抗日戦争の証「炮楼」を27年間自費で保護してきた老人が話題に―河北省滄州市

Record China    2013年9月6日(金) 0時15分

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4日、河北省滄州市滄県に住むある老人が、抗日戦争の証である「炮楼(監視塔を兼ねた小要塞)」を27年間自費で保護してきたことが話題になっている。

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2013年9月4日、河北省滄州市滄県に住むある老人が、抗日戦争の証である「炮楼(監視塔を兼ねた小要塞)」を27年間自費で保護してきたことが話題になっている。中国メディア・法治週末が報じた。

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滄県在住の曹文通(ツァオ・ウェントン、64歳)さんは、幼少から村はずれにある炮楼のエピソードを聞いて育った。それは当時の日本軍がこの付近で行った残虐行為などについてである。

歴史の生き証人とも言えるこの建物だが、1986年にもなると老朽化して傾き始め、村民からはこれを取り壊し、新しく住居に建て替えたらどうかとの提案が持ち上がった。この話を聞いた曹さんは猛烈に反対し、村民を説得。なんとか炮楼を残すことで合意を得た。

建物を守るため、曹さんはセメントなどを自費で購入して補強するとともに、炮楼の脇へ自ら住居を建て、そこへ引っ越した。以降、合計数万元(約数十万〜百数十万円)の費用をつぎ込み、炮楼を守ってきた。修繕費を確保するために、臨時雇いの肉体労働にも従事したという。

しかし、炮楼周辺の良好な土質に目をつけて土を採掘に来る人々や、炮楼のレンガを転売目的で盗む人々が後を絶たず、曹さん個人で建物を保護することが困難になってきた。そこで、曹さんは現地政府に対して炮楼の保護作業を援助するよう申請を行った。結果、滄州市文物保護管理処は、旧日本軍による蛮行の確たる証拠として、これを県の文物保護史跡に認定した。

曹さんがこれまでに個人で投じてきた保護費用と努力に対し、補てんが実施されるかどうかは現段階では定かではない。ただし、曹さんは「望楼を守ってきたのは見返りを求めてのことではない。歴史を伝承させていくためだ」と語っている。(翻訳・編集/HA)

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