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運10からC919へ、大空の夢を一歩一歩実現する中国産大型旅客機―中国メディア

配信日時:2019年12月10日(火) 0時20分
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2017年5月5日、中国国産大型旅客機「C919」の第1号機が上海浦東国際空港から大空へ飛び立った。9年に及ぶ研究開発、数えきれないぐらい行われたテストと技術面の調整の後、大空を飛び回る大型旅客機の中に中国国産機が仲間入りを果たした。写真はC919。

2017年5月5日午後2時、中国国産大型旅客機「C919」の第1号機が上海浦東国際空港の第4滑走路から大空へ飛び立った。9年に及ぶ研究開発、数えきれないぐらい行われたテストと技術面の調整の後、大空を飛び回る大型旅客機の中に中国国産機が仲間入りを果たし、中国は世界でもごく少数の大型旅客機を開発製造できる国の一つになった。人民日報海外版が伝えた。

それから2年あまりがたった。C919は耐空証明書をいつ取得するのか、中国人はいつ国産大型旅客に乗ることができるのか。中国商用飛機有限責任公司をこのほど現地で取材した。

運10:イノベーションの遺伝子を残した、国産機商用化の試み

同公司傘下の上海飛機製造有限公司の浦東基地を訪れると、白いボディーに青いラインを塗装した大型旅客機が工業パークの芝生の上でひっそりと深い眠りについていた。尾翼には鮮やかな赤色の国旗が描かれている。この世界で唯一無二の大型旅客機は、30数年前には中国の大空を飛び回り、「運10」と呼ばれていた。

1970年8月、周恩来総理の承認を受けて、国は上海市で輸送機を試験的に製造することに同意し、当時の航空工業部が一括して任務を請け負うことになった。任務は「708プロジェクト」と名付けられ、機種コードは「運10」になった。統計によれば、当時、全国21省・自治区・直轄市の工場、科学研究機関、大学など約300カ所が研究製造プロジェクトに参加したという。

80年9月26日、運10は上海で初飛行に成功した。その後、中国の東西南北の空を翔け回り、北京、ハルビン、ウルムチ、広州、昆明、成都、合肥、鄭州など10都市に就航し、1回の飛行時間は最長で4時間39分に達し、3時間42分にわたって高度3600メートルを航行する科学研究テストを遂行し、性能も使用に際しての特性も完全に設計要求を満たした。7回にわたりヒマラヤ山脈を越えてチベット自治区まで行き、緊急救援物資40トンあまりを届けた。

運10プロジェクトはさまざまな理由で、商用化には至らなかったが、「独立自主、大きな力で協同、無私の貢献、絶え間ないイノベーション」という運10の精神は大型航空機に関わる次の世代の人々へと受け継がれていった。

00年2月、国は国産民用航空機の製造を支持し、リージョナル(支線)航空輸送の発展を加速させると決定した。02年6月には、国家発展計画委員会がリージョナル機の新プロジェクト立ち上げを正式に認可。その成果は今、中国の青空を飛び回る新型リージョナルジェット機「ARJ21」として見ることができる。ARJ21は「Advanced Regional Jet for 21st Century」の略で、21世紀の先進的なジェットリージョナル旅客機を意味する。「ARJ21-717」は基本型で、中国で初めて国際的に通用する航空機の耐空性管理条例を厳格に踏まえて研究開発と製造が行われたリージョナルジェット旅客機だ。

ARJ21:第21号機を引き渡し、民用機産業の貴重な経験を蓄積

少し前の11月29日、商用飛機公司はARJ21-700の第21号機を顧客に引き渡しした。民用旅客機とそれ以外の航空機との違いについて、上海飛機公司ARJ21事業部の葉超副部長は、「ジェットリージョナル旅客機を独自に研究開発するには、設計、試作、テスト、テスト飛行、許可証取得、製造の過程をたどるだけでは完全ではなく、真の商用化を果たすために、市場の試練を潜り抜けなければならない。航空会社の要求を満たせず、コストパフォーマンスが低く、また操縦士、乗務員、乗客の飛行体験がよいものにならなければ、航空機の使命を完全に果たしたことにはならない」と指摘した。

ARJ21-700は設計、研究開発の過程で、座席数、快適性、中国西部地域の航空市場のニーズが十分に考慮された。ARJ21-700の客室(キャビン)は同タイプの他の機体に比べてより天井が高く広々としており、天井高は2メートル以上あり、ナローボディー機と同等の快適性を実現した。貨物室の天井高も1メートル近くあり、旅客の荷物をより多く運ぶことができる。経済性はさらに突出し、エンジンの燃料消費量は少ない。西部地域の複雑な地理的環境に適応するため、設計時には離陸性能と上昇性能が特に重視され、短時間に短距離で離陸できるように設計され、西部の路線と空港に適応する上で強い優位性を備えることになった。

16年6月、ARJ21-700の商用化運営が始まって以来、機体製造過程の最適化・改良作業がほぼ毎日行われている。葉氏は、「たとえば操縦士にかかる負荷を引き下げるために操作の大幅な改善が行われた。機内の騒音を軽減するために通常の防音コットン素材を金属製の減衰層とゴム製の防音材に替えた。空調の吹き出し口の気流音を低下させるため消音装置を設置した、などだ。また乗務員と整備士を対象にしたさまざまな最適化も行われた」と説明した。

リージョナル機ARJ21の研究開発は、中国民用機産業の発展のための貴重な経験を蓄積した。ジェットリージョナル旅客機の設計、試作、テスト、テスト飛行、許可証取得、製造、引き渡し、運営の全プロセスを達成した後、中国はジェットリージョナル旅客機の開発能力と耐空性審査能力を備えるようになり、大型旅客機プロジェクトの未来に対する人々の信頼感はさらに高まっていった。

C919:各種試験が同時進行、難関を攻略し「許可証取得」に向けて準備

中国商飛上海飛機設計研究院航空機電気システム総合実験室では、研究者が緊張した面持ちで忙しそうに動き回り、ずらりと並んだコンピューターはアクセスランプが点滅し続け、ディスプレーにはプログラムコードが現れては消えていった。ここでは今まさにC919のテスト検証作業が行われているところだ。

大型旅客機C919はすでに空を飛んでいるではないか。研究者たちは何をそんなに忙しそうにしているのか。

同研究院民用航空機モニタリング飛行国家重点実験室の李濤(リー・タオ)建設リーダーは、「私たちは今、C919の耐空証明書取得に向けた取り組みを進めており、まさに『試されている』。現在、実験室内のテストはここで行われており、そのほかに地上で行われる機体のテスト、テスト飛行、エミュレーターのテスト、サプライヤーの製品鑑定テストなどがある。2017年にC919旅客機の研究開発とテスト飛行は成功を収めたが、このほかに数段階のテスト・テスト飛行と耐空性証明書の取得が必要であり、すべて終わらなければ航空会社への引き渡しは行えない」と説明した。

C919第105号機の機長を務める南国鵬(ナン・グオポン)さんは、「地上での機体テストとテスト飛行が効率よく行われるよう保証するため、今年10月には第105号機が完成して初テスト飛行が行われ、今後のテスト飛行に投入される機体は6機になる見込みだ。テスト飛行に関わる複数の作業が今、同時進行で行われている」と説明した。

大型旅客機C919は引き渡しされ就航する前に、3つの証明書・許可証を取得しなければならない。型式証明(TC)は航空機の設計が安全を保障し耐空性を備えるものであることを示す。生産許可証(PC)は航空機の製造システムが要求に合致し、大規模な生産を可能にするものであることを示す。機体ごとの耐空証明(AC)はその機体が安全で運航可能な状態にあることを証明し、自動車の「車検証」に相当する。取得には2-3年かかる見込みで、順調にいけば、そう遠くない将来、中国人は自分たちで設計・製造した国産大型旅客機に乗って大空を飛べるようになる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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