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<コラム>中国の危険廃棄物処理産業の現状

配信日時:2020年9月22日(火) 16時30分
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2019年、中国の危険廃棄物処理産業への集中度は11.5%に達し、前年比で59.7%増加した。急成長段階を経て、業界は集中力を高め競争段階に入っている。資料写真。

現状:

2019年、中国の危険廃棄物処理産業への集中度は11.5%に達し、前年比で59.7%増加した。急成長段階を経て、業界は集中力を高め競争段階に入っている。

今後2~3年内で市場は危険廃棄物処理と利用能力の集中的なリリースの到来を告げるかも知れない。プロジェクト投資、承認、建設サイクルによれば、2015年から2017年で建設された多数のプロジェクトは、2019年から2〜3年内で陸続と生産に入るが、危険廃棄物の全体処理能力が不十分であるという矛盾と地域の構造的処理能力の不均衡がある程度緩和されるかは未知数だ。

危険廃棄物の発生源をめぐる競争が激化しそうだ。今年に入り山東、江蘇、浙江など処理価格が高い地域では、高い処理価格を維持することが困難だ。こうした背景から業界の投資は冷え込み、危険廃棄物の発生源をめぐる競争は激化しそうだ。新規プロジェクトの技術と管理レベルの全体的な引き上げにより、現有の老朽化した設備や技術、不規則な管理、不適切な規模の運営企業に対しより大きな競争圧力が生じるだろう。

1.危険廃棄物処理産業

発生量増加は低下傾向にある。2016年の全国工業危険廃棄物発生量の増加率は34.5%、2017年では29.7%、2018年には21.1%(2018年の工業危険廃棄物発生量8400万トンは市場予測データによる)であり、増加率は年々減少している。(データソース:中国環境統計年鑑)

2012年~2018年中国の工業危険廃棄物発生量

引用資料:中国環境統計年鑑及び公開されたデータより編集

施設利用負荷率は26.4%と低水準で推移している。2018年、全国危険廃棄物経営企業・機関の承認された収集と利用及び処分能力は前年比で24.9%増だったが、実際の収集と利用及び処分能力は19.2%増であった。実際の収集と利用及び処分能力は、承認された収集と利用及び処分能力よりも低増であった。 (データソース:生態環境部)

2006年~2018年 中国の工業危険廃棄物処理能力

引用資料:生態環境部公開データ資料より編集

稼働率が低く、効果的な供給が不足している。一部企業は危険廃棄物処理経営ライセンスを持っているものの、経営実務能力を持っていない。考えられる理由には、処理プロセスが錯綜していることや、承認済み処理プロセスと地域のミスマッチングにより、危険廃棄物処理にギャップが生じる。プロジェクト環境評価で建設期間が長いため、未だに建設中のプロジェクトがある。またプロセス技術が基準を満たしていない。承認された規模で危険廃棄物発生を超えるが、設備活用不十分なため、危険廃棄物処理には依然として大きなギャップがある。許認可と受入容量の不一致問題は深刻だ。

長期的には、徐々に買い手市場に入っている。危険廃棄物処理経営企業は拡張型の大規模競争からコンテンツの品質向上競争に移行しており、企業の発展方向は淘汰の時代を迎え、技術・管理レベルの低い企業は淘汰される。

2.医療廃棄物処理産業

新型コロナ流行期間中、医療廃棄物処理能力は27%増加した。 2020年6月6日現在、全国医療廃棄物処理能力は6245.4トン/日で、流行前の4902.8トン/日から1342.6トン/日となり、27%増加した。1月20日以降、全国で累計44.7万トンの医療廃棄物が処分された。(引用:生態環境部HP)

3.課題

生産者責任制度は一体化処理を促進している。新「固形廃棄物法」は、生産者責任拡張制度の確立を明確に定めている。生産者責任拡張制度の推進で、中国政府は製品生産者にエコロジカルデザインの実施と資源回収・利用促進を奨励している。

新型コロナ流行のような突発的公衆衛生の緊急事態対応に基づいて、危険廃棄物焼却やごみ焼却その他の処理手段を使い、集中医療廃棄物処理センターを核として、地域、省、市をカバーするさまざまな空間スケールを構築する必要がある。マルチレベルの医療廃棄物の包括的な処分システムと緊急対応システムの構築が待たれる。しかし、今回の新型コロナ流行は医療廃棄物処理市場に新たなビジネスチャンスと捉えず、企業や地方自治体は医療廃棄物処理施設建設に合理的な投資が必要である。

■筆者プロフィール:内藤 康行
1950年生まれ。横浜在住。中学生時代、図書館で「西遊記」を読後、中国に興味を持ち、台湾で中国語を学ぶ。以来40年近く中国との関わりを持ち現在に至る。中国の環境全般とそれに関わるビジネスを専門とするコンサルタント、中国環境事情リサーチャーとして情報を発信している。

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