「シングル経済」のビジネスチャンスを重視すべき―中国メディア

人民網日本語版    2019年11月27日(水) 16時10分

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中国のシングル経済の年間消費規模は13兆元に達する見込みだ。資料写真。

中国のシングル経済の年間消費規模は13兆元(約195兆円)に達する見込みだ。シングルの57.69%が、「孤独を紛らわすために消費する」としており、さらにそのうちの40%以上が、「毎月大体1000~3000元(約1万5000~4万5000円)使う」といい、3%は「3000~5000元(約4万5000~7万5000円)使う」という。シングルの消費の特徴をみると、便利さを求めて、自分のために、精神的なよりどころとして、自分を高めるために消費をするのが主な方向性だ。経済日報が伝えた。

1人で映画を見る、1人で街をぶらぶらする、1人で食事をする、1人で旅行する。これはシングルの大多数にとっての日常生活だ。データによると、全国のシングル人口は2億4000万人に達して、総人口の15%を占める。北京、上海広州などの一線都市はシングルが最も多く分布する地域だ。シングルは自分たちのことを「シングルドッグ」などと自嘲するが、1人で行動する日々の中でも、「こじんまりとして美しい」暮らしの中の特別感を演出することは十分に可能だ。

もちろん、特別感を演出し、クオリティー・オブ・ライフ(QOL)を高めるにはお金が必要だが、家族のための支出がないシングルは、比較的ゆとりをもってお金を使える状況にある。こうして億単位のシングルが巨大な消費市場を支え、新しい消費の動向-シングル経済をもたらすようになった。

シングル経済の概念を最も早く提唱したのは経済学者のカラム・マッカーシー氏で、2001年に英誌「エコノミスト」の中で初めて打ち出された。当時はシングル経済の対象を女性に限っていたが、今では品格があり、高い品質のシングルライフを追求するより多くの人々を対象とした呼称になった。

シングル経済は日常の衣食の各方面に及び、シングルたちは「自分1人の力で」高々と「爆買い」の旗を掲げる。関連機関の試算では、中国シングル経済の年間消費規模は13兆元に達する見込みだ。シングルの57.69%が、「孤独を紛らわすために消費する」とし、そのうちの40%以上が、「毎月大体1000~3000元使う」といい、3%は「3000~5000元使う」という。シングルの消費の特徴をみると、便利さを求めて、自分のために、精神的なよりどころとして、自分を高めるために消費をするのが主な方向性だ。

シングルがもたらす巨大市場に直面して、企業側もあの手この手を繰り出す。1人向けの飲食サービスや個人向けオーダーメイド旅行、小型のキッチンツールやミニサイズの家電製品が登場し、付き合いという側面の大きい火鍋さえ今は1人で食べるのが流行中だ。

市場機関のまとめた報告によると、「1人前経済」の消費が勢いを増しており、17年7月から18年6月までの間に、プラットフォームでは「1人前」消費のパワーが上昇を続け、1人用家電の販売量上位5製品は、炊飯器、電気フライパン、電気調理器、洗濯機、豆乳メーカーだ。家電だけでなく、1人用食品の消費やペット関連消費も目に見えて増加した。たとえば100グラム入りのコメ、50ミリリットル入りウィスキー、200ミリリットル入り赤ワインがどれもよく売れている。

レジャー・娯楽産業もシングルの「1人で遊びたい」ニーズに応えることをますます重視するようになった。映画館の中には1人で来た人用に「シングルシート」や少し離れた場所にあるシートを用意するところがあり、観賞中に孤独や気まずさを感じなくて済むという。また、これまでは団体客にサービスを提供することが業務だった多くの産業、たとえばカラオケ、ボーリング場、旅行会社などが、今では個人の顧客向けにサービスを展開するようになった。

「1人で楽しむ」という「自分をもてなす」スタイルは、どんなにもてなしてももてなしすぎるということはない。数億人のシングルたちは今、新興市場の発展をけん引しつつある。未来には、可処分所得の増加にともなって、シングルの消費が「基本的な生活に必要なもの」から「心のニーズを満足させるもの」へとさらなる高度化を遂げ、個性化し、ニッチ化し、精緻化した消費がさらに増えるとみられる。

企業はこうした変化に順応し、より個性化した商品とサービスを提供することで、シングルの生活をより豊富で多彩なものにするべきだ。同時に、商品の外側だけを問題にするのではなく、消費者に機能がより多様化し、細かい点までよく考え抜かれた、コストパフォーマンスのより高い商品を提供し、こうした商品をよりどころとしてシングルの消費の高度化を推進するべきだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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