと増長ぶりを全世界に見せ、第2次大戦の戦犯に政府が頭を下げる国が、平和を発揚する五輪を開催するのに一体適しているのだろうかと世界中の人々に問うことができるのである。

尖閣問題における日本の過激な姿勢は周辺海域における法執行部隊の対峙を直接的に招き、両国の潜在的な軍事力間の緊張ももたらした。常識的に考えて、日本は五輪開催まで中国との軍事摩擦を回避し、東シナ海の平和と安定を維持する必要がある。もし日本の全ての行動が正常な五輪開催国にふさわしいものであるなら、東アジアにとって良いことだ。

われわれは日本が中国と良い競争を行うことを強く望んでいる。もし日本が「第2の台頭」を果たせれば、東アジア地域の経済全体に新たな活性化をもたらし、国家間の協力を刺激するだけであり、中国への脅威にはならない。中国からすると、日本の強大化は自然の上限があるため、恐れるに足らない。ただ、日本が他国の強大化への嫉妬や恐れのために無茶をしでかすことを恐れるのである。

日本での五輪開催は中国人にとって、地理的なメリットもある。テレビ中継を見るにも時差はほとんどないし、現地に観戦に行くにも都合がいい。東京が五輪招致に成功したとのニュースを最初に聞いた時、多くの中国人はこうした利点から、東京が他の都市に負けることを望む感情をほぐした。

中国が五輪招致に成功した際、日本の政府と多くの友好組織は祝賀と支持を表明した。当時、日中関係は現在よりもずっと良かった。一方、日本右翼組織が中国を妨害し、北京五輪の聖火リレーは日本でもトラブルをこうむった。東京の招致成功は最も対立した日中関係にでくわしている。今後数年間、日本社会は東京五輪成功を支持する中国人の度量の大きさと泰然さを見ることになるとわれわれは信じている。

日本自身は分別をわきまえ、際限なくいざこざや騒ぎを起こさないようにする必要がある。そうすれば日本社会は積極的な向上の7年を迎え、東アジアは比較的安定した7年を迎えるだろう。これは中国人が非常に望んでいることだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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